最終話-b 必歩流亭編〜花火大会
花火大会、当日。
待ち合わせの時計の前で、空玲須は少し待ちました。
時間を過ぎても、必歩流帝は現れません。
...来て、くれないか...。
そう思ったとき、向かいのビルの陰から視線が!
「必歩流帝!」
名を呼ばれて、必歩流帝はビルの陰から出てきました。
「お、おう...。」
青と金の大人びた色合いの浴衣。長身の必歩流帝によく似合っています。空玲須と並ぶとまさにベストカップル。
けれども必歩流帝は、なんだか恥ずかしそうにしていました。
「素敵だ。」
空玲須が言うと、珍しく耳まで真っ赤にしてうつむきました。
「は、恥ずぃ...。
コレ、メンバーに見られたら...死ぬ。」
空玲須は黙って必歩流帝の手を取って、会場へと走りました。ついてくる必歩流帝。とても下駄とは思えない走り。
二人は自然と笑顔になっていました。
どどーん! パチパチパチ...
大きな花火。
ととととど、ぱぱぱぱぱ...。
カラフルな連発花火。
「オレ、嬉しかったよ。必歩流帝が来てくれて。」
「何か、途中で恥ずくなって、帰りかけた...。
お前とは、共に戦えると信頼している。
でも、こういうのは、なんだか...。」
「必歩流帝とまともに戦える相手は、もういないんじゃないか?」
空玲須は、笑います。
「いや。一人いるな。」
「誰?どこにいる?」
必歩流帝は、ニヤリと笑った。
「ウチの目の前。」
キョトンとする空玲須。気がついて自分を指さします。
「オレ?」
微笑んで頷く必歩流帝。
「必歩流帝とは、戦えないな。」
空玲須はそう言って、必歩流帝の手を握ります。
「でも、守ることならできる。」
どどーーん!パッ!
パチパチパチ...。
最後の大きな花火が鳴り響きました。
「明日、隣町の孤輪斗巣とやる。
手伝ってくれるよな?」
「は?」
必歩流帝の言葉に、すっとんきょうな返事を返す空玲須。
必歩流帝は、空玲須の瞳を見つめて言いました。
「守ってくれんだろ?」
必歩流帝の満面の笑顔。
空玲須=ヘラクレスの青春は、まだまだ続いていくようです。
「青春ヘラクレス」完