第21話 尾牟派麗子〜目堂冴③
空玲須は、尾牟派麗子に連れられて更衣室に入り、そこで「聖リディア女学院の制服」に着替えた。
シャツの前は閉じることができない。袖は少しピリッといったがまあ、何とか通せた。コレは、スカート...女子の腰蓑だが、コレもファスナーが最後まで上げられない。よし、落ちないからコレでいいだろう。
恐る恐る、ドアノブに触れる空玲須。
...鳴らない。確認してからドアを開けた。
尾牟派麗子は、半笑いの目と口で言った。
「夏休みに入る前に、学園内で三名ほどが巻き込まれる事件があった。皆、職員じゃ。」
「重い話なのに、何で半笑いなんですか。」
空玲須が抗議すると、尾牟派麗子は真顔に戻って、
「そうじゃな。不謹慎であった。すまぬ。
...しかし。」
ぷぷっ。ついに吹き出し、壁をばんばん叩いて爆笑した。
「あーはっはっ...。
そ、そちのその格好...。
なんじゃそれはwww...。」
「なんじゃと言われても...。
着ろと言ったのはあなたですよ。」
ふひーッふひーッと息も絶え絶えに、尾牟派麗子は答えた。
「そうじゃったの。これは失敬した...。
じゃがの...ああ、ダメじゃ!」
尾牟派麗子は、その後もしばらく笑いを止めることができなかった。
「三人は出張中ということにして、警察の捜査が入らないようにしてある。
そして...その三人が、これじゃ。」
尾牟派麗子は極力空玲須の方を見ずに、「PRIVATE」と書かれた部屋の鍵を開けました。
中には、人型の石像が三つ並んでいます。大きさも人と同じぐらい。おっさんと、若い男と、中年女性。服の皺まで、とてもリアルにできていました。
「...まさか、この石像は...。」
空玲須の言葉に、尾牟派麗子は頷きます。
「二人は事務官で、一人は教師じゃ。そして、発見された場所は、三人とも事務室。
怪しいじゃろ?」
「目堂冴さん、ですか?」
空玲須は、目堂冴の眼鏡を思い出して言いました。
「ところがの。
三人が発見されたとき、目堂冴は『事務室におらんかった』。
そして、そちの学校の時と違って、『校舎は怪化していない』のじゃ。」
尾牟派麗子が、「怪化」のことを知っている。空玲須は不思議でしたが、それよりも。
「どうして、目堂冴さんが事務室にいなかっったって分かるんですか?
その場にいた人は、こうなっているのに。」
尾牟派麗子は、目を閉じて空玲須の方を向き、言った。
「第一発見者は教頭先生じゃ。授業に教師が来ないという報告を受けて、探している途中に発見した。
その時、事務室には誰もおらず、目堂冴は教頭の後ろから事務室に入ってきた、と。
...教頭先生に直接話を聞いてみるかの?」
空玲須は頷きました。