ホーム›神界人事部から異世界担当に配属されました。 ~元IT管理職、人口304人の辺境国家を立て直します~›十七話 見覚えあると思ったら、そういうことか!!
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十七話 見覚えあると思ったら、そういうことか!!

 ひと段落した夕方、シンローを捕まえて教会の俺の部屋に閉じ込める。まぁ、閉じ込めたところで、いつもの空間移動をされたらすぐに終わる。

「なぁ、さっきウミノハーシ国の地図見てたら気がついたことがあんだけど」
「ん? なんだい?」
「......日本じゃない? これ日本じゃない?」

 テーブルに広げた地図は、精度は低いが、どう見ても日本の本州のものだった。なんなら、北海道と四国と九州の端っこも記載がある。ちなみに、今いる所は三重県伊勢市の辺りだ。

「どういうこと? ここって日本だったの?」
「正確には違うねー。僕らが住んでいた地球は、ここ、ワンダーランドのコピーだったんだよ」
「コピー?!」
「うん。細かく言うと、ワンダーランドの魔法やその他管理が面倒くさそうな要素を取り除いたコピーをキレイーナ様が創ったんだ。だから、地形諸々、地球とほぼ同じ」
「えぇ......」

 ある意味、爆弾発言だった。俺たちが住んでいた世界は、ここのコピーだった? つまり、なんだ? 俺達は偽物の世界で暮らしてたってこと?? 困惑が止まらない。

「だから色々と楽だよ。他の新生神(しんせいしん)に比べて、僕らは適応が早い」
(凄いでしょ?)

 色々と理解が追いつかないのに、空からドヤ声が降ってくる。

――あぁ、そうだ。世界は模倣品でも、俺達が生きてたのは本物だ。関係ない。うん。関係ない。

(しかも、ある程度はこちらの情報を取得して同期するようにしてるのよ)
「なんというか......創造神としては結構優秀だったの?」
「失恋のせいでメンタルはズタボロだけど、キレイーナ様は優秀だよ。メンタルはズタボロだけど」
(シンロー、不敬ポイント一点追加しておくわね)
「酷いです、キレイーナ様。客観的な事実を言っただけです」
(事実でも、それは時に不敬になるわ)

「そんなぁ」と嘆くシンローを横目に、俺は改めて地図に視線を落とす。地球で俺が住んでいた地域は、この世界だとどうなっているのだろう? 首都は東京だったのだろうか?

――俺が死んだ後、皆どうなったのかな?

 炎上中のプロジェクトでプロジェクトリーダーが過労死で亡くなったなんて、会社的には二重のダメージだろう――自業自得だけどな! 俺、被害者だし!

 両親は会社を訴訟したかもしれない。俺は妻帯者ではなかった。そこは不幸中の幸いかもしれない。妻や子どもがいたら、こんな風に神様業なんてやってられなかったかもしれない。

――子ども部屋おじさんだっただけなんだがな!

 暗い感情に支配されそうになる自分を、顔を振ってリセットする。もう俺はあそこには戻れない。考えたってどうしようもない。

「そういえば、シンローって、どこまで世界地図を把握してるの?」
「ダイチの時代まで把握してるよ」
「つまり、最新?」
「そうだねー。キレイーナ様にお願いしたら貰えるから、世界の地理を把握したいときは依頼すればいいよ」
「なるほど......本来は手に入らない正確な世界地図が、俺達は入手可能なのか......」

 世界征服を企んでいたら、結構なアドバンテージなのではないだろうか? ――まぁ、するつもりはないけどね。

「もしかして、アーメリカーナって、地球のアメリカ?」
「そうだね。ちなみに、ターカイヨ教の本場はアーメリカーナだよ」
「......なるほどなぁ」

 俺は顔を両手で覆う。うん、うん。テンショーンはアメリカ人ぽかった。うん......。その辺まで反映されてんの? え、凄くない?

(不敬ポイント、二点取消してあげるわ)

――ちょろくない?

(不敬ポイント一点追加ね)

「......ちなみに、シンローはどの辺が勢力圏なんだ?」
「僕は東アジアかな。中国、韓国、モンゴル辺りと思ってくれたらいいよ」
「結構広くないか?」
「そうだよ。大変なの。それなのに、ここら辺もって言われるでしょ? もう辛くて辛くて......」

 肩をしょんぼり落とすシンローに、俺は思わず苦笑いしてしまう。

「まぁ、ダイチがしっかり管理できそうな見込みが立ってきたから、僕も嬉しいよ」
「管理つっても、最終的には国王達が国を管理するもんだろ?」
「そこはそうだけど、本来、僕らは人間の祈りを拾って、望みを叶えたりするのが仕事だからね? 今がかなり例外。滅亡しかけだからね」
「あー、なるほど......」

 つまり今のウミノハーシ国民の願いがウミノハーシ国の存続だから、俺はこうして日夜頑張ってるのか。決して本来の国王ポジションで国を運営する訳ではない。

「そろそろ、神としてのダイチの方針も決めてもいいかもね」
「? というと?」
「ビッジョ教シンロー派としては、魔物に怯えない生活を目指してる」
「あー......」

 正式ニ沢山天誅デキソウダネ。

「ビッジョ教コヤーマ派としては、どうだろう?」
「うーん......」

 悩み始める俺に、シンローが笑う。

「大事なことだから、すぐに決めなくてもいいよ。でも宗派としての根本だから、早めには決めた方がいい」
「わかった。考えるよ」

 ちょっとワクワクしている自分がいる。方針を決めれば、俺はそれに向かって進めばよくなる――まぁ、信者も増やせるような方針じゃないといけないけど......。

――早く米が食べたい。

 現在の神威は二十六。目標の二百五十まで、まだまだ道のりは長い。
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神界人事部から異世界担当に配属されました。 ~元IT管理職、人口304人の辺境国家を立て直します~作者:小島もりたか
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十七話 見覚えあると思ったら、そういうことか!!

 ひと段落した夕方、シンローを捕まえて教会の俺の部屋に閉じ込める。まぁ、閉じ込めたところで、いつもの空間移動をされたらすぐに終わる。

「なぁ、さっきウミノハーシ国の地図見てたら気がついたことがあんだけど」
「ん? なんだい?」
「......日本じゃない? これ日本じゃない?」

 テーブルに広げた地図は、精度は低いが、どう見ても日本の本州のものだった。なんなら、北海道と四国と九州の端っこも記載がある。ちなみに、今いる所は三重県伊勢市の辺りだ。

「どういうこと? ここって日本だったの?」
「正確には違うねー。僕らが住んでいた地球は、ここ、ワンダーランドのコピーだったんだよ」
「コピー?!」
「うん。細かく言うと、ワンダーランドの魔法やその他管理が面倒くさそうな要素を取り除いたコピーをキレイーナ様が創ったんだ。だから、地形諸々、地球とほぼ同じ」
「えぇ......」

 ある意味、爆弾発言だった。俺たちが住んでいた世界は、ここのコピーだった? つまり、なんだ? 俺達は偽物の世界で暮らしてたってこと?? 困惑が止まらない。

「だから色々と楽だよ。他の新生神(しんせいしん)に比べて、僕らは適応が早い」
(凄いでしょ?)

 色々と理解が追いつかないのに、空からドヤ声が降ってくる。

――あぁ、そうだ。世界は模倣品でも、俺達が生きてたのは本物だ。関係ない。うん。関係ない。

(しかも、ある程度はこちらの情報を取得して同期するようにしてるのよ)
「なんというか......創造神としては結構優秀だったの?」
「失恋のせいでメンタルはズタボロだけど、キレイーナ様は優秀だよ。メンタルはズタボロだけど」
(シンロー、不敬ポイント一点追加しておくわね)
「酷いです、キレイーナ様。客観的な事実を言っただけです」
(事実でも、それは時に不敬になるわ)

「そんなぁ」と嘆くシンローを横目に、俺は改めて地図に視線を落とす。地球で俺が住んでいた地域は、この世界だとどうなっているのだろう? 首都は東京だったのだろうか?

――俺が死んだ後、皆どうなったのかな?

 炎上中のプロジェクトでプロジェクトリーダーが過労死で亡くなったなんて、会社的には二重のダメージだろう――自業自得だけどな! 俺、被害者だし!

 両親は会社を訴訟したかもしれない。俺は妻帯者ではなかった。そこは不幸中の幸いかもしれない。妻や子どもがいたら、こんな風に神様業なんてやってられなかったかもしれない。

――子ども部屋おじさんだっただけなんだがな!

 暗い感情に支配されそうになる自分を、顔を振ってリセットする。もう俺はあそこには戻れない。考えたってどうしようもない。

「そういえば、シンローって、どこまで世界地図を把握してるの?」
「ダイチの時代まで把握してるよ」
「つまり、最新?」
「そうだねー。キレイーナ様にお願いしたら貰えるから、世界の地理を把握したいときは依頼すればいいよ」
「なるほど......本来は手に入らない正確な世界地図が、俺達は入手可能なのか......」

 世界征服を企んでいたら、結構なアドバンテージなのではないだろうか? ――まぁ、するつもりはないけどね。

「もしかして、アーメリカーナって、地球のアメリカ?」
「そうだね。ちなみに、ターカイヨ教の本場はアーメリカーナだよ」
「......なるほどなぁ」

 俺は顔を両手で覆う。うん、うん。テンショーンはアメリカ人ぽかった。うん......。その辺まで反映されてんの? え、凄くない?

(不敬ポイント、二点取消してあげるわ)

――ちょろくない?

(不敬ポイント一点追加ね)

「......ちなみに、シンローはどの辺が勢力圏なんだ?」
「僕は東アジアかな。中国、韓国、モンゴル辺りと思ってくれたらいいよ」
「結構広くないか?」
「そうだよ。大変なの。それなのに、ここら辺もって言われるでしょ? もう辛くて辛くて......」

 肩をしょんぼり落とすシンローに、俺は思わず苦笑いしてしまう。

「まぁ、ダイチがしっかり管理できそうな見込みが立ってきたから、僕も嬉しいよ」
「管理つっても、最終的には国王達が国を管理するもんだろ?」
「そこはそうだけど、本来、僕らは人間の祈りを拾って、望みを叶えたりするのが仕事だからね? 今がかなり例外。滅亡しかけだからね」
「あー、なるほど......」

 つまり今のウミノハーシ国民の願いがウミノハーシ国の存続だから、俺はこうして日夜頑張ってるのか。決して本来の国王ポジションで国を運営する訳ではない。

「そろそろ、神としてのダイチの方針も決めてもいいかもね」
「? というと?」
「ビッジョ教シンロー派としては、魔物に怯えない生活を目指してる」
「あー......」

 正式ニ沢山天誅デキソウダネ。

「ビッジョ教コヤーマ派としては、どうだろう?」
「うーん......」

 悩み始める俺に、シンローが笑う。

「大事なことだから、すぐに決めなくてもいいよ。でも宗派としての根本だから、早めには決めた方がいい」
「わかった。考えるよ」

 ちょっとワクワクしている自分がいる。方針を決めれば、俺はそれに向かって進めばよくなる――まぁ、信者も増やせるような方針じゃないといけないけど......。

――早く米が食べたい。

 現在の神威は二十六。目標の二百五十まで、まだまだ道のりは長い。
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