ホーム›女神さまだってドヤりたい!!›第4話
目次前の話 →

第4話

エミリアの頭に白い花の髪飾りがついた。
精巧なガラスでできていて、中央にはパールがあしらわれている。

ヴェルディアーテ曰く、「芋から花が生えたわね」とのこと。

自分を着飾るのはだれしも楽しくてうれしいのはエミリアも変わりなかった。

鼻歌交じりに神域の掃除をしている。
それを女神をダメにするクッションに体を預けているヴェルディアーテはのんびりと見ていた。

美人女性の祈りから1週間が経った。
相変わらずトウモロコシは無くならない。
神域には送られてきた宝石の山はヴェルディアーテが気に入ったもの以外は教会に寄付していた。

正確にいうならば、祭壇にエミリアが置いたのだ。

「あーあ、あの宝石を民衆に分け与えるなんて。お人好しねぇ」

神域の床に祭壇を映し出し、それを気だるそうに眺めるヴェルディアーテ。
本当に何でもありだなぁとエミリアは思う。

「ここにあっても使わないじゃないですか。それなら、教会で有意義に使ってもらったらいいんですよ」

祭壇には神父やシスターが集まり宝石をどうするか話している。

「まぁ、わたしが宝石なんか付けたら美しさで信者たちが卒倒しちゃうわ」

と言いながら、気に入ったネックレスとブレスレットはしっかりとつけている。

「なぁに? ブレスレッドあげないわよ?」

「いりませんよ、私もお花の髪飾りいただいたので」

自分でも結構気に入っている。
ヴェルディアーテが半ば強制的に奪った......供物としていただいたものではあるけれど。
可愛いものに変わりはない。

「......泥棒じゃないですよね」

「はぁ? 供物に決まってるでしょ?」

一週間前の詐欺のような願いの叶え方に疑問はあるが、深くは考えないことにした。
考えたら負けだ。

エミリアは花飾りにそっと触れ、ふふっと笑う。
それだけで今日もご機嫌だった。


◇


神域の窓から外を見れば最近は街中がにぎやかになっている。

「町長選ですねえ......」

「ふーん......」

「ヴェルディアーテさまは興味ないんですか?」

「べっつにぃ~......誰が町長になっても教会がなくなるわけないし」

ヴェルディアーテは女神をダメにするソファーでダラダラとお菓子を食べている。
今日も教会には祈りを捧げに来ている信者が多いものの、誰かの願いを叶えようとはしていない。

「お仕事、しなくていいんですか?」

「んー、トウモロコシもあるし、宝石にも神力宿ってるし? 困ってないからいいんじゃない?」

そんなものらしい。
女神さまの気分で願いが叶うかどうかが決まるなんて世知辛い世の中だ。

「それに? ホイホイ願いが叶ったら楽しくないでしょう?」

くわぁ......と大きなあくびを一つヴェルディアーテがこぼした。

「......面倒なだけなんじゃないですか?」

「うるさいわよ、エミリアのクセに」

女神をダメにするクッションでだらけながら、指さしてくる女神に適当に返事をしながらエミリアは掃除ついでに魔法の練習をする。

基本的に何でもできる(らしい)女神の力。
条件としては、人のためになるなら力が強くなる。

色々と制限はあるらしいけど、ヴェルディアーテは教えてくれない。

エミリアは練習ついでに指を動かしながらゴミを集める練習をしていた。

「エミリア~、コーヒー頂戴」

練習なんてお構いなしにヴェルディアーテが言ってくる。

「少しはご自分で動かれたらどうです?」

エミリアは練習を中断して立ち上がる。
ポットからお湯を注ぎ、ヴェルディアーテへコーヒーを持っていく。

「......魔法で運べるかな?」

エミリアは神力を使ってみた。

ここから先はお約束だろう。
最初はゆっくりと進んでいたカップが力を失ったかのようにカシャンと途中で落ちた。

ヴェルディアーテの女神をダメにするクッションにコーヒーが沁み込んでいく。

「あーーーー!! 何してんのよ、エミリアのクセに!」

「あわわわわ、申し訳ございません~~~!」

「コーヒーのシミと匂いが残ったじゃないの!」

クッションから立ち上がり、ヴェルディアーテとエミリアはそのシミを覗き込む。

「エミリア、染み抜きしなさいよ」

「は、はい!」

右手を上げて、神力を込める。

ボン!

布が破裂して、中から羽毛が宙を舞った。

「なんで神力を使ってるのよ! 普通に染み抜きできないの?!」

「えええ!? 練習がてらしろってことじゃないんですか?!」

「そんなわけないでしょう! 私の大事なクッションなのに、これからどこで寝ろっていうのよ!」

「そもそもずっとここにいるから零したりするんですよ!」

ギャーギャーと言い争っていると祭壇から声がした。

「――――私の家の物を差し上げましょう。女神、ヴェルディアーテよ、我が願いを聞き届けよ」

エミリアはヴェルディアーテを見た。
案の定、にんまりと笑っていた。
シェア
前の話 →
第3話
最新話です
目次に戻る
女神さまだってドヤりたい!!作者:黎明あかり
目次を見る
コメント0件
ログインしてコメントする
まだコメントがありません

第4話

エミリアの頭に白い花の髪飾りがついた。
精巧なガラスでできていて、中央にはパールがあしらわれている。

ヴェルディアーテ曰く、「芋から花が生えたわね」とのこと。

自分を着飾るのはだれしも楽しくてうれしいのはエミリアも変わりなかった。

鼻歌交じりに神域の掃除をしている。
それを女神をダメにするクッションに体を預けているヴェルディアーテはのんびりと見ていた。

美人女性の祈りから1週間が経った。
相変わらずトウモロコシは無くならない。
神域には送られてきた宝石の山はヴェルディアーテが気に入ったもの以外は教会に寄付していた。

正確にいうならば、祭壇にエミリアが置いたのだ。

「あーあ、あの宝石を民衆に分け与えるなんて。お人好しねぇ」

神域の床に祭壇を映し出し、それを気だるそうに眺めるヴェルディアーテ。
本当に何でもありだなぁとエミリアは思う。

「ここにあっても使わないじゃないですか。それなら、教会で有意義に使ってもらったらいいんですよ」

祭壇には神父やシスターが集まり宝石をどうするか話している。

「まぁ、わたしが宝石なんか付けたら美しさで信者たちが卒倒しちゃうわ」

と言いながら、気に入ったネックレスとブレスレットはしっかりとつけている。

「なぁに? ブレスレッドあげないわよ?」

「いりませんよ、私もお花の髪飾りいただいたので」

自分でも結構気に入っている。
ヴェルディアーテが半ば強制的に奪った......供物としていただいたものではあるけれど。
可愛いものに変わりはない。

「......泥棒じゃないですよね」

「はぁ? 供物に決まってるでしょ?」

一週間前の詐欺のような願いの叶え方に疑問はあるが、深くは考えないことにした。
考えたら負けだ。

エミリアは花飾りにそっと触れ、ふふっと笑う。
それだけで今日もご機嫌だった。


◇


神域の窓から外を見れば最近は街中がにぎやかになっている。

「町長選ですねえ......」

「ふーん......」

「ヴェルディアーテさまは興味ないんですか?」

「べっつにぃ~......誰が町長になっても教会がなくなるわけないし」

ヴェルディアーテは女神をダメにするソファーでダラダラとお菓子を食べている。
今日も教会には祈りを捧げに来ている信者が多いものの、誰かの願いを叶えようとはしていない。

「お仕事、しなくていいんですか?」

「んー、トウモロコシもあるし、宝石にも神力宿ってるし? 困ってないからいいんじゃない?」

そんなものらしい。
女神さまの気分で願いが叶うかどうかが決まるなんて世知辛い世の中だ。

「それに? ホイホイ願いが叶ったら楽しくないでしょう?」

くわぁ......と大きなあくびを一つヴェルディアーテがこぼした。

「......面倒なだけなんじゃないですか?」

「うるさいわよ、エミリアのクセに」

女神をダメにするクッションでだらけながら、指さしてくる女神に適当に返事をしながらエミリアは掃除ついでに魔法の練習をする。

基本的に何でもできる(らしい)女神の力。
条件としては、人のためになるなら力が強くなる。

色々と制限はあるらしいけど、ヴェルディアーテは教えてくれない。

エミリアは練習ついでに指を動かしながらゴミを集める練習をしていた。

「エミリア~、コーヒー頂戴」

練習なんてお構いなしにヴェルディアーテが言ってくる。

「少しはご自分で動かれたらどうです?」

エミリアは練習を中断して立ち上がる。
ポットからお湯を注ぎ、ヴェルディアーテへコーヒーを持っていく。

「......魔法で運べるかな?」

エミリアは神力を使ってみた。

ここから先はお約束だろう。
最初はゆっくりと進んでいたカップが力を失ったかのようにカシャンと途中で落ちた。

ヴェルディアーテの女神をダメにするクッションにコーヒーが沁み込んでいく。

「あーーーー!! 何してんのよ、エミリアのクセに!」

「あわわわわ、申し訳ございません~~~!」

「コーヒーのシミと匂いが残ったじゃないの!」

クッションから立ち上がり、ヴェルディアーテとエミリアはそのシミを覗き込む。

「エミリア、染み抜きしなさいよ」

「は、はい!」

右手を上げて、神力を込める。

ボン!

布が破裂して、中から羽毛が宙を舞った。

「なんで神力を使ってるのよ! 普通に染み抜きできないの?!」

「えええ!? 練習がてらしろってことじゃないんですか?!」

「そんなわけないでしょう! 私の大事なクッションなのに、これからどこで寝ろっていうのよ!」

「そもそもずっとここにいるから零したりするんですよ!」

ギャーギャーと言い争っていると祭壇から声がした。

「――――私の家の物を差し上げましょう。女神、ヴェルディアーテよ、我が願いを聞き届けよ」

エミリアはヴェルディアーテを見た。
案の定、にんまりと笑っていた。
シェア
最新話です
目次に戻る
女神さまだってドヤりたい!!作者:黎明あかり
目次
コメント0件
ログインしてコメントする
まだコメントがありません