ep.376 虚飾の天空劇場(スカイ・シネマ)
「誇る」とは、真実を大きく見せ、虚飾の光で塗りつぶすこと。エトスフェリアの空全体をキャンバスにする咲姫の野心と、うさちぁんの商魂が爆発する。
「にゃうにゃあ! 映画館に客を呼ぶなど、時間の無駄なのです! エトスフェリアの空すべてを、我々の『誇り』で埋め尽くすのですー!!」
帰還早々、咲姫はエトスフェリアの中央管制塔を(うさちぁんの賄賂で)ジャック。都市全域の上空に、数千機のプロジェクタードローンによる巨大ホログラムスクリーンを展開した。
見上げる市民たちの前に映し出されたのは、あまりにも美しく「誇張」された物語。
英雄・猫二:泥酔して気絶していた姿は、毒ガスの惑星で仲間を逃がすために一人殿(しんがり)を務め、散っていった「銀河の守護猫」として重厚なスローモーションで描かれる。
聖者・騎士:娘を守るために苦悩していた姿は、迷える子羊たちを導き、剣一本で邪教を払い清める「天界の執行人」として後光を背負って登場。
宣教師・超新人:芋キャノンで飛ばされた悲劇は、自ら「未開の地に光を届けるため、空を翔ける伝道師」としてドラマチックに演出。
巫女アリス & 踊り子サヨ:酔っ払った千鳥足は、精霊と対話する「神秘のステップ」として銀河の星々を背景に幻想的に舞う。
「あはは、いい画だねぇ~。みんな、空に浮かぶこの『英雄たち』に祈りなよぉ~。今ならその祈りを届けるための『聖なる電波利用料』が、市民一人あたり定価の10万倍で自動引き落としされる設定だよぉ~」 うさちぁんが、エトスフェリア全域の電子マネーシステムとリンクさせた「強制課金型視聴」をスタートさせる。
「...さらっと。猫二総務部長、上空のホログラムが美しければ美しいほど、被害者団体からの特定作業が加速しています。現在、部長の居場所を誇らしげに示す『追跡ビーコン』をホログラム中央に表示しました」 アリシアの冷徹なサポートにより、猫二の「誇り」は文字通り、標的(ターゲット)としての輝きを放ち始めた。
「部長ー! カッコいいニャー! 僕、今、最高に『誇らしい』存在になってるニャーー!!」 自分の背後に「指名手配」の文字がホログラムで重なっていることに気づかないまま、総務部長・猫二は群衆の注目を浴びて、得意絶頂のポーズを決めていた。
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咲姫(総監修):ホログラム編集により、事実を0.1%まで削ぎ落とし、1000%の「誇り」を捏造。
猫二(総務部長):エトスフェリア中の注目を浴び、人生最高の「全盛」を味わう(が、裏では死刑宣告が積もっている)
騎士(聖者):空に映る自分の聖者姿を見て、「あれは...誰だ?」と現実逃避を開始。
超新人(宣教師):時給22エトスの看板を背負い、誇らしげに街頭でネギを配る。
うさちぁん:ホログラム広告のスポンサー料と視聴料で、エトスフェリアの経済を一時的に麻痺させる。
ピジョン:ドローンの群れを制御しながら、「いつ火炎瓶が飛んできてもおかしくないですぅー!」と怯える。
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