Episode 20 SILENT RAID
HUDが青白く光る
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FROM : ZERO
BEGIN.
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三人が同時に動いた。
「っ!」
侵入者の一人が異変へ気付く。
――ダッ――
レートは地面を蹴る。
闇を裂くような踏み込み。
「速――」
言葉は最後まで続かなかった。
――ドッ――
レートの拳が腹部へ突き刺さる。
男の身体が浮く。
――ダンッ――
そのまま男は管理棟の壁へ叩き付けられた。
「......」
一人。
戦闘不能。
同時刻。
反対側。
「右」
クランツが小さく呟く。
侵入者が振り返る。
銃口が向く。
――パンッ――
クランツは半歩だけ身体をずらす。
弾丸は頬を掠めることもない。
「遅い」
――ドガッ――
蹴りが相手の手首を弾く。
――ゴッ――
流れるような肘打ち。
男の意識を刈り取る。
――ドサッ――
残る人数。
二人。
「見つかった!」
その叫びと同時。
二人は同時に発砲する。
――パンッ――
――パンッ――
「甘い」
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GAIN : BARCA
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――パンッ――
――パンッ――
ゼロの正確過ぎる射撃。
――カラン――
――カラン――
侵入者のGAINだけが弾き飛ばされる。
武器を失った二人が目を見開く。
「な......!」
ゼロは歩く速度を変えない。
「終わりだ」
踏み込む。
――ドンッ――
片方の鳩尾へ拳。
――ドッ――
もう一人の首筋へ掌底。
ほぼ同時。
二人は静かに地面へ倒れた。
「......」
わずか十数秒。
レートが周囲を見回す。
「終わったか」
クランツは倒れた四人を確認する。
「......ふむ」
しゃがみ込む。
男の懐を探る。
何もない。
身分証も。
所属章も。
通信端末すら存在しない。
「完全な捨て駒だな」
レートも一人を確認する。
「目的だけ持たされて送り込まれてる」
ゼロが最後の一人を見下ろす。
「プロとは思えん」
クランツも頷く。
「本命は別にいる」
――ピッ――
管理棟の奥。
執務室から、小さな電子音が響いた。
三人の視線が同時に向く。
ゼロの表情が初めて動く。
「......保管庫か」
――ダッ――
レートは反射的に走り出していた。
「やはり――」
クランツは辺りを見回す。
「こっちは、囮か」
――バンッ――
執務室の扉を開く。
荒らされた形跡はない。
机。
棚。
すべて元のまま。
ゼロはそのまま保管庫へ向かう。
――ピッ――
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AUTHORIZATION : CONFIRMED
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――ピピッ――
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LOCK : RELEASED
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――ギイッ――
重い扉の先。
「......ある、か......」
銀色の未登録トークンは、保管されたままだった。
「――間に合ったか」
レートは安堵の声を漏らす。
「違う」
ゼロはケースを見つめたまま、小さく首を横へ振る。
「......手を付けなかった」
クランツがゼロを見る。
「そういうことか?」
「ああ。奴らの狙いは最初からこいつじゃない」
「――またか」
レートが口を開く。
「また、値踏みか」
クランツの瞳が細くなる。
「誰が保管しているのか。どれほどの戦力で守られているのか」
ゼロが頷く。
「それだけを見に来たと考えていいだろう」
――カチャ――
レートは静かにGAINを収めた。
「面倒くさい奴らだな」
ゼロは保管ケースから視線を外さない。
「......ORPHANでも、何かが動き始めている」
「何にしても対応が必要か......」
クランツが冷静に思考を巡らす。
「レート。クランツ。先ずは安全最優先だ」
「わかってる」
「了解」
「お前らの返事は信用ならん」
「ひでえなぁ」
レートが不本意そうな顔をする。
三人の笑い声は夜に溶けていった。