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プロローグ 懐かしいゲンソウ

―――目の前が白い靄に包まれた。

そう思ったが、靄というより別空間に転送されたようなそんな感じである。ついさっきまで、薄暗い多湿な洞窟の中にいたというのに、何処だ此処は。

「おーい。お前らー。いねぇーのかー。」

全く、迷子とは...。困った奴らだ。誰一人としていないのか聞こえるのは反響だけである。しかしながら、何処か遠くで寝ているという可能性も考えられなくはない。だから、とりあえず歩いて探すことにした。

―――20分ぐらい歩いているのだが、誰一人として現れない上に、景色すら変わらない。辺り一面白で、少々薄気味悪い。何故か、何処か懐かしさを感じる。だが、実家みたいな安心感は得られないからあいつらが心配である。と言っても、俺よりも強いから何かあっても何とか上手くやれると思うが。ま、だが、合流しなければならないというのは事実である。この空間に飛ばされてきたのも、...いや、考えるのは後にしよう。今更、状況整理なんてものはやってられない。あいつらと合流することを第一に考えるんだ。

俺は、一時的に止めた足を動かそうとした。だが、前には進まなかった。首元を何者かに後ろから掴まれているからであった。

「おい!誰だ、お前!放せ!」

藻掻いてみたが、放すどころか、段々と指を前のほうに回してきて首を絞めてきた。沼に嵌ったとはこのことである。この前、底なし沼に嵌ったとき、あいつらが助けてくれたが、今回ばかしは、救助など来ない。俺と此奴以外に誰もいないと見ての判断だ。

「..フザケルナ...フザケルナ.......フザケルナ....フザケルナ、フザケルナッ!フザケルナァァ!..........」

何か言っているようだが、頸動脈が絞まって頭部に血が溜まっているせいで、上手く聞こえない。その上、息苦しく今はそれどころじゃない。

「放.........セ...................、、、」

背後にいるせいで、一目面を拝もうにも拝めない。俺は、このまま朽ちていくのか...。なぜか、この感覚ですら懐かしく感じる..。幻想だろうか。走馬灯というやつなのか。ってあれ、走馬灯って何だ。ま、何でもいいか。きっと、どこかで聞いた言葉だろう..。

もう声は殆ど出ない。今更、喚こうだなんて思わないが、最後に一つ悪あがきでもするとしようじゃないか。

「......ナセ.....ェ..............」

俺は、最後の力を振り絞って、声を発し、奴の手を引っ搔いた。だが、力が入らず、俺の意識はそこで途絶えた。初めてであるはずなのに、どこか懐かしさを感じるのは何故だろうか...。
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第一話 全ての始まりは鉄の味
一次元に恋をした作者:小月
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プロローグ 懐かしいゲンソウ

―――目の前が白い靄に包まれた。

そう思ったが、靄というより別空間に転送されたようなそんな感じである。ついさっきまで、薄暗い多湿な洞窟の中にいたというのに、何処だ此処は。

「おーい。お前らー。いねぇーのかー。」

全く、迷子とは...。困った奴らだ。誰一人としていないのか聞こえるのは反響だけである。しかしながら、何処か遠くで寝ているという可能性も考えられなくはない。だから、とりあえず歩いて探すことにした。

―――20分ぐらい歩いているのだが、誰一人として現れない上に、景色すら変わらない。辺り一面白で、少々薄気味悪い。何故か、何処か懐かしさを感じる。だが、実家みたいな安心感は得られないからあいつらが心配である。と言っても、俺よりも強いから何かあっても何とか上手くやれると思うが。ま、だが、合流しなければならないというのは事実である。この空間に飛ばされてきたのも、...いや、考えるのは後にしよう。今更、状況整理なんてものはやってられない。あいつらと合流することを第一に考えるんだ。

俺は、一時的に止めた足を動かそうとした。だが、前には進まなかった。首元を何者かに後ろから掴まれているからであった。

「おい!誰だ、お前!放せ!」

藻掻いてみたが、放すどころか、段々と指を前のほうに回してきて首を絞めてきた。沼に嵌ったとはこのことである。この前、底なし沼に嵌ったとき、あいつらが助けてくれたが、今回ばかしは、救助など来ない。俺と此奴以外に誰もいないと見ての判断だ。

「..フザケルナ...フザケルナ.......フザケルナ....フザケルナ、フザケルナッ!フザケルナァァ!..........」

何か言っているようだが、頸動脈が絞まって頭部に血が溜まっているせいで、上手く聞こえない。その上、息苦しく今はそれどころじゃない。

「放.........セ...................、、、」

背後にいるせいで、一目面を拝もうにも拝めない。俺は、このまま朽ちていくのか...。なぜか、この感覚ですら懐かしく感じる..。幻想だろうか。走馬灯というやつなのか。ってあれ、走馬灯って何だ。ま、何でもいいか。きっと、どこかで聞いた言葉だろう..。

もう声は殆ど出ない。今更、喚こうだなんて思わないが、最後に一つ悪あがきでもするとしようじゃないか。

「......ナセ.....ェ..............」

俺は、最後の力を振り絞って、声を発し、奴の手を引っ搔いた。だが、力が入らず、俺の意識はそこで途絶えた。初めてであるはずなのに、どこか懐かしさを感じるのは何故だろうか...。
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次の話第一話 全ての始まりは鉄の味
一次元に恋をした作者:小月
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