すごい綺麗な人!
この世界には多分『魔素』がある。それならば俺ら、魔法を使ったことがない人間でも、ワンチャン使えるか?
『ギルド』とやらは、木造と石造りが混ざった建物で、小さいながらに人で賑わっていた。
「すみませーん、登録したいんですけど」
「初めてのお客さんだね?珍しいね、......紹介状とかあるかい?」
「ないけど、あ、酒場のルドさんのとこで働かせてもらってます」
「あー!あの時の少年かぁ」
受付のおじさんが、品定めする目から一気に顔見知りに向ける目に変わった。カウンターにここ数日で稼いだなけなしの貨幣を置く。登録料だ。
「しかし見たところ、武器もないし魔法を使う感じでもないけど、雑用専門でもいいの?」
「むしろ雑用がいいです、お願いします」
ふと、後ろから視線を感じて振り返る。そこには壁にもたれかかる長身の男がいた。
男は深くフードを被り、全身をローブで覆っていた。壁に立てかけてある杖は男のものだろう、多分魔法使い系。
「......そこのガキ。ここに来るのは十年早い」
(吉田!なんかまたヤバい奴来たぞ)
「そめちゃん、なんか空中にステータス出てるよ。職業教師、ランクCだって」
「また教師ィィィ!??せめてかけだし勇者とかなんか無かったの!?しかもランクCて!!」
「俺なんか無職のDだよ。学生なんだからしょうがないよなあ」
後ろから笑い声が漏れ聞こえた。なんか気味悪いなあの男。
「学生......?その貧相な身なりで、貴族なのかお前」
「おじさん、あの独り言でかい男の人は登録者なんですか」
「あ、ああ......アストランティアな。常連も常連、魔法使いのAランクだよ、ちょっと独り言がでかいけどな」
「笑っちまうな、ガキ。俺よりいい身分なのかお前はよ!さぞかし上等な魔法を知ってるんだろうな??」
男はフードを取ると、杖を俺たちに向けて光らせてきた。足元には魔法陣が浮かび上がり、たちまち臨戦態勢に入った。
「ちょ、ここで魔法......
「すごい綺麗な人!!!!!」
そめちゃんのでかい声に耳が痛くなる。
場は静まり返った。
「見て吉田!!あの銀色の髪にメタリックな瞳!まつ毛も銀色だよ!!!それにあの肌!毛穴ひとつないね!??あっお前も毛穴まだ無いか」
「そめちゃ、ちょっと黙って」
「芸能人かな!?やっぱりお肌の手入れとかして
るのかな?時代は男の人もメイクだよねーーー」
そめちゃんは興奮するとお喋りが止まらない。授業でもそうやって平気で一時間を潰していた。