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ep120 話し合いは必要か?

 映像を見終え、蓮と軽口を叩きながら、蒼は昴を盗み見た。相変わらず、昴の顔色は悪いが、しっかりと立ててはいる。
 予想の範囲内の結果だったのかと蒼は、視線を天音に向ける。天音はあくびをしながらも、瞳の眼光は鋭い。

 帰ったら、神庭会の上に報告するんだろうなとそれだけで判断できた。そして、この話を把握していないであろう、さっきのアロハシャツの内通者はこの計画を知らなかったのだろう。
 あとで絞られるのかなと蒼はどうでもいいことを考える。

 蓮も昴を心配そうに見ながらも声はかけない。
 少しの沈黙が流れ、室内にはパソコンの駆動音だけが静かに響いている。

「すみません、状況はわかりました。ここで終わりということは、まだ決行日は決まっていないということでいいのでしょうか?」
「そうなん。一応、このアジト内の情報は漁ってはいるんだけど、具体的に日付が決まった様子はなさそう......ま、外で会話していたらわからんのやけどもね」

 蓮は笑いながら、チラリと蒼を見る。

「外の情報なら、アビスやニックスの方がゲームで話した感じ、知ってそうだけど?」
「いや、俺はわかんない。ゆ......ニックスなら知ってるけど、俺が関わると面倒だからって情報遮断されているからな」
「毎度思うけど、ニックスはどこまで知っとるん? たまに、都市伝説で名前を聞く吹雪なんじゃないかと思うことあるんよね」
「おっ、REN正解! ニックスは、吹雪!」
 
 蓮の発言に蒼は楽しそうに答えるが、蓮は明らかに嫌そうな顔をした。

「えっ、知りたくなかった。結構ネット上だからこそいい関係築けてる一番のネット友達だったのに」
「待って、俺は?」
「アビスはめっちゃ強い珍獣枠」

 また、珍獣扱いされていると蒼は、不満に思った。百歩譲ってリアルの知り合いに言われるのは分かる。しかし、ネットでだけの交流である蓮にまで珍獣扱いされるのは納得がいかない。その考えが表情に出ていたようで、蓮は笑った。

「いやな? ゲーム中に幼馴染みの赤点テストの間違いを急に読み上げたりは普通に珍獣やと思うんよ」
「普通だろ? ゲームはしたい、でも揶揄いたい!」
「その発想が普通じゃないんよな」
「解せない!」
「うん、その流れで珍獣やない言ってる方が俺的には解せんから」
「なんで!」

 さらに蓮に食ってかかろうとする蒼の頭を天音が軽くはたく。

「さすがに話が脱線しすぎだ」
「あー......すんません」

 天音に対し、蓮だけが謝る。蒼はモニターの方へと視線をそらしていた。

「ま、いい。とりあえず、これは俺の連絡先だ。仮に、決行日がわかったらメール入れてくれ」
「あっ、はい。わかった」

 天音がポケットから手帳を取り出し、連絡先をメモすると破いて蓮に渡した。蓮はためらいながら受け取ると、メモを見た。そして少し周りを見回してから、机の整理された一角にあったボードに挟んだ。

「なくすなよ?」

 天音がメモの置き方に不安を覚えたようで念を押す。

「なくさへんよ。ま、もう覚えたからなくしても問題ないんやけどもさ」
「相変わらず、記憶力がいいのですね」
「記憶力とパソコン能力が俺の取り柄だと思ってんかんな」

 昴が顔色が悪いまま、話に加わった。蒼はすでに知りたい情報を知り終えて、興味の対象がノアズ計画から蓮のモニターへと移っていた。
 外部ネットワークに繋がっていないから、外からのハッキングが出来ない。そのプログラミングの構築方法が気になった。
 そして、一部の映像は明らかに島内の商店街などもあった。果たしてどうやって映像を引っこ抜いているのか興味は尽きない。
 それでも今はそれを確認するタイミングではないと蒼も理解している。だから、会話を見守ることにした。

「へぇ、記憶力いいのか」
「まぁ、一度見たり聞いたりしたら基本忘れんです。脳のストレージの削除が大変な時はあるけど」
「容量増やせないの?」
「いや、流石に限度あるかんな。俺は人間よ?」

 天音の問いに対する蓮の回答に興味がわいた蒼は、話に参戦する。

「......あの、それよりもこれからの話し合いが必要では」

 また横道へそれそうになった瞬間、申し訳なさそうに3人に昴が声をかけた。顔色は先程よりはよくなっているものの、お世辞にもまだ顔色がいいとはいえない。
 
「そうだな。でも、何を話し合うんだ? 計画の大まかな全貌は分かった。今は6月だから、決行日まではまだ余裕がある。でも、ゆ......吹雪が動いていると言うことは決行日が早まる可能性はある。わかってるのはこれぐらいか?」
「......いや、まだあるん。実は船作成現場にもカメラあるから映像見えるけど、見る?」
「待ってください、危険ではなかったんですか?」

 蓮の言葉に昴が目を見開く。

「危険はないんよ。元々、俺がカメラを設置していた場所で作業始めたからな。ほら、この辺り一帯はここをアジトに決めたとき、俺が大量にカメラ仕掛けたやん?」
「そうでしたね、忘れていました」

 昴が安心したように息を吐く。青白い顔だが、慈愛に満ちた瞳で蓮を見ている。
 なんとなく、このカメラ関係は昴の能力に関係しているんだろうなと蒼は当たりをつけた。

「とりあえず、その映像流そうか?」

 蓮の提案に3人はそれぞれ頷いた。

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ぱんどら ―治外法権の島で巻き起こる異能サスペンスと秘された謎―作者:星川宙
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ep120 話し合いは必要か?

 映像を見終え、蓮と軽口を叩きながら、蒼は昴を盗み見た。相変わらず、昴の顔色は悪いが、しっかりと立ててはいる。
 予想の範囲内の結果だったのかと蒼は、視線を天音に向ける。天音はあくびをしながらも、瞳の眼光は鋭い。

 帰ったら、神庭会の上に報告するんだろうなとそれだけで判断できた。そして、この話を把握していないであろう、さっきのアロハシャツの内通者はこの計画を知らなかったのだろう。
 あとで絞られるのかなと蒼はどうでもいいことを考える。

 蓮も昴を心配そうに見ながらも声はかけない。
 少しの沈黙が流れ、室内にはパソコンの駆動音だけが静かに響いている。

「すみません、状況はわかりました。ここで終わりということは、まだ決行日は決まっていないということでいいのでしょうか?」
「そうなん。一応、このアジト内の情報は漁ってはいるんだけど、具体的に日付が決まった様子はなさそう......ま、外で会話していたらわからんのやけどもね」

 蓮は笑いながら、チラリと蒼を見る。

「外の情報なら、アビスやニックスの方がゲームで話した感じ、知ってそうだけど?」
「いや、俺はわかんない。ゆ......ニックスなら知ってるけど、俺が関わると面倒だからって情報遮断されているからな」
「毎度思うけど、ニックスはどこまで知っとるん? たまに、都市伝説で名前を聞く吹雪なんじゃないかと思うことあるんよね」
「おっ、REN正解! ニックスは、吹雪!」
 
 蓮の発言に蒼は楽しそうに答えるが、蓮は明らかに嫌そうな顔をした。

「えっ、知りたくなかった。結構ネット上だからこそいい関係築けてる一番のネット友達だったのに」
「待って、俺は?」
「アビスはめっちゃ強い珍獣枠」

 また、珍獣扱いされていると蒼は、不満に思った。百歩譲ってリアルの知り合いに言われるのは分かる。しかし、ネットでだけの交流である蓮にまで珍獣扱いされるのは納得がいかない。その考えが表情に出ていたようで、蓮は笑った。

「いやな? ゲーム中に幼馴染みの赤点テストの間違いを急に読み上げたりは普通に珍獣やと思うんよ」
「普通だろ? ゲームはしたい、でも揶揄いたい!」
「その発想が普通じゃないんよな」
「解せない!」
「うん、その流れで珍獣やない言ってる方が俺的には解せんから」
「なんで!」

 さらに蓮に食ってかかろうとする蒼の頭を天音が軽くはたく。

「さすがに話が脱線しすぎだ」
「あー......すんません」

 天音に対し、蓮だけが謝る。蒼はモニターの方へと視線をそらしていた。

「ま、いい。とりあえず、これは俺の連絡先だ。仮に、決行日がわかったらメール入れてくれ」
「あっ、はい。わかった」

 天音がポケットから手帳を取り出し、連絡先をメモすると破いて蓮に渡した。蓮はためらいながら受け取ると、メモを見た。そして少し周りを見回してから、机の整理された一角にあったボードに挟んだ。

「なくすなよ?」

 天音がメモの置き方に不安を覚えたようで念を押す。

「なくさへんよ。ま、もう覚えたからなくしても問題ないんやけどもさ」
「相変わらず、記憶力がいいのですね」
「記憶力とパソコン能力が俺の取り柄だと思ってんかんな」

 昴が顔色が悪いまま、話に加わった。蒼はすでに知りたい情報を知り終えて、興味の対象がノアズ計画から蓮のモニターへと移っていた。
 外部ネットワークに繋がっていないから、外からのハッキングが出来ない。そのプログラミングの構築方法が気になった。
 そして、一部の映像は明らかに島内の商店街などもあった。果たしてどうやって映像を引っこ抜いているのか興味は尽きない。
 それでも今はそれを確認するタイミングではないと蒼も理解している。だから、会話を見守ることにした。

「へぇ、記憶力いいのか」
「まぁ、一度見たり聞いたりしたら基本忘れんです。脳のストレージの削除が大変な時はあるけど」
「容量増やせないの?」
「いや、流石に限度あるかんな。俺は人間よ?」

 天音の問いに対する蓮の回答に興味がわいた蒼は、話に参戦する。

「......あの、それよりもこれからの話し合いが必要では」

 また横道へそれそうになった瞬間、申し訳なさそうに3人に昴が声をかけた。顔色は先程よりはよくなっているものの、お世辞にもまだ顔色がいいとはいえない。
 
「そうだな。でも、何を話し合うんだ? 計画の大まかな全貌は分かった。今は6月だから、決行日まではまだ余裕がある。でも、ゆ......吹雪が動いていると言うことは決行日が早まる可能性はある。わかってるのはこれぐらいか?」
「......いや、まだあるん。実は船作成現場にもカメラあるから映像見えるけど、見る?」
「待ってください、危険ではなかったんですか?」

 蓮の言葉に昴が目を見開く。

「危険はないんよ。元々、俺がカメラを設置していた場所で作業始めたからな。ほら、この辺り一帯はここをアジトに決めたとき、俺が大量にカメラ仕掛けたやん?」
「そうでしたね、忘れていました」

 昴が安心したように息を吐く。青白い顔だが、慈愛に満ちた瞳で蓮を見ている。
 なんとなく、このカメラ関係は昴の能力に関係しているんだろうなと蒼は当たりをつけた。

「とりあえず、その映像流そうか?」

 蓮の提案に3人はそれぞれ頷いた。

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ぱんどら ―治外法権の島で巻き起こる異能サスペンスと秘された謎―作者:星川宙
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