ep.361 愛のポテトは汗の芽頭に消火される
「にゃうにゃあ! 皆さん、おめでとうございますなのです! 全銀河が涙した前作のボーナスとして、本日からNUC特選・大自然満喫スポーツ合宿へのご招待なのですー!!」
咲姫のメガホンが、早朝のNUCギルドに鳴り響く。窓のない漆黒の高速輸送船に押し込まれたのは、前作の地獄を生き抜いた精鋭たちと、新たに「生贄」として選ばれた2名の猛者だった。
「...ご招待って、咲姫監督。この船、外から鍵がかかってませんか? それにこの重力加速度、明らかに別の恒星系に向かって...」 ハーフエルフのルネが、玉葱の残り香に震えながら泣きべそをかく。そんな彼女の隣に、岩のような巨躯がどっしりと腰を下ろした。
「がはは! 嬢ちゃん、細かいことは気にするな。どこへ行こうと、腹が減れば『ちゃんこ』を食う。それが力士の道よ」 新加入の雷電(らいでん)。元力士であり、その背筋は山を割り、その胃袋は銀河を飲み込むと言われる。 「...最短ルート、確保。荷物は、私自身」 もう一人の新顔、短距離輸送選手権の元選手ハヤテが、ストップウォッチを睨みながら低く呟く。
「...ふむ。芋か。餡子との相性は悪くない。...ズズッ」 和装を崩さず、インペリアルから「玉葱餡子(前作の遺産)」を啜るのは餡子熊王。その瞳はすでに、芋と餡子のマリアージュを見据えている。 「がはは! 土があるなら俺の出番だぜ! 芋だろうが何だろうが、根こそぎ掘り返してやる!」 スコップを研ぎ澄ますドワーフのバッシュ。そしてその横では、ネギと玉葱のオーラを纏った超新人が、無言で精神統一を行っていた。
「到着なのです! ここが今作の舞台、惑星『ジャガ・マウンテン』! 見るがいいのです、この雄大な山々をー!!」 ハッチが開くと同時に、全員が凍り付いた。 そこにあるのは岩山ではない。地表から突き出した、直径数百メートルに及ぶ「巨大なジャガイモ」の群れ。そして、その巨大な芽からは、猛毒を含んだ紫色のガスが煙のように噴き出していた。
「今回のテーマは『青春×生産×スポーツ』! この巨大芋を掘り起こし、ゴールである巨大蒸し器まで運ぶ...その汗と筋肉の躍動を、私は『愛』と名付けたのですー!!」
「あはは、良い眺めだねぇ~。お口が芋の水分でパサパサになって、喉が詰まって死にそうになった頃に、定価の50倍の『芋焼酎・原液』を振る舞ってあげようかぁ~?」 うさちぁんが、すでに現地で怪しい蒸留器を組み立てながら、不敵な笑みを浮かべていた。
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咲姫(総監督):役者を騙して「芋惑星」へ強制連行。ドキュメントの準備は万端。
雷電(元力士):巨大芋を見て「これ、何人分のちゃんこになるんだ?」と武者震い。
ハヤテ(輸送選手):芋の斜面を見て、最短の運搬ルートを計算し始める。
餡子熊王:玉葱餡子のレベルアップを経て、芋という新たな素材に静かな闘志を燃やす。
超新人:ネギ玉の力を芋にどう適応させるか、哲学的な表情で山を見つめる。
バッシュ:地中のアルコール反応を探して鼻をひくつかせる。
ルネ:またしても「尊い」生贄として、芋の芽の毒ガスを吸わされそうになり絶望。
騎士一家:すでに防護服(という名の安いカッパ)を着せられ、巨大シャベルを握らされている。
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