ep.338 その結婚、待ったニャ! 監獄の略奪者
「...騎士さん。新居のカーテンは、やはり安らぎのグリーンが良いでしょうか?」 サヨが、騎士の左腕を抱きしめながら、カタログ(という名の妄想)を広げる。
「いいえサヨちゃん、騎士さんは情熱的な赤が似合います。...ねえ騎士さん、私の手料理、毎日食べてくれますよね?」 アリスが、右腕をガッチリとホールドし、上目遣いで「逃げ場」を封鎖する。
「...だ、誰か...。俺を...俺をただの使い捨てマネージャーに戻してくれ...」 騎士の精神は、もはや「正常な愛」という名の濁流に飲み込まれ、自我を失いかけていた。
「にゃうにゃあああ! もう見てられないのですー! 私の百合庭園(監獄)が、昼ドラの再放送みたいになっているのですー!」 咲姫が檻の隅で頭を抱えて悶絶し、うさちぁんが「あはは、結婚式には美味しいお酒、用意しちゃうよぉ~」とトドメを刺そうとした、その時だった。
「その結婚、待ったニャアアアア!!」
爆音と共に、監獄の壁が物理的に粉砕された。 砂煙の中から現れたのは、現場用ヘルメットを被った怪獣リーダーと、拡声器を手にした猫二だった。
「騎士! お前をこんな『家庭のしがらみ』という名の地獄に放置した俺たちが悪かった! 現場(ガテン)がお前を呼んでいるニャ!」 「そうだ! 住宅ローンや積立投資なんて、俺たちのマネージャーには似合わねえ! お前はもっと、泥にまみれて怪獣の不満を数字に変える、血も涙もない社畜でなきゃいけねえんだ!」
怪獣たちが放った「強制労働用ワイヤー」が、サヨとアリスの腕をすり抜け、騎士の腰に巻き付く。
「...怪獣リーダー...。猫二...。お前らが、天使に見えるぞ...!」 初めて見る、騎士の心からの笑顔。そのまま彼は、物理的に檻から引きずり出され、怪獣たちの背中に乗せられて逃走を開始した。
「あっ、待ってください! 私たちのマイホーム計画がー!」 「騎士さーん! まだ保険の特約の話が終わってませんー!」 叫びながら追う女子二人。それを呆然と見送る咲姫。
その混乱のど真ん中で、新人が檻の外にポツンと残されていた。 「...あ。みんな行っちゃった。...ま、いいや。ネギ、まだ一本残ってるし」
新人が静かにネギを齧る音だけが、崩壊した監獄に虚しく響き渡った。
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【転の章:進捗状況 2/8】
咲姫:百合は崩壊したが、一転して「逃走劇」という新ジャンルに。カメラを回しながら「これはこれで...アリなのです!?」と適応し始める。
うさちぁん:檻が壊れても動じず、「あはは、移動式バーだねぇ~」と、怪獣の背中に便乗して酒を飲み続ける。
騎士:正常な愛からの脱出に成功(?)だが、待っているのは怪獣たちによる「24時間不眠不休の再建ノルマ」という別の地獄。
新人:ネギの美味しさに目覚め、NUCのどの役職よりも「食の自給自足」に近づく。
サヤ:「ささっと」この逃走劇を『銀河版・逃走中』としてコンテンツ化。
アリシア:「さらっと」破壊された檻の修理代を、怪獣リーダーと騎士の連名で請求。
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