第十五話:すぐ死んじゃう人
レア魔法を手に入れた次の日。
ぼくは早速その魔法を使うことになった。
ログイン前に、お兄ちゃんといっしょに朝ごはんを作って食べて、歯みがきして、トイレも済ませた。
今日の朝ごはんは、トースト、ハムとチーズが入ったオムレツ、枝豆とコーンのサラダ、プチトマト。
お兄ちゃんが作るオムレツは、きれいな黄色で中がトロッとしてて美味しい。
前にそれを食べたママが「どうして私より上手なの。なんかくやしい」って言ってたよ。
ママがオムレツを作ると、なぜかちょっとこげるんだ。
「今日は森の湖のクエストをしよう。ウィザードは水魔法が手に入るし、ファイターは水の盾がもらえるんだ」
「森の湖......、あ、これかな」
「そう、それ」
はじまりの街プリムス。
ギルドハウスで掲示板を見ながら相談して、ぼくたちはこれからやるクエストを決めた。
【レベル20~30ウィザード向けクエスト】
北の森にある湖で、精霊を助けよう。
報酬:金貨三枚、水のスクロール。
「精霊を助けるって、何をするんだろう?」
「行ってみてのお楽しみだな。他のジョブでも報酬がちがうだけで内容は同じだから、協力してやれるよ」
ぼくとノクスは、それぞれクエストメモを掲示板から取り、異空間倉庫(ストレージ)に入れて出発した。
街の北にある森には、ぼくたちに気づくと攻撃してくる魔物たちがいた。
アクティブモンスターっていうんだって。
昨日行った森では魔物たちは何もしてこなかったけど、ここのは近くを通っただけでおそってくるんだ。
「経験値かせぎに、たおしながら進もう」
「はーい」
ノクスは剣で、僕は火魔法【イグニス】や風魔法【ウェントゥス】で魔物たちをたおす。
飛びかかってくる魔物は、ほとんどがゴブリンだった。
「ほら、あれがクエストの現場だ」
ノクスが指さす先に、きれいな湖が見える。
近付いていくと、水面に何かがうかんでいるのが見えてくる。
もっと近くまで行くと、うかんでいるのは人っぽいものだと分かった。
「だれか水にういてるよ。助ける精霊ってあの人?」
「え? ......いや、あれは精霊じゃない」
ぼくが聞いたら、ノクスはちょっとビックリした後、ザブザブ音を立てて湖に入っていった。
うかんでいる人のところまではそんなに遠くはなくて、水もひざくらいまでだ。
ノクスは水面にうかんでいた人を抱き上げて、岸にもどってきた。
「昨日覚えた魔法、早速使うときがきたぞ」
グッタリしてる人を抱いてこっちへ歩きながら、ノクスがため息をついて言う。
目を閉じたままピクリとも動かない人は、ぼくが知っている人だった。
「えぇっ?! リュウさん?!」
「言ったろ、こいつはしょっちゅう死ぬって」
ノクスはまたため息をついて言った。
確かにそう聞いたけど。
なんで死んじゃったの?
「とりあえず、よみがえらせてやってくれ」
ノクスに言われて、ぼくは昨日覚えた光魔法を起動した。