ep.344 転(てん)の章完結:ネギの楽園、あるいは玉葱(たまねぎ)地獄
「さあ、皆様! 新婚旅行へ出発です! 目的地は、銀河系の果てにある採掘惑星『クローディア』
高純度オリハルコンの採掘が可能です!」 アリシアが冷酷な笑顔で、全員を強制的に宇宙船へと押し込んだ。
「...騎士さん、旅行先での出産計画、しっかり立てましょうね」 サヨが宇宙服を着た騎士の手を握り、アリスが「騎士さん、赤ちゃん用の宇宙服の試着、今からしちゃいましょう!」と、笑顔で小さすぎる宇宙服を差し出す。
「にゃうにゃああ! 幸せそうな家族はいいのです! でもこの惑星、過酷すぎて百合のラブラブ感が薄れるのですー!」 咲姫は宇宙船の窓から外を眺め、過酷な採掘惑星の景色に悶絶していた。
「あはは、宇宙での飲酒は税金が高いから、今のうちに飲み干しちゃいなよぉ~!」 うさちぁんが、騎士の膝元に転がる「定価の2.1倍」の酒瓶を指差す。
「...もう嫌だ...。家族も、仕事も、結婚も、何もかも嫌だ...! 俺は...俺は自由になりたいんだーっ!!」 騎士はついに叫びを上げると、うさちぁんの酒瓶を鷲掴みにし、そのまま宇宙船のエアロックを開けようと暴れ始めた。 「誰か! 俺を宇宙の塵にしてくれーっ!!」
その瞬間、エアロックの前に、ネギのオーラを全身に纏った新人が颯爽と現れた。 「騎士さん。そんなことをしなくても、自由はここにありますよ」
新人が高く掲げたのは、一本のネギ。その輝きは、宇宙船の計器を狂わせ、船体を未知のワープへと誘う。
「僕が皆さんを、本当の楽園へご案内します。ネギの、ネギの聖地へ...!」 新人の瞳は、もはや人間のそれではなく、青々としたネギそのものだった。
宇宙船は光の渦に包まれ、次の瞬間、全員が見たものは...
見渡す限り、どこまでも広がる、青々としたネギ畑だった。 しかし、その畑に生えているのは、甘く香ばしい「長ネギ」ではない。
「...玉葱(たまねぎ)...だと...!?」
「うわあああ! 目が、目が痛いのですー!!」 「ギャアアアア! 涙が止まらんぞ!」 サヨもアリスも、怪獣リーダーも猫二も、そして咲姫でさえも、一斉に涙と鼻水を流して悶絶する。
新人の「ネギの聖地」は、騎士たちにとって、涙と鼻水の「玉葱地獄」でしかなかった。
「あはは、ここならお酒がいっぱい作れるねぇ~。しかもタダだよぉ~」 うさちぁんだけが、玉葱の香りを肴に、ご機嫌でグラスを傾けていた。
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【転の章:進捗状況 8/8】
咲姫:玉葱地獄で悶絶。百合どころではない「生存本能」に目覚め始める。
うさちぁん:玉葱を酒の原材料にしようと画策。錬金術師のような顔をしている。
騎士:新婚旅行(強制)から「玉葱地獄」へ。自由を求めた結果、視覚と嗅覚を攻撃されるという、トム並みの理不尽な結末を迎える。
新人:ネギの精霊と完全に一体化。「これが僕の楽園...」と、一人だけ幸せそうに玉葱畑を眺める。
サヨ&アリス:玉葱の刺激に涙を流しながらも、「これで騎士さんとの絆が深まりますね」と、なぜかポジティブ。
アリシア:玉葱が大量に採れることに気づき、「さらっと」ギルドの新たな主要産業を「玉葱ビジネス」に変更。
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