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第二十話:精霊の母子

 復活魔法まほうの光の繭まゆが消えた後。
 グッタリして動かなかった女の子が、ゆっくりと目を開けた。

「白い羽......天使?」

 ボンヤリした顔でぼくを見て、女の子はつぶやく。
 なんでそんなことを言うのかなって思った後、すぐに思い出した。
 そういえば、ぼくは天使族だったよ。

「わたし、死んだのね。天国に連れていってくれるの?」

 女の子は、自分が死んだと思っているらしい。
 さっきまで息をしていなかったから、死んだのはまちがいないけど。

「死んだけど生き返らせたんだよ。天国じゃなくて、お母さんのところへ帰してあげる」
「ほんとう?!」

 ぼくは女の子を生き返らせたことと、おうちへ帰れることを教えてあげた。
 うれしそうに笑っている女の子は、人魚姫にんぎょひめみたいにきれいで可愛い。

「お魚のシッポでは湖まで歩けないから、抱だっこしていってあげるね」
「天使さん優しい、ありがとう!」

 女の子は歩けなさそうだから、運んであげることにした。
 髪かみの毛や身体に塩がついたままだから、早く湖に行って洗わせてあげたい。

(あとは湖まで連れていってあげたら、クエストクリアかな)

 そう思いながら、ぼくは女の子を抱っこしたまま、ノクスがいる方を向いた。
 なぜか、ノクスはビックリしたように目を丸くしている。
 どうしたんだろう?

「ノクス、このまま湖まで行ってもいい?」
「え? ああ、多分......いいと思うぞ」

 ノクスの様子が、なんかおかしいけど。
 ぼくが女の子を抱っこしたまま歩き出したら、ノクスもいっしょに歩き出した。

「......こんなシナリオ分岐あったっけ......?」

 横を歩きながら、ノクスは独り言をつぶやいている。
 ぼくに抱っこされながら、女の子がキョトンと首をかしげた。

 シナリオブンキって、ゲームの中の物語が枝分かれすることだったっけ。
 このゲームのクエストは、やってみないとどんな物語かは分からない。

 湖まで歩いていくと、水面が盛り上がって女の人の形になり、精霊せいれいが姿を現わした。

「私の子供を連れ帰ってくれて、ありがとう」

 精霊は女の子を呼ぶように、両手を差し出す。
 ぼくは湖の中まで歩いていって、抱いていた女の子を水の中に降ろしてあげた。
 女の子は水の深いところまで泳いでいって、クルクル回って塩を洗い落としている。

「生きていてくれて、よかった」
「天使さんが生き返らせてくれたんだよ」

 精霊が、女の子を抱きしめる。
 女の子は、気持ちよさそうに目を閉じた。

(お母さんのところへ帰れてよかったね。もうつかまったりしないでね)

 精霊の親子を見ながら、ぼくは思う。
 ぼくのお母さんは朝しか会えなくて、ごはんを食べたらすぐ会社に行ってしまう。
 だからぼくは、おかあさんにあんな風に抱きしめてもらえない。
 女の子のことが、ちょっぴりうらやましくなった。

「メリディエス、私の子供を生き返らせてくれたお礼に、水の祝福をあげよう」

 精霊が、女の子を抱きしめたまま、ぼくの方を見る。
 その身体が青く光って、光の玉がふわふわと飛んでくる。
 青い光の玉は、ぼくの頭に吸いこまれていった。

『精霊から水の祝福をもらいました』

 頭の中に、メッセージが流れる。
 クエストメモには書いてなかったけど、クリアしたら水の祝福をもらえるのかな?


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 グッタリして動かなかった女の子が、ゆっくりと目を開けた。

「白い羽......天使?」

 ボンヤリした顔でぼくを見て、女の子はつぶやく。
 なんでそんなことを言うのかなって思った後、すぐに思い出した。
 そういえば、ぼくは天使族だったよ。

「わたし、死んだのね。天国に連れていってくれるの?」

 女の子は、自分が死んだと思っているらしい。
 さっきまで息をしていなかったから、死んだのはまちがいないけど。

「死んだけど生き返らせたんだよ。天国じゃなくて、お母さんのところへ帰してあげる」
「ほんとう?!」

 ぼくは女の子を生き返らせたことと、おうちへ帰れることを教えてあげた。
 うれしそうに笑っている女の子は、人魚姫にんぎょひめみたいにきれいで可愛い。

「お魚のシッポでは湖まで歩けないから、抱だっこしていってあげるね」
「天使さん優しい、ありがとう!」

 女の子は歩けなさそうだから、運んであげることにした。
 髪かみの毛や身体に塩がついたままだから、早く湖に行って洗わせてあげたい。

(あとは湖まで連れていってあげたら、クエストクリアかな)

 そう思いながら、ぼくは女の子を抱っこしたまま、ノクスがいる方を向いた。
 なぜか、ノクスはビックリしたように目を丸くしている。
 どうしたんだろう?

「ノクス、このまま湖まで行ってもいい?」
「え? ああ、多分......いいと思うぞ」

 ノクスの様子が、なんかおかしいけど。
 ぼくが女の子を抱っこしたまま歩き出したら、ノクスもいっしょに歩き出した。

「......こんなシナリオ分岐あったっけ......?」

 横を歩きながら、ノクスは独り言をつぶやいている。
 ぼくに抱っこされながら、女の子がキョトンと首をかしげた。

 シナリオブンキって、ゲームの中の物語が枝分かれすることだったっけ。
 このゲームのクエストは、やってみないとどんな物語かは分からない。

 湖まで歩いていくと、水面が盛り上がって女の人の形になり、精霊せいれいが姿を現わした。

「私の子供を連れ帰ってくれて、ありがとう」

 精霊は女の子を呼ぶように、両手を差し出す。
 ぼくは湖の中まで歩いていって、抱いていた女の子を水の中に降ろしてあげた。
 女の子は水の深いところまで泳いでいって、クルクル回って塩を洗い落としている。

「生きていてくれて、よかった」
「天使さんが生き返らせてくれたんだよ」

 精霊が、女の子を抱きしめる。
 女の子は、気持ちよさそうに目を閉じた。

(お母さんのところへ帰れてよかったね。もうつかまったりしないでね)

 精霊の親子を見ながら、ぼくは思う。
 ぼくのお母さんは朝しか会えなくて、ごはんを食べたらすぐ会社に行ってしまう。
 だからぼくは、おかあさんにあんな風に抱きしめてもらえない。
 女の子のことが、ちょっぴりうらやましくなった。

「メリディエス、私の子供を生き返らせてくれたお礼に、水の祝福をあげよう」

 精霊が、女の子を抱きしめたまま、ぼくの方を見る。
 その身体が青く光って、光の玉がふわふわと飛んでくる。
 青い光の玉は、ぼくの頭に吸いこまれていった。

『精霊から水の祝福をもらいました』

 頭の中に、メッセージが流れる。
 クエストメモには書いてなかったけど、クリアしたら水の祝福をもらえるのかな?


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