ep.236 響きの章・前半完:エトスフェリア中央卸売市場と、みんなの食卓
五つの道、空を駆けるエア・ロード、そして黄金色に輝くお酒の川。すべての道が一つに交わる丘の中央に、咲姫は最終形態となる「巨大ドーム市場」を建設しました。
「レンさん、ここはただ物を売り買いする場所じゃないのです。世界中から届く『美味しい』が、逃げられないように閉じ込めておく場所なのです!」
【咲姫の暴走:お腹いっぱい・ロックダウン】
全員参加型・品評ビュッフェ: 咲姫は市場の入り口に、ある「掟」を掲げました。 「訪れた人は全員、お腹がいっぱいになるまで外に出られないのです! そして、誰かが丹精込めて作った一品を必ず食べて、その美味しさを語り合うのです!」
異種族混合・大品評会: ドーム内では、かつて剣を交えた王国の騎士と魔族が、同じテーブルで真剣な顔をして向かい合っていました。 「......貴殿のこの『魔界イモの素揚げ』、外側のカリカリ加減は認めるが、塩気が足りん。俺の焼いた『騎士団特製厚切りベーコン』と一緒に食え。世界が変わるぞ」 「ふん、人間ごときが......。だがこの合わせ技、悪くない。次は俺のポテトを食ってみろ」 エルフがパン作り教の聖女と新作パンの膨らみ具合を競い、ドワーフがうさちぁんと酒の肴について語り合う。市場は、いつしか世界で最も平和で、最も騒がしい「品評会会場」と化していました。
【前半戦のフィナーレ:伝説の鐘】
宴が最高潮に達した時、咲姫はドームの頂上にある「伝説の鐘」を鳴らしました。 「みんな、いい顔なのです! 美味しいものがあれば、種族も国も関係ないのです! エトスフェリアは、これからも世界中のお腹をパンパンにしていくのです!」
鳴り響く鐘の音と共に、空からは「お酒味の雲」が雪のように舞い、人々は笑い、歌い、そして食べ続けました。
「うふふ、みんな楽しそうなのです。でも、うさちぁん。次はもっと『モチモチ』したものが食べたい気がするのです」 「モチモチ~? じゃあ、月にあるあの『伝説の臼』持ってきちゃおうかぁ~♪」
うさちぁんがさらりと漏らしたその一言が、次なる「月の使者」との大騒動を予感させつつ、響きの章・前半は幕を閉じるのでした。