第二十二話:レイドボス
お昼休みの後。
ぼくとノクスは、レイドボスイベントに行ってみた。
レイドボスっていうのは、たくさんのプレイヤーたちが集まってたおすボスモンスターのことなんだって。
時間になったらボスが現れる草原には、今までどこにいたの? って思うくらいの人数が集まっている。
「今回も全力で魔法をぶっぱなすぜ」
草原には、リュウさんも来ていた。
リュウさんはレベルが上がって、今は46になっている。
「ボスにタゲられない程度にな。死んでも助けに行けないから」
「そこはほら、メリディエスくんの死者復活魔法で」
「復活した後、ボスの範囲魔法で仲良くお亡くなりになるのはまちがいない」
「えーっ、そんなぁ」
ノクスとリュウさんは笑いながら話している。
リュウさんは、装備は知力と魔力が高くなる代わりに、筋力と体力が下がるものをつけているから、今も「紙」なんだって。
どのくらい下がっているのかは、分からないけど。
「メリディエスのレベルはまだ26だし、ボスの範囲魔法にたえられるほど体力ないぞ」
「そっかぁ」
レイドボスは範囲魔法を使うらしい。
範囲魔法はターゲットにされた人を中心に、近くにいる人も巻きこまれる魔法だ。
例えて言うなら、爆弾が爆発したみたいな感じだね。
今のぼくの体力は78だから、79以上のダメージを受けたら死んじゃうよ。
リュウさんの支援魔法をもらったとしても、89以上はたえられない。
「ボスはどんな魔法を使うの?」
「業火(インフェルノ)っていう、火魔法がめちゃくちゃ強くなったやつだよ」
インフェルノは他のゲームでも強い魔法として出てくる。
そんなのに巻きこまれたら、生き残れないと思う。
「死んじゃってもイベント経験値はもらえるから、だれかがボスをたおすまで街には戻るなよ」
「はーい」
レイドボスイベントに参加すると、イベント経験値っていうのがもらえるんだって。
イベント経験値は、ボスがたおされるまで現地にいれば、死んでる状態でも入るらしい。
ぼくたちは死んでもその場をはなれないつもりで、イベントに参加した。
『ふははは! 虫けらどもが集まっておるわ!』
全体チャットでレイドボスの声が流れる。
草原の真ん中に、悪魔っぽい角のはえた男が現れた。
◆レイドボス:インフェルヌス・ダエモニウム
レベル:??
属性:火
魔法:インフェルノ
「出たな」
ノクスがつぶやく。
いつもは剣で戦うノクスが、このときは弓を持っていた。
ノクスのジョブは、ファイター/アーチャーになっている。
ここへ来る前にギルドに寄って、アーチャーのジョブと弓を手に入れたんだ。
「氷の槍(ハスタ・グラキアリス)!」
リュウさんが起動言語をさけぶ。
レイドボスの頭の上に氷の槍が現れて、次々に突き刺さった。
リュウさんの攻撃魔法は、どれも派手でカッコイイね。
他のプレイヤーたちも、次々にいろんな攻撃を始めた。