プロローグ
少年は泣き叫ぶ。
抱きしめた少女の身体に下半身は無い。
少女からは血が溢れ、白色の服を赤に染めていた。
それを抱きしめる少年の服もまた、同じ色に染まっている。
「アラモーネ、起きろよ......」
震える指で、少女の桃色の髪を撫でる。
少女の首が、力なく傾く。
しばらくの間、鳥の鳴き声だけが響いた。
少年は何かに気付いたかのように、腰のロングソードを抜く。
朝日に照らされた刃が白く光る。
「転移に転生」
少女の隣に膝をつく。
「もう一回死ねばアラモーネに会えるのか......?」
少年は冷たい唇にそっと口づける。
そして、ロングソードの刃を自らの首に当てた。
少年は死ぬのが嫌いだった。故にその身体は震えている。
だが、その目には覚悟があった。
大きく振りかぶり、ロングソードを振り下ろす。
走馬灯が見え始める。
全ての始まり。あの理不尽な事故に遭った日のことを思い出した。