ep.306 惑星エンジン始動! 水と酒の箱舟
七色に輝く『酔星龍(ウォッカ・ドラゴン)』の背中で波乗りを楽しんでいた咲姫だったが、ふと空を見上げて新しい「わがまま」を思いついた。
「テラちゃん! このお水と、お空のウォッカ...すっごいエネルギーがあるなら、この星ごとドライブに行けるんじゃないですか!?」 「...。咲姫様、今なんとおっしゃいました? 星を、動かす...?」
テラが絶句する中、アリシアがさらっと計算を終えて頷いた。 「あらあら、面白いですね。地表の軟水と空のウォッカを反応させれば、理論上は『超高効率・液体パルス推進』が可能です。...さらっと」
アリシアがバインダーで惑星の重力アンカーを解除すると同時に、うさちぁんがウォッカの海へと飛び込んだ。 「おっけー! 私が空のお酒をシェイクして、一気に爆発的な推進力に変えてあげるよぉ!」
うさちぁんが空の海を巨大なシェーカーに見立てて激しく撹拌(かくはん)する。すると、天を覆っていたウォッカが巨大な螺旋を描き、惑星の北極点に設置された「水の噴出口」へと吸い込まれていった。
「準備はいいですか? ...ささっと」 サヤが指を鳴らすと、惑星全体を包み込むような「巨大な白パン型のバリア」が展開され、大気が宇宙に逃げないよう完璧に密閉された。
そして、咲姫がドラゴンの角に触れた瞬間――。 「惑星アクア・ルナ、出発なのですー!」
ドォォォォォン!! という、琥珀色の衝撃波と共に、惑星そのものが巨大な宇宙船となって移動を開始した。 推進剤は、水とウォッカの化学反応。排出されるのは、なぜか「最高に香りの良いアロマの霧」という、環境に優しすぎるチートエンジンである。
「ひゃっほー! お星様が後ろに飛んでいくのです!」 「ぎゃはは! これ、宇宙で一番デカい酒場が動いてるようなもんだねぇ!」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【遊の章:進捗状況 6/8】
・咲姫:惑星アクア・ルナの「艦長」として、ドラゴンの背から指揮を執る。
・うさちぁん:惑星エンジン(酒)の出力を調整し、光速の80%まで加速させる。
・サヤ:「ささっと」惑星全体の重力を安定させ、コップの水がこぼれないように調整。
・アリシア:「さらっと」銀河連邦の航路図を書き換え、惑星の不法航行を合法化。
・テラ:惑星が光速に近い速度で移動していることに脳が追いつかず、「私は今、時空の歪みの中にいますわ...」と呟き始める。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━