ホーム›男女比が壊れた世界のブラックな日常›男性は学校行事で一人行動してはならない。必ず一人以上の女性と行動しなければならない。
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男性は学校行事で一人行動してはならない。必ず一人以上の女性と行動しなければならない。

 今日も相変わらず学校に来ていた。

 といっても授業に出るわけではなく、男性専用教室でだらだらしているだけ。

 あれから御形はたまーにこの教室に来るようになった。正直、鬱陶しい。だって、愚痴ばっか言ってくるんだもん。しょうがない、僕は悪くない。

「今日は御形、来ないね」

「ねー」

 太郎は手に持った本から顔をあげ、栞を挟む。

「まぁ、毎日来てる僕達の方がおかしいけど」

「給食にさえ来ればいいからね」

 別に給食まで学校で過ごさないといけないわけではない。大半の男子は給食まで家や寮でのんびり過ごしている。

「そういえば、文化祭もうすぐだね」

 彼は顔を歪ませながら劇薬を投下する。

「やめて、その話は」

 文化祭という単語だけで鳥肌が立つ。

「トラウマになってるじゃん。ボクもだけど」

 トラウマにもなるさ。地獄だよ地獄。
 女子にとっては天国だろうけどさ。

「お触りOKにした女子だけは絶対に赦さない」

「本当にね」

 去年の文化祭に何があったのか、結論から言うと僕のクラスの出し物は男子とのコスプレ写真撮影場になった。

 そもそも、この文化祭というイベントは、入学してすぐの6月に行われる女子生徒達への合格お祝いイベントなのだ。

 男子は授業に参加しない。だから、女子が好き勝手決められる。なぜなら、反論する男子がいないから。

 しかも、当日休んだ男子生徒には、半年の授業参加という罰がくだされる。だから、サボることもできない。女子からしたら、どちらに転んでもおいしいイベントなのだ。

 去年は最悪だった。

 王子様、騎士、執事、浴衣。
 自腹で買ったであろう無駄にクオリティーの高い衣装。一着だけではない、大量にあるそれらを取っかえひっかえ着せられる。

 ポーズも、壁ドン、顎クイ、バックハグなど恥ずかしいこと要求された。

 断ることはできない。店のメニューに書いてある、そう言われたら、やるしかないのだ。

 一瞬の恥のために、半年授業を受けるなんて僕には選べなかった。

「そっちのクラスはなんか対策立てた?」

 この話をやめようと言っときながら、話題を広げる。

「もちろん、今年もアレは勘弁だからね」

「さすがにか、こっちのクラスも何とか男子はまとまってる」

「そっか、そっちも大丈夫そうで安心したよ」

「そうだね。でも、残念だなぁ。せっかくの女装男子の欠点がなくなるイベントなのに」

 ちょっとだけイジワルに、彼をからかう。

「女装を欠点とか言うな、そうだけどさ」

「ごめんごめん、でも去年とかすごかったよね。君の行列。だってそうでしょ、仮装した君はシンプルイケメンなんだから」

 男姿だからか、彼だけ倍以上指名多かった。そのせいもあってか、僕達のクラスは大繁盛して、本当に忙しかった。

「はぁ、だから嫌なんだよ。どうせ、顔しか見ていない奴ばっかなんだよ。ボクの女装姿を見て『うわぁ、キモ』って逃げてく奴しかいない。残ったとしても、女装をやめてくれると信じている奴だけ」

「高瀬たかせとか?」

「うん」

 露骨に顔を歪ませる。
 そこまで嫌なの高瀬。

「高瀬はね、ダメ。どうせ、うまくいかなくて女装をやめるって信じ切ってる。20歳までゆっくり待つつもりでね」

「でも、美人じゃん」

「美人でもだよ。それなら、君は橘とはやく付き合いなよ。彼女、美人でしょ?」

「うッ」

 痛いところばかりついてくる。
 別に、そうゆうのはね。ちょっと、あれさ。

「ほらね」

 彼は勝ち誇ったように笑う。

「悪かったって」

「許さない。具体的には、木陰カフェのパフェを奢ってくれるまで許さない」

 木陰のパフェって確か3000円越えてたはずだ。なかなかの横暴だ。

「⋯⋯わかったよ。いい性格してるね、ホント」

「ありがとう」

「褒めてないよ」

「わかって言ってるに決まってるでしょ」

「⋯⋯」

 本当にいい性格してるよ。

「そういえば、当日どうする?一応、僕は橘といることにはなったけど、そっちは?というか、相手いる?」

 学校行事は女性と過ごさなければならない、という非常に面倒くさいルールがある。男にもプライベートというものが必要だというのに。

「相手はいないけど、まぁ大丈夫にはなりそう。というか、橘と過ごすんだ。さっき、『うッ』とかなってたのに」

「他に選択肢がなかったからね。君だって、相手がいないじゃん。追っかけから選びなよ、追っかけ」

「絶対、嫌。大丈夫って言ってるでしょ」

「どうだか。どうせ当日、適当な女の子捕まえるから大丈夫とか思ってるんでしょ。わかるよ」

「違う!そんなことしない」

「じゃあ、どうするのさ」

「それは、、まぁ、何とかなる予定ではある」

「ふーん」

 何か隠したいことがあるんだろうな。僕にでも言えないことが。

「じゃあ、いいよ。パフェは今週末でいい?」

「あ、うん。空いてるよ」



 ―――ガラガラガラ

 教室の扉が開く。

「遅れてすまない。ちょっと彼女達に捕まっててな」

 御形が教室に入って来る。別に来なくてよかったのに。

「愚痴なら帰って」

「いや、愚痴ではない」

 いつもここに来る時はだいたい愚痴だろと思いつつも次の言葉を待つ。

「――自慢だ」

 2秒くらい溜めてキメ顔でひと言。スッと言えよ。

 本人はかっこいいと思って言ってるんだろうな。ここに女子がいたらきゃあきゃあ言ってる、たぶん。コラ、太郎小さい声でイタいって言うなイタいって。

「うん、帰って」

そんな感じで彼と2人楽しく過ごしているよ。

御形?誰、それ?
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男性は小学生は男子校に通います。ですが、中学校は自由に選択できます。
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男性は必ず学校行事に参加しなければならない。なお、欠席した場合は授業半年の出席が義務づけられます。
男女比が壊れた世界のブラックな日常作者:霊兎卯
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 今日も相変わらず学校に来ていた。

 といっても授業に出るわけではなく、男性専用教室でだらだらしているだけ。

 あれから御形はたまーにこの教室に来るようになった。正直、鬱陶しい。だって、愚痴ばっか言ってくるんだもん。しょうがない、僕は悪くない。

「今日は御形、来ないね」

「ねー」

 太郎は手に持った本から顔をあげ、栞を挟む。

「まぁ、毎日来てる僕達の方がおかしいけど」

「給食にさえ来ればいいからね」

 別に給食まで学校で過ごさないといけないわけではない。大半の男子は給食まで家や寮でのんびり過ごしている。

「そういえば、文化祭もうすぐだね」

 彼は顔を歪ませながら劇薬を投下する。

「やめて、その話は」

 文化祭という単語だけで鳥肌が立つ。

「トラウマになってるじゃん。ボクもだけど」

 トラウマにもなるさ。地獄だよ地獄。
 女子にとっては天国だろうけどさ。

「お触りOKにした女子だけは絶対に赦さない」

「本当にね」

 去年の文化祭に何があったのか、結論から言うと僕のクラスの出し物は男子とのコスプレ写真撮影場になった。

 そもそも、この文化祭というイベントは、入学してすぐの6月に行われる女子生徒達への合格お祝いイベントなのだ。

 男子は授業に参加しない。だから、女子が好き勝手決められる。なぜなら、反論する男子がいないから。

 しかも、当日休んだ男子生徒には、半年の授業参加という罰がくだされる。だから、サボることもできない。女子からしたら、どちらに転んでもおいしいイベントなのだ。

 去年は最悪だった。

 王子様、騎士、執事、浴衣。
 自腹で買ったであろう無駄にクオリティーの高い衣装。一着だけではない、大量にあるそれらを取っかえひっかえ着せられる。

 ポーズも、壁ドン、顎クイ、バックハグなど恥ずかしいこと要求された。

 断ることはできない。店のメニューに書いてある、そう言われたら、やるしかないのだ。

 一瞬の恥のために、半年授業を受けるなんて僕には選べなかった。

「そっちのクラスはなんか対策立てた?」

 この話をやめようと言っときながら、話題を広げる。

「もちろん、今年もアレは勘弁だからね」

「さすがにか、こっちのクラスも何とか男子はまとまってる」

「そっか、そっちも大丈夫そうで安心したよ」

「そうだね。でも、残念だなぁ。せっかくの女装男子の欠点がなくなるイベントなのに」

 ちょっとだけイジワルに、彼をからかう。

「女装を欠点とか言うな、そうだけどさ」

「ごめんごめん、でも去年とかすごかったよね。君の行列。だってそうでしょ、仮装した君はシンプルイケメンなんだから」

 男姿だからか、彼だけ倍以上指名多かった。そのせいもあってか、僕達のクラスは大繁盛して、本当に忙しかった。

「はぁ、だから嫌なんだよ。どうせ、顔しか見ていない奴ばっかなんだよ。ボクの女装姿を見て『うわぁ、キモ』って逃げてく奴しかいない。残ったとしても、女装をやめてくれると信じている奴だけ」

「高瀬たかせとか?」

「うん」

 露骨に顔を歪ませる。
 そこまで嫌なの高瀬。

「高瀬はね、ダメ。どうせ、うまくいかなくて女装をやめるって信じ切ってる。20歳までゆっくり待つつもりでね」

「でも、美人じゃん」

「美人でもだよ。それなら、君は橘とはやく付き合いなよ。彼女、美人でしょ?」

「うッ」

 痛いところばかりついてくる。
 別に、そうゆうのはね。ちょっと、あれさ。

「ほらね」

 彼は勝ち誇ったように笑う。

「悪かったって」

「許さない。具体的には、木陰カフェのパフェを奢ってくれるまで許さない」

 木陰のパフェって確か3000円越えてたはずだ。なかなかの横暴だ。

「⋯⋯わかったよ。いい性格してるね、ホント」

「ありがとう」

「褒めてないよ」

「わかって言ってるに決まってるでしょ」

「⋯⋯」

 本当にいい性格してるよ。

「そういえば、当日どうする?一応、僕は橘といることにはなったけど、そっちは?というか、相手いる?」

 学校行事は女性と過ごさなければならない、という非常に面倒くさいルールがある。男にもプライベートというものが必要だというのに。

「相手はいないけど、まぁ大丈夫にはなりそう。というか、橘と過ごすんだ。さっき、『うッ』とかなってたのに」

「他に選択肢がなかったからね。君だって、相手がいないじゃん。追っかけから選びなよ、追っかけ」

「絶対、嫌。大丈夫って言ってるでしょ」

「どうだか。どうせ当日、適当な女の子捕まえるから大丈夫とか思ってるんでしょ。わかるよ」

「違う!そんなことしない」

「じゃあ、どうするのさ」

「それは、、まぁ、何とかなる予定ではある」

「ふーん」

 何か隠したいことがあるんだろうな。僕にでも言えないことが。

「じゃあ、いいよ。パフェは今週末でいい?」

「あ、うん。空いてるよ」



 ―――ガラガラガラ

 教室の扉が開く。

「遅れてすまない。ちょっと彼女達に捕まっててな」

 御形が教室に入って来る。別に来なくてよかったのに。

「愚痴なら帰って」

「いや、愚痴ではない」

 いつもここに来る時はだいたい愚痴だろと思いつつも次の言葉を待つ。

「――自慢だ」

 2秒くらい溜めてキメ顔でひと言。スッと言えよ。

 本人はかっこいいと思って言ってるんだろうな。ここに女子がいたらきゃあきゃあ言ってる、たぶん。コラ、太郎小さい声でイタいって言うなイタいって。

「うん、帰って」

そんな感じで彼と2人楽しく過ごしているよ。

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