ep.319 バグ発生!うさちぁんの酒場審査と時給55,000エトス
「...次。あんたの差し入れ、これただの麦茶じゃない。不採用。時給200エトスの『怪獣の抜け殻磨き(24時間拘束)』に回しとくわ」
今日も今日とて、果林の「くいっと」一発で新人の人生がブラックに染まっていく。受付の前には、絶望のあまり魂が抜けた若者たちが列をなしていた。
そこへ、少し頼りないが、大事そうに一本の古びた酒瓶を抱えた酒好きの若者がやってきた。「あの...これ、クエストの代わりに受け取ってもらえますか?旅先で見つけた、すごく珍しいお酒だって言われて...」
その瞬間、カウンターの奥で転がって寝ていたうさちぁんが、ガバッと跳ね起きた。「その香り!伝説の『銀河の裏側・超熟成大吟醸』じゃない!?ちょうだい!それ飲ませてくれたら、私、今すぐ宇宙の法則書き換えちゃうよぉ!」
果林が「くいっと」その瓶を奪い取り、栓を抜いて香りを確かめると、うさちぁんへ渡した。「...はぁ。あんた、運が良すぎるわね。うさちぁん様を満足させたご褒美よ。...はい、これ、特例パス」
果林が投げ渡したクリスタル製のカードには、咲姫の規定には存在しない『ランク4:神の酒飲み枠』の文字が輝いていた。「時給55,000エトス。仕事は1日10分、適当な場所で『ラジオ体操第一』を踊るだけ。...文句ある?ないわよね。さっさと行きなさい」
「えっ、ラジオ体操...?」戸惑う若者の横で、時給300エトスで無限に湧く怪獣と戦っていた冒険者たちが「嘘だろ!?」「俺たちの月給が10分で抜かれた!?」と血の涙を流しながら絶叫する。
その様子をモニターで見ていた咲姫は、お茶を飲みながら満足げに頷いた。「にゃうにゃ!偶然の出会いで人生がバグるのも、主人公っぽくて合格なのです!猫二ちゃん、今すぐその子の前に『ラジオ体操のピアノ伴奏ができる怪獣』を10分だけ派遣するのですー!」
【進捗状況3/12】
・咲姫:不公平すぎる格差に萌え、「これぞ物語の不条理なのです!」と興奮。
・うさちぁん:最高級の酒を手に入れ、管理パネルを勝手に操作して報酬をバグらせる。
・サヤ:「ささっと」伴奏担当の「電子オルガン怪獣(大人しい)」を出荷。
・アリシア:「さらっと」この55,000エトスの出所を、他のブラック冒険者たちの手数料から捻出。
・わんわん:「さくっと」ラジオ体操専用の「景色のいい高台(一等地)」を整備。
・果林:「くいっと」酒の力で人生が変わる様を見て、「世の中お酒ね」と悟りを開く。
・猫二:猫の手も借りたいほど忙しい怪獣たちに「ピアノの練習をするニャ!」とムチを振る。