ホーム伏魔の恵第7話:燃える屋敷と流浪の誓い
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第7話:燃える屋敷と流浪の誓い

第7話:燃える屋敷と流浪の誓い
​​ 篠田家の庭先で繰り広げられた激闘は、覚醒した篠田進の鬼神のごとき三節棍と、大野進の極意によって刺客たちを退けることで決着した。
​ しかし、勝利の余韻は一瞬で打ち砕かれる。
​「あいつら......高田の犬どもだけじゃない! 警察の特殊部隊(SAT)だと指令が出ている!?」
​ 智也のスマホの画面に飛び込んできたのは、地元警察と高田の息がかかった広域組織が「過激派テロ組織への武器潜伏・密通容疑」で篠田家を包囲しつつあるという絶望的な報せだった。魔星の力を得た高田の権力は、あまりにも迅速で容赦がない。
​ 深夜、激しい銃声とサイレンの音が山間に響き渡る中、高田の手下が放った火により、篠田の先祖代々の武家屋敷は激しい炎に包まれた。
​「畜生......! 屋敷が......俺の家が......!」
​ 燃え上がる炎を背に、木棍を握りしめた篠田進が血の涙を流して拳を握りしめる。冤罪を着せられ、生まれ育った郷里を追われた「九紋龍」の若者は、一瞬にしてすべてを失い、流浪の身となったのだ。
​ 大野進は静かに篠田の肩を強く叩いた。
​「進よ、悔しさを力に変えろ。家は失っても、お前の身につけた武芸と魂までは奪えん」
「お師匠......っ!」
「わしはこれより、高田の手が届かぬ奥出雲のたたらの古伝承地へ潜伏し、奴らの資金源と陰謀の根を追う。......少年たち、お前たちはどうする?」
​ 大野の問いに、泥と黒煙にまみれた恵太、智也、葵の三人が顔を上げた。
​「僕たちは......松江について行くよ」
​ 智也が深く息を吐き、煤けた眼鏡を掛け直す。
​「高田の背後には、松江が解き放った『魔星』の存在がある。全国で起きている不可解な冤罪や権力者の暴走......あれを放置しておけば、この国の秩序は内側から崩壊する。僕の分析と、黒木の破格の身体能力、そして篠田の武芸があれば、魔星の気配を追うことは可能だ」
​「ちょっと呉原、勝手に私の身体能力をアテにしないでよ」
​葵が呆れ顔で言いながらも、その手にはしっかりと重い鉄パイプが握られていた。
​「まあでも......一人で世界の重みを抱え込もうとしてるバカを、放っておけるわけないでしょ。私たちはあの日、同じ谷底へ落ちた仲間なんだから」
​「黒木......呉原......それに篠田さん......」
​ 恵太の声が震えていた。
胸を締め付けるのは、あの夜、己の狂気とも言える「無償の善意」で解き放ってしまった【百八の魔星】という最悪の罪の重み。
​「駄目だ......みんな、俺に関わっちゃ駄目だ! 俺のせいで......俺の軽率な善意のせいであんな扉が開いたんだ! 篠田さんの屋敷が焼けたのも、全部俺のせいなんだぞ......!」
​ 血が滲むほど唇を噛み締め、絶望に押し潰されそうになる恵太。
​ ――ドカッ!
​ 激しい衝撃とともに、恵太の身体が濡れた砂利の上に吹き飛んだ。
腕を振るったのは、全身の刺青を炎に赤く染めた篠田進だった。
​「おいガキ、勘違いすんじゃねえぞ!」
​進が倒れた恵太の胸ぐらを強引に掴み上げ、血走った眼差しで顔を近づける。
​「俺の家を燃やしたのは高田の野郎だ! お前のせいなんかじゃねえ! それに......泣いてる奴を放っておけねえって言ったのはお前だろ!? だったら、世界が泣いてる今、お前が背を向けてどうすんだよ! 俺の家を奪った奴らを、その拳で叩き潰しに行く度胸もねえのか!」
​「......っ!」
​恵太の瞳に、揺らぐ炎の光が映る。
​「松江、逃げるな」
​智也が静かに、しかし決然と告げた。
​「お前が作った不条理なら、お前の手で潰せ。僕の頭脳は、お前が犯した最悪の計算違いを帳消しにするために使ってやる。全国に散った百八の魔星を、僕たちの手で一つ残らず回収するんだ」
​大野進は静かに満足げな笑みを浮かべると、背を向け、闇の山道へと消えていった。師の背中を見送り、四人の若者は互いに泥だらけの手を重ね合わせる。
​夜明けの蒼い光が、燃え落ちた屋敷の煙と、立ち尽くす四人の影を力強く浮かび上がらせていく。
​自らの過ちで世界を破滅へと追いやった少年・松江恵太。
彼を支える頭脳・呉原智也、豪傑・黒木葵、そして流浪の拳・篠田進。
​――後に「現代の梁山泊」と呼ばれることになる、小さき無頼たちの反撃の旅が、今、ここから始まろうとしていた。
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第7話:燃える屋敷と流浪の誓い
​​ 篠田家の庭先で繰り広げられた激闘は、覚醒した篠田進の鬼神のごとき三節棍と、大野進の極意によって刺客たちを退けることで決着した。
​ しかし、勝利の余韻は一瞬で打ち砕かれる。
​「あいつら......高田の犬どもだけじゃない! 警察の特殊部隊(SAT)だと指令が出ている!?」
​ 智也のスマホの画面に飛び込んできたのは、地元警察と高田の息がかかった広域組織が「過激派テロ組織への武器潜伏・密通容疑」で篠田家を包囲しつつあるという絶望的な報せだった。魔星の力を得た高田の権力は、あまりにも迅速で容赦がない。
​ 深夜、激しい銃声とサイレンの音が山間に響き渡る中、高田の手下が放った火により、篠田の先祖代々の武家屋敷は激しい炎に包まれた。
​「畜生......! 屋敷が......俺の家が......!」
​ 燃え上がる炎を背に、木棍を握りしめた篠田進が血の涙を流して拳を握りしめる。冤罪を着せられ、生まれ育った郷里を追われた「九紋龍」の若者は、一瞬にしてすべてを失い、流浪の身となったのだ。
​ 大野進は静かに篠田の肩を強く叩いた。
​「進よ、悔しさを力に変えろ。家は失っても、お前の身につけた武芸と魂までは奪えん」
「お師匠......っ!」
「わしはこれより、高田の手が届かぬ奥出雲のたたらの古伝承地へ潜伏し、奴らの資金源と陰謀の根を追う。......少年たち、お前たちはどうする?」
​ 大野の問いに、泥と黒煙にまみれた恵太、智也、葵の三人が顔を上げた。
​「僕たちは......松江について行くよ」
​ 智也が深く息を吐き、煤けた眼鏡を掛け直す。
​「高田の背後には、松江が解き放った『魔星』の存在がある。全国で起きている不可解な冤罪や権力者の暴走......あれを放置しておけば、この国の秩序は内側から崩壊する。僕の分析と、黒木の破格の身体能力、そして篠田の武芸があれば、魔星の気配を追うことは可能だ」
​「ちょっと呉原、勝手に私の身体能力をアテにしないでよ」
​葵が呆れ顔で言いながらも、その手にはしっかりと重い鉄パイプが握られていた。
​「まあでも......一人で世界の重みを抱え込もうとしてるバカを、放っておけるわけないでしょ。私たちはあの日、同じ谷底へ落ちた仲間なんだから」
​「黒木......呉原......それに篠田さん......」
​ 恵太の声が震えていた。
胸を締め付けるのは、あの夜、己の狂気とも言える「無償の善意」で解き放ってしまった【百八の魔星】という最悪の罪の重み。
​「駄目だ......みんな、俺に関わっちゃ駄目だ! 俺のせいで......俺の軽率な善意のせいであんな扉が開いたんだ! 篠田さんの屋敷が焼けたのも、全部俺のせいなんだぞ......!」
​ 血が滲むほど唇を噛み締め、絶望に押し潰されそうになる恵太。
​ ――ドカッ!
​ 激しい衝撃とともに、恵太の身体が濡れた砂利の上に吹き飛んだ。
腕を振るったのは、全身の刺青を炎に赤く染めた篠田進だった。
​「おいガキ、勘違いすんじゃねえぞ!」
​進が倒れた恵太の胸ぐらを強引に掴み上げ、血走った眼差しで顔を近づける。
​「俺の家を燃やしたのは高田の野郎だ! お前のせいなんかじゃねえ! それに......泣いてる奴を放っておけねえって言ったのはお前だろ!? だったら、世界が泣いてる今、お前が背を向けてどうすんだよ! 俺の家を奪った奴らを、その拳で叩き潰しに行く度胸もねえのか!」
​「......っ!」
​恵太の瞳に、揺らぐ炎の光が映る。
​「松江、逃げるな」
​智也が静かに、しかし決然と告げた。
​「お前が作った不条理なら、お前の手で潰せ。僕の頭脳は、お前が犯した最悪の計算違いを帳消しにするために使ってやる。全国に散った百八の魔星を、僕たちの手で一つ残らず回収するんだ」
​大野進は静かに満足げな笑みを浮かべると、背を向け、闇の山道へと消えていった。師の背中を見送り、四人の若者は互いに泥だらけの手を重ね合わせる。
​夜明けの蒼い光が、燃え落ちた屋敷の煙と、立ち尽くす四人の影を力強く浮かび上がらせていく。
​自らの過ちで世界を破滅へと追いやった少年・松江恵太。
彼を支える頭脳・呉原智也、豪傑・黒木葵、そして流浪の拳・篠田進。
​――後に「現代の梁山泊」と呼ばれることになる、小さき無頼たちの反撃の旅が、今、ここから始まろうとしていた。
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