SufY.107:鳴り響く鎚音!にんじんっドック港の「造船ラッシュ」と職人たちの絆
第106話で発見・開拓した『にんじんっ紫芋プリン島(仮)』からの報告を受け、本拠地『にんじんっ要塞ドック港』で活気あふれる造船ラッシュを展開する職人たちの様子を描いた第107話です。
第一章:前線からの大朗報と沸き立つ要塞ドック港
カンンンンッ!キィィィィン......ッ!
『にんじんっ要塞ドック港』を包み込む巨大な地下空洞には、早朝から心地よい金属音と蒸気機関の排気音が鳴り響いていた。
絶壁を貫く巨大な『縦穴(たてあな)補給シャフト』からは、全自動リフトと滑車ラインが目まぐるしく上下動を繰り返し、地上や地下鉱山から搬入される『白銀』や『黒金』の地金、そして加工されたばかりの『木鉄』がドックの資材置き場へ次々と積み上げられていく。
「おーい!アリシア様からの定期連絡だだす!第1号探検艦南の大海原で特大の新島を発見・開拓完了しただすーーーっ!」
要塞ドックの通信塔から、伝令の職人が羊皮紙を振り回しながら駆け込んできた。
その声を聞いた瞬間、ドック内で作業していた数百人の職人たちから地鳴りのような歓声が巻き起こった!
「「「「うぉぉぉぉぉぉっ!!マジかだすかーーーっっ!?」」」」
「咲姫様たちがやっただす!新島『にんじんっ紫芋プリン島(仮)』の確保に成功しただすよ!」
「島丸ごと特級資材の宝庫だって!?縦穴経由で届く補給の甲斐があったってんだだす!」
巨大な造船ドックの中央、建造中の巨大な船体のうえで汗を流していた鍛冶ギルドの面々や大工たちが、工具を高く掲げて喜びを爆発させる。
「ガハハハハ!流石は咲姫様と我らのギルド長(長短刀鍛冶)だだす!」
巨大なスレッジハンマーを肩に担いだ熟練鍛冶職人が、豪快に笑い飛ばした。
「新島が確保されたってことは、ここからが俺たち『にんじんっ職人組』の本当の腕の見せ所だだすな!」
第二章:不眠不休の造船ラッシュ!音鉄と白銀の重奏曲
ドック内に設置された複数の船台では、同時並行で何隻もの新鋭船が急速に姿を現しつつあった。
1号船台で建造されているのは、キャラベル級を遥かに上回る大型長距離輸送艦『だいこんっ型大型貨物艦・2号機』。
2号船台・3号船台では、南の紫芋カラメル海流のような特殊海域にも耐えうる快速巡洋艦『れんこんっ型多目的艦』の同型艦が、まるで生き物のように組み上げられている。
「手元を狂わせるなだだすよ!船底の骨組み(キール)には、音鉄と黒金(13NkQ)の複合合金を分厚く叩き込むだす!」
「溶接ライン、圧力よし!『改良型カラメルタール(RCT-Mk2)』の防水塗布、第3層完了だだす!」
職人たちの指揮を執るのは、本拠地のお留守番と品質管理を任されたベテラン職人たちだ。
彼らの作業スピードは、常識の枠を遥かに超えていた。
咲姫がもたらした『全自動概念改変』の技術ノウハウと、アリシアが構築した高効率なライン作業体制により、かつては数ヶ月を要した大型船の建造が、わずか数日で完了するシステムが完成しているのだ。
「サヨさん!農雀士の真紀子さん!差し入れのお味噌汁と湧き水が届いただすよー!」
「はーい、みんなお疲れ様!湧き水ラインから汲みたての『一番湧き水』で作った、アツアツの具沢山お味噌汁よ!」
調燕士のサヨが、巨大な鍋を台車に載せてドック内へ笑顔で現れた。
「だに!今日の具材は新島からピストン輸送で届いたばかりの『新鮮カニ身』が入ってるだに!精をつけて、どんどん良い船を作るだに!」
農雀士の真紀子が、湯気の立つお椀を職人たちへ手際よく手渡していく。
「「「うひょーーーっ!咲姫様たちが送ってくれたカニのお味噌汁だだす!」」」
熱々のお味噌汁を一口すすった職人たちの顔に、至福の笑みが広がる。
「う、美味い......!身体の芯から力がみなぎってくるだだす!」
「よしっ!腹も膨らんだところで、次は4号船台の甲板張りに取りかかるだすぞ!」
第三章:縦穴(タテアナ)が繋ぐ現場と本拠地の絆
ドックの二階通路からは、城下町の管理を担当するスタッフたちが算盤と図面を手に、刻一刻と変わる進捗状況を確認していた。
「素晴らしいペースですわね」
アリシアの留守を預かる商人チームの幹部が、満足そうに頷く。
「縦穴(たてあな)補給ラインを通じた資材の循環率は過去最高です。新島から回送されてくる特級資材『紫芋木材』と『糖質鉱石』をそのまま本拠地のドックで船枠に加工し、完成した新鋭艦に再び補給物資を満載して南へ送り出す......完璧な経済・遠征サイクルが完成していますわ」
「ガハハ!咲姫様が次の海域でどんな無茶をしても、船が足りなくなるなんて心配は絶対にさせないだだす!」
ドックの奥深くまで響く、槌音とバーナーの炎。
職人たちの瞳に宿っているのは、単なる「作業員」としての意識ではない。
自分たちが手掛けた船が、咲姫たちの『大航海時代』の足となり、未知の世界を開拓していくのだという圧倒的な誇りと熱気であった。
カンンンンッ!カンンンンッ!
「よし!『だいこんっ型2号艦』、船体組み上がり完了だだす!」
「進水式の準備に入れーっ!次の遠征補給隊隊長へ引き渡すだだすよー!」
第四章:大海原へ羽ばたく新鋭艦隊
夕刻。
地下空洞の天井に設置された『白銀照明装置』が橙色の夕暮れ色に変わる頃、ドックの水門がゆっくりと開放された。
ジャアァァァァァ......ッ!!
ドック内に南の海流が流れ込み、完成したばかりの美しい白銀の大型輸送艦と快速巡洋艦たちが、ゆらりと水面に浮かび上がる。
船体には、職人たちの手によって誇らしく刻まれた『にんじんっ酒樽合同会社・第二遠征補給隊』のエンブレムが光り輝いていた。
「出航準備、完了だだす!」
「咲姫様と猫二さんたちの待つ『にんじんっ紫芋プリン島(仮)』へ向けて、一番湧き水と最新資材を満載して出発だだす!」
縦穴からダイレクトに運び込まれた無数の水樽と糧食が船倉へギッチギチに積み込まれ、新鋭艦隊の船長たちが力強く操舵輪を握る。
「職人組の技術の結晶、見せてやるだだすよ!」
「全艦、発進ーーーっっ!!」
ブォォォォォォン......ッ!!
雄大な汽笛の音が要塞ドック港全体にこだまし、新しく生まれ出た船たちが、南の未知なる大海原へと颯爽と漕ぎ出していった。
地下ドックの桟橋で見送る職人たちは、汗を拭いながら、力強く手を振り続ける。
「行ってらっしゃいだだすーっ!」
「咲姫様によろしくなだだすーっ!」
本拠地で鳴り響く職人たちの鎚音と熱き情熱がある限り、咲姫たちの探検艦隊が進む航路に陰りが差すことは絶対にない。
大航海時代の補給と造船を支える最強の裏方たちの挑戦は、これからも不眠不休で続いていくのであった!