ホーム›麻雀食堂›第伍話 安全牌を危険牌にするリーチ
← 次の話目次前の話 →

第伍話 安全牌を危険牌にするリーチ



 メタが行った高度なツモ切りリーチとはどんなものだったのだろうか。俺は初心者だから聞いても理解できないかもなと思いつつも2人の話を聞いてみた。

メタ手牌
二三三四四伍七八九③④11

 状況は2索が場に4枚見え。このダマをしてる時に6索のポンが入りツモ切りリーチ。
「これねー。一見全然関係ないじゃん? でもここはツモ切りリーチが効果的なのよね」
「さすがに俺にはわかりません。なんでですか?」
「例えばね、6索のポンが入ったならその外跨ぎにあたる78索は使いにくいから通りやすいし9は当たり牌を見逃してることになるからやはり切りやすいの」
「ふんふん」
 俺はなんとなく納得して頷いた。
「しかも今回は2索が4枚見えてることにより索子が手前は3索までしか無い場になってる。ということは56索という内跨ぎも同様に切りやすくなったという事。3索も9索と同様で見逃しをしてることになるから切りやすい」
「なるほど」
「という変化をした瞬間にリーチをしたとしたら?」
「?」
 わからない。したらどうなるんだろう。
「つまりね、345789索は6索ポンにより安全性が高い牌という状況変化があり安全牌候補になった。でもその状況変化があった瞬間にツモ切りリーチをかけたことによりその今の今安全性が高くなった牌たちを狙った手ではないかという疑いをかけなければならなくなったの」
「あっ......」
「つまりこのツモ切りリーチは6種もの安全牌候補を6種の危険牌候補にしてしまったということ。まあ厳密に言えば残り1枚の6索もだけど」
「ヤバ......考えが深過ぎる!」

 麻雀の深淵をひとつ知ったような、そのくらいの衝撃だった。どう読んでるかを読んだ上のさらに深く切り込む戦術。こんな、ツモ切りをするというだけの行為にそこまでの考えがあるだなんて。

「まー、あとはね。なんとなーくそろそろツモりそうだしリーチとか。そっちがそうくるなら威嚇しとくべきかなー、とか」
「そうそう、他にはソバテンになっちゃったから誤魔化すためにダマってたやつをそろそろリーチしよう。とかね」

「つまり『ツモ切りリーチには様々なパターンがあるけどリーチする前巡にそのヒントがあるケースはかなり多い』と覚えておけば間違いない感じですか」

「「そーーーー!! そーゆーことよ!」」
「やっぱりあなた凄いわぁ」
「麻雀の天才かもねえ。ねっマキ」

 こんなに盛大に褒められたのは初めてだ。酔ってるわけでもないのに俺も顔が火照ってきてる。気分は、いい。
「あの、ビール下さい」
「おっ、飲みな飲みな! 枝豆もあるから」
 顔の火照りを誤魔化すために俺もアルコールを摂ることにした。ビールを飲むのは久しぶりだ。照れ隠しを焦った俺は1杯目のビールをイッキ飲みする。
「おお! いい飲みっぷり」
 気付いたら2杯目が用意されてる。そんなに強い方じゃないんだが。

────
──


 そこから先は、あんまり覚えてない。久しぶりのアルコールだったので酔いすぎてしまったのかもしれない。

 とりあえず、ちゃんと自宅には帰ってきていた。それだけは少しホッとした。
シェア
前の話 →
第四話 覚悟の上なら痛くない
← 次の話
第六話 妹との休日
麻雀食堂作者:彼方
目次を見る
コメント0件
ログインしてコメントする
まだコメントがありません
ホーム›麻雀食堂›第伍話 安全牌を危険牌にするリーチ
← 前の話目次次の話 →

第伍話 安全牌を危険牌にするリーチ



 メタが行った高度なツモ切りリーチとはどんなものだったのだろうか。俺は初心者だから聞いても理解できないかもなと思いつつも2人の話を聞いてみた。

メタ手牌
二三三四四伍七八九③④11

 状況は2索が場に4枚見え。このダマをしてる時に6索のポンが入りツモ切りリーチ。
「これねー。一見全然関係ないじゃん? でもここはツモ切りリーチが効果的なのよね」
「さすがに俺にはわかりません。なんでですか?」
「例えばね、6索のポンが入ったならその外跨ぎにあたる78索は使いにくいから通りやすいし9は当たり牌を見逃してることになるからやはり切りやすいの」
「ふんふん」
 俺はなんとなく納得して頷いた。
「しかも今回は2索が4枚見えてることにより索子が手前は3索までしか無い場になってる。ということは56索という内跨ぎも同様に切りやすくなったという事。3索も9索と同様で見逃しをしてることになるから切りやすい」
「なるほど」
「という変化をした瞬間にリーチをしたとしたら?」
「?」
 わからない。したらどうなるんだろう。
「つまりね、345789索は6索ポンにより安全性が高い牌という状況変化があり安全牌候補になった。でもその状況変化があった瞬間にツモ切りリーチをかけたことによりその今の今安全性が高くなった牌たちを狙った手ではないかという疑いをかけなければならなくなったの」
「あっ......」
「つまりこのツモ切りリーチは6種もの安全牌候補を6種の危険牌候補にしてしまったということ。まあ厳密に言えば残り1枚の6索もだけど」
「ヤバ......考えが深過ぎる!」

 麻雀の深淵をひとつ知ったような、そのくらいの衝撃だった。どう読んでるかを読んだ上のさらに深く切り込む戦術。こんな、ツモ切りをするというだけの行為にそこまでの考えがあるだなんて。

「まー、あとはね。なんとなーくそろそろツモりそうだしリーチとか。そっちがそうくるなら威嚇しとくべきかなー、とか」
「そうそう、他にはソバテンになっちゃったから誤魔化すためにダマってたやつをそろそろリーチしよう。とかね」

「つまり『ツモ切りリーチには様々なパターンがあるけどリーチする前巡にそのヒントがあるケースはかなり多い』と覚えておけば間違いない感じですか」

「「そーーーー!! そーゆーことよ!」」
「やっぱりあなた凄いわぁ」
「麻雀の天才かもねえ。ねっマキ」

 こんなに盛大に褒められたのは初めてだ。酔ってるわけでもないのに俺も顔が火照ってきてる。気分は、いい。
「あの、ビール下さい」
「おっ、飲みな飲みな! 枝豆もあるから」
 顔の火照りを誤魔化すために俺もアルコールを摂ることにした。ビールを飲むのは久しぶりだ。照れ隠しを焦った俺は1杯目のビールをイッキ飲みする。
「おお! いい飲みっぷり」
 気付いたら2杯目が用意されてる。そんなに強い方じゃないんだが。

────
──


 そこから先は、あんまり覚えてない。久しぶりのアルコールだったので酔いすぎてしまったのかもしれない。

 とりあえず、ちゃんと自宅には帰ってきていた。それだけは少しホッとした。
シェア
← 前の話
第四話 覚悟の上なら痛くない
次の話 →
第六話 妹との休日
麻雀食堂作者:彼方
目次
コメント0件
ログインしてコメントする
まだコメントがありません