ホーム元デブス、国宝級イケメンになる。目覚めても、治ってない
← 前の話目次次の話 →

目覚めても、治ってない

その朝、突然ぱっちりと目覚めた。
期待とは裏腹に、未だに続いている頭痛。依然激しい倦怠感と寒気、熱っぽさを持ったまま窓の外をのぞきこむ。
目に飛びこんできたのは、カーテンのすきまから見える青空。

「多分、それなりに寝たな......」

今何時だろうか。重い体を必死に操作して、ベッド横にあるスマートフォンを手に取る。
画面に映るのは――11:30の文字。
体温を測ってみるが、昨夜と変わらず38度代。
長時間睡眠しても、体調が回復していないことだけが確認できた。

「午後から病院に行かないと......」

スマホで近所の病院の診察時間を調べる。午後の診察時間は15時からだ。
それまでは――大人しく安静にしよう。
もうすぐお昼だが、食欲が全くない。何か栄養のあるものを摂るべきなのはわかっているのに、その気力がない。
少し考えて冷蔵庫からスポーツドリンクを取り出すと、そのままベッドの上に転がり込む。
診察開始の30分前にアラームをセット。
相変わらずの寒気で寝付けが悪いが、再び瞼を閉じ、少し強引にまた眠りについた。

――ピリリリリ

携帯のアラームが鳴り、ゆっくりと身体を起こす。
相変わらず身体が重いが、今から病院に向かうため、仕方がない。
寝汗をしっかりかいたのでジャージに着替え、マスクを取り換える。
そして戸締りを確認すると、近所の大門医院を目指し歩き出した。

本来なら5分で着く道のりを10分かけて必死に歩くと、大門医院が見えてくる。昔からお世話になっているかかりつけの病院だ。院長先生は70代と高齢だが、代替わりすることなく未だに現役である。
どうやら院長先生の息子は大学病院で勤務しているらしい。
入口のドアを手で開け、受付に向かう。待合室にはまだ2人しかいない。どうやら自分で3人目のようだ。

「こんにちは。本日はどうされましたか?」
「き......昨日の夜から、はは......発、発熱し、しまして......」

体温を測り、問診票を書いて受付に出すと、待合室で待つように案内された。他の人にうつさないように、距離を取って待合室に座る。
壁には、生活習慣病の予防ポスターや予防接種の案内、そして今月の担当医表も掲示されている。今日の担当医は大門院長先生だそうだ。

1人2人と名前を呼ばれ、診察室に向かっていく。次は自分の番だ。少しソワソワしながら大人しく待合室で待っていると、診察室のドアが開き看護師さんが出てくる。

「吹上空良さんーどうぞー」

ようやく自分の番がきた。重い身体をゆっくりと持ち上げ、診察室へ向かう。
待合室のクッションは、まだ凹んだまま――申し訳がない。
診察室に入り、イスへ腰かける。診察室では猫背に白髪、厚みのある眼鏡をかけた院長先生がすでに待ってくれていた。

「う~ん 今日はどうしたの~」
「き、昨日から熱が出て......」

診察が始まり、聴診器で心音を観た後、首周りの触診を経て喉の様子を観る。
大きく口を開き、金属のヘラで舌を抑えられたため、異物感で咳き込んでしまった。

「あ~すこ~し腫れているかもね~ まぁ一応インフルの検査もしとこうか~」

長い綿棒のようなもので鼻の内側の粘膜を取ると、待合室に戻るように促された。
節々の痛みを我慢しながら待合室に戻り検査結果を待つ。
10分ぐらい経つと、再び診察室に呼ばれた。

「ん~何も出なかったよ~ まぁだね~ お薬だしとくね~」


物凄く、あっけなかった。

こんなんでいいの?
俺、本日にただの風邪なんだよね......?

そう思いながらも、受付で会計を済ませて処方箋を受け取った。次の目的地は調剤薬局だ。
そのまま、大門医院の道向かいにある調剤薬局で処方箋を出す。
調剤薬局の待合室にあるテレビでは、去年大ヒットした恋愛ドラマが再放送されていた。某アイドルグループ出身でイケメン俳優の”三好蓮”と、数年前に大樹寺学園を卒業し、国民的女優と称される”設楽すず”による胸キュンシーンの数々。画面の中に映る二人は、キラキラ輝いて見えた。

俺なんかとは正反対だな......
大樹寺学園で過ごしたら、俺も――キラキラ輝けるようになるのかな......

そう思いながら処方薬が出来上がるのを待っていると、ついに出来上がった。
解熱剤とビタミン剤の説明を受けてお会計。
レジでもらったサービスの飴は、のどの痛みが少しだけ和らいだ気がしてる。
最後に近所のコンビニでドリンクをたくさん購入し、自宅へ。
「ただいま~」
返事などあるわけないのは分かっているが、癖でやってしまう。
買ってきた飲み物を冷蔵庫に入れ、そのままベッドに倒れこんで瞼を閉じる。
体調が悪い中、たくさん歩いた俺の身体はもう限界だった。

――パチッ

瞼を開けるともう辺りが暗くなっていた。スマホを見ると時刻は18時半。
流石に少しお腹が空いてきたので、キッチンに立つ。
玉子とお米があるので今日は、卵入りのおかゆを作ろう。
ご飯が食べれるのだから、お風呂に入って身体を洗おう。
汗でベタベタだったので、スッキリだ。
お風呂から出ると、ボーっとしてきた。多分、夜になりまた熱が上がってきたのだろう。

「今日も、早く寝よう......」
シェア
← 前の話
風邪
次の話 →
これが私の春休み
元デブス、国宝級イケメンになる。作者:豊川 楓
目次を見る
✍️
まだ感想がありません
あなたの一言が、作者の次の一話につながります。
最初の感想を書いてみませんか?
コメント0
ログインしてコメントする
まだコメントがありません
ホーム元デブス、国宝級イケメンになる。目覚めても、治ってない
← 前の話目次次の話 →

目覚めても、治ってない

その朝、突然ぱっちりと目覚めた。
期待とは裏腹に、未だに続いている頭痛。依然激しい倦怠感と寒気、熱っぽさを持ったまま窓の外をのぞきこむ。
目に飛びこんできたのは、カーテンのすきまから見える青空。

「多分、それなりに寝たな......」

今何時だろうか。重い体を必死に操作して、ベッド横にあるスマートフォンを手に取る。
画面に映るのは――11:30の文字。
体温を測ってみるが、昨夜と変わらず38度代。
長時間睡眠しても、体調が回復していないことだけが確認できた。

「午後から病院に行かないと......」

スマホで近所の病院の診察時間を調べる。午後の診察時間は15時からだ。
それまでは――大人しく安静にしよう。
もうすぐお昼だが、食欲が全くない。何か栄養のあるものを摂るべきなのはわかっているのに、その気力がない。
少し考えて冷蔵庫からスポーツドリンクを取り出すと、そのままベッドの上に転がり込む。
診察開始の30分前にアラームをセット。
相変わらずの寒気で寝付けが悪いが、再び瞼を閉じ、少し強引にまた眠りについた。

――ピリリリリ

携帯のアラームが鳴り、ゆっくりと身体を起こす。
相変わらず身体が重いが、今から病院に向かうため、仕方がない。
寝汗をしっかりかいたのでジャージに着替え、マスクを取り換える。
そして戸締りを確認すると、近所の大門医院を目指し歩き出した。

本来なら5分で着く道のりを10分かけて必死に歩くと、大門医院が見えてくる。昔からお世話になっているかかりつけの病院だ。院長先生は70代と高齢だが、代替わりすることなく未だに現役である。
どうやら院長先生の息子は大学病院で勤務しているらしい。
入口のドアを手で開け、受付に向かう。待合室にはまだ2人しかいない。どうやら自分で3人目のようだ。

「こんにちは。本日はどうされましたか?」
「き......昨日の夜から、はは......発、発熱し、しまして......」

体温を測り、問診票を書いて受付に出すと、待合室で待つように案内された。他の人にうつさないように、距離を取って待合室に座る。
壁には、生活習慣病の予防ポスターや予防接種の案内、そして今月の担当医表も掲示されている。今日の担当医は大門院長先生だそうだ。

1人2人と名前を呼ばれ、診察室に向かっていく。次は自分の番だ。少しソワソワしながら大人しく待合室で待っていると、診察室のドアが開き看護師さんが出てくる。

「吹上空良さんーどうぞー」

ようやく自分の番がきた。重い身体をゆっくりと持ち上げ、診察室へ向かう。
待合室のクッションは、まだ凹んだまま――申し訳がない。
診察室に入り、イスへ腰かける。診察室では猫背に白髪、厚みのある眼鏡をかけた院長先生がすでに待ってくれていた。

「う~ん 今日はどうしたの~」
「き、昨日から熱が出て......」

診察が始まり、聴診器で心音を観た後、首周りの触診を経て喉の様子を観る。
大きく口を開き、金属のヘラで舌を抑えられたため、異物感で咳き込んでしまった。

「あ~すこ~し腫れているかもね~ まぁ一応インフルの検査もしとこうか~」

長い綿棒のようなもので鼻の内側の粘膜を取ると、待合室に戻るように促された。
節々の痛みを我慢しながら待合室に戻り検査結果を待つ。
10分ぐらい経つと、再び診察室に呼ばれた。

「ん~何も出なかったよ~ まぁだね~ お薬だしとくね~」


物凄く、あっけなかった。

こんなんでいいの?
俺、本日にただの風邪なんだよね......?

そう思いながらも、受付で会計を済ませて処方箋を受け取った。次の目的地は調剤薬局だ。
そのまま、大門医院の道向かいにある調剤薬局で処方箋を出す。
調剤薬局の待合室にあるテレビでは、去年大ヒットした恋愛ドラマが再放送されていた。某アイドルグループ出身でイケメン俳優の”三好蓮”と、数年前に大樹寺学園を卒業し、国民的女優と称される”設楽すず”による胸キュンシーンの数々。画面の中に映る二人は、キラキラ輝いて見えた。

俺なんかとは正反対だな......
大樹寺学園で過ごしたら、俺も――キラキラ輝けるようになるのかな......

そう思いながら処方薬が出来上がるのを待っていると、ついに出来上がった。
解熱剤とビタミン剤の説明を受けてお会計。
レジでもらったサービスの飴は、のどの痛みが少しだけ和らいだ気がしてる。
最後に近所のコンビニでドリンクをたくさん購入し、自宅へ。
「ただいま~」
返事などあるわけないのは分かっているが、癖でやってしまう。
買ってきた飲み物を冷蔵庫に入れ、そのままベッドに倒れこんで瞼を閉じる。
体調が悪い中、たくさん歩いた俺の身体はもう限界だった。

――パチッ

瞼を開けるともう辺りが暗くなっていた。スマホを見ると時刻は18時半。
流石に少しお腹が空いてきたので、キッチンに立つ。
玉子とお米があるので今日は、卵入りのおかゆを作ろう。
ご飯が食べれるのだから、お風呂に入って身体を洗おう。
汗でベタベタだったので、スッキリだ。
お風呂から出ると、ボーっとしてきた。多分、夜になりまた熱が上がってきたのだろう。

「今日も、早く寝よう......」
シェア
← 前の話
風邪
次の話 →
これが私の春休み
元デブス、国宝級イケメンになる。作者:豊川 楓
目次
✍️
まだ感想がありません
あなたの一言が、作者の次の一話につながります。
最初の感想を書いてみませんか?
コメント0
ログインしてコメントする
まだコメントがありません