過去を懐かしみ、未来を夢見る。
072
放課の鐘が鳴った...生徒たちは校舎から出ていく...家に帰る者もいれば...部活に行く者もいれば...遊びに行く者もいた...
この子供たちのグループもそうだった...
学校の図書室で...宮島女子学院の生徒たちはいつものように図書室に集まっていた
「つまり...ヘレナ・ミスティックチームをVTuber事務所みたいに何期も作るってことっすか?」
ミフユのチームの同人誌の仕上げ作業をしていたアキラちゃんが尋ねた...
「うーん...最近お兄ちゃんは相談業務でけっこう忙しくてね...あまり仕事の話はしてないんだけど...でもチームのVTuberのgenについては私に相談してくれたよ...」
ミフユはノートを取り出して...チーム全員に見せた
「お兄ちゃんはこの四年間で二期生と三期生のVTuberグループを作る目標を立てているんだ...」
「うわ...でも一期生の私たちでさえメンバーは四人しか見つけられてないんですけど...」
「だからお兄ちゃんは四年って目標にしたんでしょ...ザメちゃん...」
最近アキトはあまり仕事を見に来なかった...彼自身も自分の仕事があるから...チームのメンバーたちはいつも放課後に集まって相談していた...
「それに、あと二年で...ルリ先輩は実家に帰らないといけないんだよね...」
マユリが同人誌の背景を描きながら言った...
「まあね...ルリ先輩の家って...ちょっと厳しすぎるよねえ...」
ハルがノートパソコンでプログラムを書きながら言った...
「そういえば...私たちって...みんな同じだよね...そう思わない?」
アキラちゃんが無表情のまま言った...
「つまり...みんな家族に問題があるか...周りの人間関係に問題があるかのどっちかだよね...」
みんな黙り込んだ...まるでアキラちゃんの続きの言葉を待っているかのように
「私の家はケンカばかりしてる...先輩の家は両親に見捨てられた...マユリンの家は同人誌を描くことを恥だとしか思ってない...ハルくんの家は子供にプレッシャーをかけてばかり...ザカッチの家はザカッチを家から追い出した...しかもユウタくんのお母さんは自分がやってほしいことを子供に押し付けてばかり...」
「でも...私たちにはお互いがいるよね...そうでしょ?」
「うん...」
みんな頷いた...似た者同士は引き寄せ合うという言葉があるが...それはあながち大げさな言葉ではないのかもしれない
「はは...考えてみれば変な話だけど...ザカッチがVTuberになってから...私たちはもっとお互いを知るようになったよね...」
「そうだね...アキくんが私の夢を叶える手伝いをしてくれたからね」
ハルがアキラちゃんの方を向いて話しかけた...
「それで...アキラちゃんは?...君の夢は何なの?」
不意にそう聞かれて彼は答えられなかった
「さ...さあ...どうだろう...考えたことなかったから...」
ハルが夢の話をするのを見て...ミフユはふと思い出した...
「あ、そうだ...みんなもう高2でしょ...将来についてのアンケートはもう受け取った?」
高2の全員が軽く首を横に振った
「そう?...でももう考えてるでしょ?...どこに進学したいとか何をしたいとか...」
みんなそれぞれ少しずつ自分の夢を語り始めた
「私はこのままVTuberを続けると思います...でもアキくんは私に大学を卒業してほしいって言うから...デザイン・繊維学科の大学に進学するつもりです...勉強しながら配信もして...大変だと思うけど何とかやれると思います」
ザメちゃんが最初に話した人だった...
「へえ...服作りが本当に好きなんだね...」
「はい...」
「私も絵を描くのが好きだから...漫画学科に進学するつもりです...」
「意外だなあ...マユリンは私と同じところに進学すると思ってたのに」
「服作りは趣味だから...私は...漫画を一本書きたいと思ってて...だからこっちの学科の方に進みたいんだよね。それで先輩は?」
ミフユは長い間考えていたが...やがて答えた
「うーん...私はどこかの会社の経営をやりたいと思ってる...最初はどんな会社を経営するかなんて考えてなかったんだけど...チームに入ってから経営学を勉強しながら私たちのチームの中で経営に活かしたいと思うようになったんだ...」
「へえ...すごいね...さすが私たちの学校の特待生...それでハルくんは?」
この学校で推薦枠や奨学金をもらうのは本当に難しい...もらえるのはほんの一握りの生徒だけ...だからそれはここの特待生が本当に優秀だという証明にもなっている
「情報技術学科に進学するよ...どこかの会社のIT社員になりたいんだ。それでお前はユウタ」
ハルは5人目のメンバーの新しいモデルの設定作業をしていたユウタの腕をつついた
「電気工学を勉強するよ...こういう物を作るのが元々好きだから。トニー・スタークみたいにさ」
「お前、本当にトニー・スタークが好きだよなあ...」
「当たり前だろ...俺のアイドルだからな...知ってるか...俺は5歳の時、俺をいじめてきた奴らを撃つためにエアガンを作ったことがあるんだぜ、アイアンマン3のせいでな」
「今は聾唖者のための会話補助装置を作ってるくせに、卒業したらアイアンマンのスーツ作らないのかよ」
二人は軽く笑い合った...みんなもハルの言葉が少しも大げさではないことを分かっていた
「それでアキラちゃんは?」
ハルがアキラちゃんの方を向いて尋ねた...しかし彼は軽く首を横に振った
「今は...まだ何も考えてないんだ...」
「そう?...まあね...実際、私たちが立てた夢が必ず叶うとは限らないもんね...」
「それは...そうだね...」
夢...か...?
アキラちゃんは仕上げ中の絵の方に目をやった......
もしかしたら...私には夢なんてないのかもしれない...でも
「あ、そうだ...そういえばアキラちゃんってメイクとか興味あるよね、演劇科とか受けてみない?...宮島高校にはその学科もあるし」
「そうだね...そういえば私たちの学校には演劇科もあったよね?...毎年学校のアイドルグループのトーナメント大会をやってるところ」
「宮島家って...けっこう大きな家系だよね...シャーロット先輩はお金に困ることなんて絶対ないんだろうな」
彼らはいつもお互いを気にかけ合っていた...誰に何か問題があっても助けに行く準備ができていた...
「考えてみるよ」
気まずい質問をされても...アキラちゃんは心から笑うことができていた
「本当にありがとうね、ハルくん」