カミサマ
「神様」なんかに会いたいと願ってしまえば、きっと僕も______
《【カミサマ】が言うことはすべて正しい。
【カミサマ】に従い、【カミサマ】を崇め奉れ。
【カミサマ】への冒涜は「天使刑」に処す。》
この世に神などいない。
神なんてものがいるなら早々にこの世を滅ぼしているだろうから。
なぜここまで地獄のようになるまで放って置くのかわからない。
いや、神などいないのだから考えてもきっと無駄だ。
でももし、神などというものがいるのだとすれば会って聞きたいことがある。
「何故この世はこんなにも地獄のようなんだ」
ってね。
でも、そんな事聞けるような勇気や度胸なんて持ち合わせてないんけどね。
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「あなたの名前を記入してください。」
あなたの名前は?
{| }
【カミサマ】
僕がカミサマとして対応したのは3名。
「斎藤杏奈」
「田中健」
「西野雫」
一番最後の「西野雫」は転生し、「天使」と呼ばれる存在となった。
天使、ねぇ...
天使なんてものは君たちが想像する白い翼の生えた純真無垢なものではない。
優しくもないし、神の使いといえばそうなんだろうが、常にニコニコしていて気味が悪い。
君たちの想像している花が咲いたかのような笑顔ではなく、もっと、こう...
なんというか、そう、怖い。怖い笑顔だ。目にハイライトが無いし、基本的に目黒いし、
悪魔と言ったほうが正しいくらいだ。まぁ、彼女は「悪魔」と呼ばれても間違っていないような仕事内容だから「悪魔」でも合ってるんだけどね。
「西野雫」を「僕」が担当。その後「天使」に《転生済》。
「田中健」は「僕」が担当。その後「西野雫」が回収したが、《未処理》。
「斎藤杏奈の親」を「西野雫」が担当。その後回収し《処理済》。
「斎藤杏奈」を「僕」が担当。その後「現実」に《転生済》。
「転生者記入書 転生責任担当者:【■■■■ 】
転生者名:【西野雫】 転生後名;【天使No.174】
転生済印鑑:【《済》】 」
まだ書けていない書類で溢れたデスクはいつも通り散らかっている。
印鑑もどこへやったか分からない。万年筆も何本もあったのに今は一本しか無い。
書類も担当する予定の人間の資料も、一部が欠けていたり失くしていたりする。
資料がなかったり欠けた人間の魂は厄介なことになる。
「ここ」に辿り着くことが出来ずに「現実」の人間に危害を加えるようになる。
いわゆる「悪霊」になるのだ。
だが、ごく一部ごく稀に「人間に危害を加えない霊」となる者もいるらしいのだが、僕が【カミサマ】になってからは一度も見たことがない。
もしも、そんな霊が存在するのだとすれば、会って聞きたいことがある。
なぜ「危害を加えない」のか、なぜ「そうなってしまった」のか。
でも、そんな事できる立場じゃないんだけどね。