ep.264 ペンギンの幸福指数と、禁断の「酔っ払い魚」
咲姫の「究極非効率メシ」によって論理回路を一時フリーズさせたテラでしたが、彼女の「ツン」は氷山よりも強固でした。翌朝には、さらにパワーアップした管理システムを手に、月面拠点に立っていました。
1. テラの逆襲:幸福度指数(ハッピー・インデックス)導入
「昨日の『美味しさ』によるエラーを分析しました。結論、この街には『感情による生産性の振れ幅』が大きすぎます。これより、全住民に幸福度指数のリアルタイム管理を義務付けます」 テラがボードを叩くと、インペルア・グループ認証を通じて、全員の頭上に「現在の幸福度」が数値で表示されるようになりました。 「うさちぁん様、あなたの幸福度が1200%を超えています。お酒の飲み過ぎです。強制的にデトックス・アンペリア(超苦い健康水)に切り替えます」 「ひえぇぇ! 余計なお世話だよぉぉ!」
2. うさちぁんの懐柔作戦:アンペリア・ラインの罠
お酒を制限されたうさちぁんは、テラの「ペンギンとしての本能」を突く作戦に出ました。 深海アクア・エクスプレスから届く最高級の「銀河イワシ」を、あえてアンペリアの配管内で数時間、特製の大吟醸に漬け込んだのです。 「名付けて『酔っ払い銀河イワシ』だよぉ! これがテラの管理する給食センターに流れるように細工しちゃえ♪」 検品所に届いたその魚を、テラが一口。 「......っ!? ......このイワシ、脂の乗りが計算値の1.5倍、かつアルコール成分による神経弛緩効果が......。......くっ、これは......監査対象として、私がすべて、完食して、処分、します......(モグモグ)」 冷徹な顔を崩さぬまま、猛烈な勢いで魚を完食するテラ。うさちぁんは影で「かかったよぉ♪」とニヤリ。
3. リオの月面新商売:『保険料』という名の平和
テラの厳格な予算管理と、咲姫の「なんとなく」の支出(一晩で世界樹の根を数トン焼く等)の差額に頭を抱えていたリオは、ついに新商売を始めました。 「テラさん、そんなに怒らないで。......住民向けに『暴走損害補填・月面保険』を作ったんだ。咲姫様が何かやらかした時に、テラの『完璧な予算』を傷つけないための予備費を、住民から少しずつ募るシステムだよ」 「......合理的ですね。承認します。ただし、リオ様。あなたの『胃薬代』も経費に組み込んでおきました。あなたは倒れられては困りますから」 「(......テラさん、たまに優しいこと言うけど、目が全然笑ってないんだよなぁ)」
「幸福」を数値化しようとするテラと、その数値を「お酒」でバグらせようとするうさちぁん。 エトスフェリアの「地」の運用は、数字と感情のデッドヒートへと突入していくのでした。