ホーム女神さまだってドヤりたい!!第1話
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第1話

「あなたも羽があるのだから、飛びなさい」
 エミリアという娘を眷属にして一夜が明けた。
 ここは教会の女神の住まう空間の一角がジメジメとしている。

「そんなにメソメソと泣くことないじゃない?」

 自分から「魂を捧げる」と言ったのに、朝から泣き続けるエミリアにため息が出る。
 いつかそこのエリアにキノコでも生えてきそうだわ。

「だって、だって......死ぬなんて思わなかったんだもの......」

 正確には死んではいない。
 女神の眷属になったと何度説明したことか。

「まぁいいわ。今日の食い扶持が来たからお願いを聞きましょう?」

 白銀の羽が柔らかく広がるたび、朝日を受けた羽根がきらきらと光を散らす。
 その輝きに包まれながら、ヴェルディアーテは石像の前へゆるやかに舞い降りた。

 もちろんエミリアの手を引っ張れば、悲鳴を上げるけど気にしない。

 自分の石像に座り、願いを唱えている男を見た。

 冴えないブ男ね。

「天にまします我らが女神ヴェルディアーテ様!! 畑のとうもろこしをお供えします。どうか俺に恋人を作ってください。ヴェルディアーテ様ぁぁぁ!!」

「な、なんなの......このお願い......!!」

 絶句するエミリア。

「とうもろこし、ねぇ......。まあお腹は減ってるしいいかもしれないわ。お願いを叶えに行くわよ」

「えぇぇえ!! いいんですか!? こんなお願い叶えちゃうの!!?」

「当たり前じゃない。供物をくれるというのに、叶えてあげなければ可哀想でしょう?」

 にっこりと天使の微笑み。

「く、くもつ......って」

「お願いをかなえてもらうのならそれ相応の物が必要でしょう?」

 エミリアの絶句した顔は朝から何度も見ている。

「さぁ、あのブ男......じゃないわ、あの男性に見合う恋人を出会わせに行くわよ」

 美しい白く艷やかな羽を動かして街へと向かう。

「いやぁぁぁ!! 空! 空を飛んでるわ!!」

 気持ちいいわ。

「いい風ね」

 目下に広がる田園と栄えた街、その中央にある拠り所となる教会の上へと飛び上がる。
 ただ純白の羽が揺れるたび、当然のように宙へ浮かび上がっていく。

「あなたも羽があるのだから、飛びなさい」

 パッと手を離す。

「いやぁぁぁあああああ!!」

 エミリアが真っ逆さまに落ちていくのを笑顔で見送る。

「羽根を動かしなさいなー」

 気のないアドバイスをするだけでエミリアは落下をとめる。
 うんうん、上々ね。

「め、女神さま......、なんてことをするんですかッ!!」

 すぐに羽根を使いこなして上昇までしてくる。
 さすが、見込んだだけのある娘だわ。

「女神じゃなくてよ? ヴェルディアーテとお呼びなさい」

「ヴェルディアーテ、さま......」

 ふふふっ、いい子だわ。

「エミリア、あのブ男......じゃないわ、あの男性に見合う女性を探しに行くわ」

 街へと降り立っていく。
 あのブ......もう、ブ男でいいわ。
 あのブ男を近くの上空から眺める。

「ヴェ、ヴェルディアーテ様......」

「何をそんなにコソコソしているの?」

「だって、他の人に見られたりしないんですか?」

「視られるわけないでしょう? あなただって人間だった時に私を見たことあって?」

「そっか......、え? み、見てたんですか!?」

「当たり前よ、眷属にするのにわけのわからない子を選べれないでしょう?」

 この女はダメね、ブ男にはもったいなさ過ぎるわ。
 この女は人妻、子持ち。
 このブ男の周りには見合うのがいないじゃない。

 そこら辺のモンスターのほうがよっぽど手っ取り早いわね。

 あら?

「エミリア、あの女はどうかしら?」

 ブツブツと考え込んでいるエミリアに声をかける。

「え、あの人です?」

 2人が視線を向けた女は、パン屋の女将をしているようだ。

「あ、おいしいパン屋さんの娘さんですね!」

「知っているのね? じゃあ、あの子にしましょう」

「そ、そんな簡単に決めちゃうんですか!?」

「あら、ダメ? もう疲れちゃったし」

 細く美しい指をパン屋の娘に向ける。
 指先が光り、パン屋の娘の胸元へ光が吸い込まれていった。

「あー、疲れた! 帰るわよ、エミリア」

「え? え? え? 今の何なんですか!?」

 伸びをしながら教会へ向けて飛んでいく。
 そのあとを混乱しながらついてくるエミリアに思わず笑いがこみあげてくる。

 面白い子を手に入れられたわ。


 ◇

 翌日、ブ男がパン屋の娘と一緒に教会を訪れてきた。

「女神ヴェルディアーテ様! ありがとうございますぅぅ!!!」

 上々ね、と石像に座って満足そうに微笑む。

 手をつなぎ、ブ男とパン屋の娘が教会を出ていく。

「エミリア、とうもろこし畑に行くわよ」

 エミリアを引き連れて、ブ男の運営するとうもろこし畑へと向かった。

「ヴェルディアーテ様、とうもろこしなんてお好きだったんですか?」

「違うわよ、供物よ。く・も・つ」

 エミリアは納得していなさそうだ。

「お願いをして供物を差し出したら、その供物には神力が宿るの」

「神力、です?」

「そう、私たち女神の力の源よ。それをもらわないとお願いを聞いてあげられないわけ」

 とうもろこし畑に着いた。

「まぁ、1区画で我慢してあげましょうか」

 白く長い指先に光を宿し、右から左へ軽くスワイプする。
 一瞬でトウモロコシが消えた。

「消えた!!」

 ふふふ、やればできるのよ私は!!!

「教会の私たちの部屋に送ったわ、当分これで力がなくなることはないわね」

「とうもろこし生活ですか......?」

「うるさいわよ、エミリアのクセに」


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「あなたも羽があるのだから、飛びなさい」
 エミリアという娘を眷属にして一夜が明けた。
 ここは教会の女神の住まう空間の一角がジメジメとしている。

「そんなにメソメソと泣くことないじゃない?」

 自分から「魂を捧げる」と言ったのに、朝から泣き続けるエミリアにため息が出る。
 いつかそこのエリアにキノコでも生えてきそうだわ。

「だって、だって......死ぬなんて思わなかったんだもの......」

 正確には死んではいない。
 女神の眷属になったと何度説明したことか。

「まぁいいわ。今日の食い扶持が来たからお願いを聞きましょう?」

 白銀の羽が柔らかく広がるたび、朝日を受けた羽根がきらきらと光を散らす。
 その輝きに包まれながら、ヴェルディアーテは石像の前へゆるやかに舞い降りた。

 もちろんエミリアの手を引っ張れば、悲鳴を上げるけど気にしない。

 自分の石像に座り、願いを唱えている男を見た。

 冴えないブ男ね。

「天にまします我らが女神ヴェルディアーテ様!! 畑のとうもろこしをお供えします。どうか俺に恋人を作ってください。ヴェルディアーテ様ぁぁぁ!!」

「な、なんなの......このお願い......!!」

 絶句するエミリア。

「とうもろこし、ねぇ......。まあお腹は減ってるしいいかもしれないわ。お願いを叶えに行くわよ」

「えぇぇえ!! いいんですか!? こんなお願い叶えちゃうの!!?」

「当たり前じゃない。供物をくれるというのに、叶えてあげなければ可哀想でしょう?」

 にっこりと天使の微笑み。

「く、くもつ......って」

「お願いをかなえてもらうのならそれ相応の物が必要でしょう?」

 エミリアの絶句した顔は朝から何度も見ている。

「さぁ、あのブ男......じゃないわ、あの男性に見合う恋人を出会わせに行くわよ」

 美しい白く艷やかな羽を動かして街へと向かう。

「いやぁぁぁ!! 空! 空を飛んでるわ!!」

 気持ちいいわ。

「いい風ね」

 目下に広がる田園と栄えた街、その中央にある拠り所となる教会の上へと飛び上がる。
 ただ純白の羽が揺れるたび、当然のように宙へ浮かび上がっていく。

「あなたも羽があるのだから、飛びなさい」

 パッと手を離す。

「いやぁぁぁあああああ!!」

 エミリアが真っ逆さまに落ちていくのを笑顔で見送る。

「羽根を動かしなさいなー」

 気のないアドバイスをするだけでエミリアは落下をとめる。
 うんうん、上々ね。

「め、女神さま......、なんてことをするんですかッ!!」

 すぐに羽根を使いこなして上昇までしてくる。
 さすが、見込んだだけのある娘だわ。

「女神じゃなくてよ? ヴェルディアーテとお呼びなさい」

「ヴェルディアーテ、さま......」

 ふふふっ、いい子だわ。

「エミリア、あのブ男......じゃないわ、あの男性に見合う女性を探しに行くわ」

 街へと降り立っていく。
 あのブ......もう、ブ男でいいわ。
 あのブ男を近くの上空から眺める。

「ヴェ、ヴェルディアーテ様......」

「何をそんなにコソコソしているの?」

「だって、他の人に見られたりしないんですか?」

「視られるわけないでしょう? あなただって人間だった時に私を見たことあって?」

「そっか......、え? み、見てたんですか!?」

「当たり前よ、眷属にするのにわけのわからない子を選べれないでしょう?」

 この女はダメね、ブ男にはもったいなさ過ぎるわ。
 この女は人妻、子持ち。
 このブ男の周りには見合うのがいないじゃない。

 そこら辺のモンスターのほうがよっぽど手っ取り早いわね。

 あら?

「エミリア、あの女はどうかしら?」

 ブツブツと考え込んでいるエミリアに声をかける。

「え、あの人です?」

 2人が視線を向けた女は、パン屋の女将をしているようだ。

「あ、おいしいパン屋さんの娘さんですね!」

「知っているのね? じゃあ、あの子にしましょう」

「そ、そんな簡単に決めちゃうんですか!?」

「あら、ダメ? もう疲れちゃったし」

 細く美しい指をパン屋の娘に向ける。
 指先が光り、パン屋の娘の胸元へ光が吸い込まれていった。

「あー、疲れた! 帰るわよ、エミリア」

「え? え? え? 今の何なんですか!?」

 伸びをしながら教会へ向けて飛んでいく。
 そのあとを混乱しながらついてくるエミリアに思わず笑いがこみあげてくる。

 面白い子を手に入れられたわ。


 ◇

 翌日、ブ男がパン屋の娘と一緒に教会を訪れてきた。

「女神ヴェルディアーテ様! ありがとうございますぅぅ!!!」

 上々ね、と石像に座って満足そうに微笑む。

 手をつなぎ、ブ男とパン屋の娘が教会を出ていく。

「エミリア、とうもろこし畑に行くわよ」

 エミリアを引き連れて、ブ男の運営するとうもろこし畑へと向かった。

「ヴェルディアーテ様、とうもろこしなんてお好きだったんですか?」

「違うわよ、供物よ。く・も・つ」

 エミリアは納得していなさそうだ。

「お願いをして供物を差し出したら、その供物には神力が宿るの」

「神力、です?」

「そう、私たち女神の力の源よ。それをもらわないとお願いを聞いてあげられないわけ」

 とうもろこし畑に着いた。

「まぁ、1区画で我慢してあげましょうか」

 白く長い指先に光を宿し、右から左へ軽くスワイプする。
 一瞬でトウモロコシが消えた。

「消えた!!」

 ふふふ、やればできるのよ私は!!!

「教会の私たちの部屋に送ったわ、当分これで力がなくなることはないわね」

「とうもろこし生活ですか......?」

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