ep.317 銀河の希望(ブラック)NUC爆誕!
「...平和すぎるのです。悪の組織も魔王もいないなんて、ヒーローがピンチで歯を食いしばる熱い展開が見られないのです!」
アクア・ルナの美味しい水を飲みながら、咲姫が不満げに頬を膨らませた。
うさちぁんがシェーカーを振りながら笑う。
「そりゃあそうだよぉ、咲姫ちゃん。君がこの宇宙を便利にしすぎちゃったからね。敵なんて絶滅したよ」
「ないなら、作るのです! 私がプロデューサーなのです!」
咲姫が立ち上がり、黄金の遺跡『アンティ・エトス』の巨大プラントに「わがまま」を命じた。「魔法で『かっこいい基地』と『敵の要塞』は用意してあげるのです! でも、運営は全部『苦労』で回すのです!」
こうして誕生したのが、冒険者ギルド『Next Universe Conquest (NUC)』
その実態は、ヒーローの美学を追求するあまり、現場に全てのしわ寄せが行くブラック組織だった。
「まず、敵は『無限に湧き出すダンジョン』から供給するのです!仕事が終わらない絶望感が大事なのです!」
「あらあら、それはやりがい(物理)がありますね。...さらっと」
アリシアが、討伐しても秒でリスポーンする怪獣生成システムをさらっと構築。
「給与形態も決まりました。24時間戦って、日給たったの24,000エトスです。...ささっと」
サヤが指を弾き、宇宙怪獣相手の命懸けの労働に見合わない「絶妙な薄給」を設定。
「受付嬢は私ね。...くいっと」
果林が「くいっと」高級ウォッカを煽り、ギルドの窓口に座る。
「...何? クエストを受けたい? 悪いけど、私の喉を潤す『差し入れ』がない奴には、裏の無限ダンジョンの案件しか回さないわよ」
「看板もさくっと彫りましたよ!シンボルマークは『酒瓶を持って踊るウサギ』です!」
わんわんが立てた看板を見て、集まってきた若者たちは首を傾げる。
「...なぜ銀河を救うギルドの紋章が、酔っ払ったウサギ(うさちぁん)なんだ?」
そんな疑問を抱えつつも、キラキラした装備と「宇宙を救う」という甘い言葉に誘われ、最初の犠牲者...もとい、ヒーロー候補生たちがギルドの門を叩いた。
【進捗状況 1/12】
・咲姫:
「ギルマスが何を考えているか分からない」と冒険者に恐れられる(※実際は遊びたいだけ)
・うさちぁん:
ギルド紋章のモデルになり、食堂で冒険者に「もっと飲みなよぉ」と高い酒を売りつける。
・サヤ:「ささっと」
「24時間戦えますか?」と書かれた、逃げ出せない訓練施設を建設。
・アリシア:「さらっと」
冒険者の装備を「実戦損耗費」として給料から天引きする契約を締結。
・わんわん:「さくっと」
やってもやっても終わらない「無限湧きダンジョン」の入口を採掘。
・果林:「くいっと」
酒の差し入れがない冒険者には、一切口を聞かない冷徹な受付嬢(でも美猫・美兎)
・テラ:この非効率な組織図を見て、論理回路が「にゃうにゃ!」と悲鳴を上げている。