ホームある日突然、無職の俺が、自分より丸々8歳も年下の女の子がVTuberになるのを手伝うことになった。レンタル彼女?
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レンタル彼女?

 024

「え?......彼女レンタルアプリ?」

 突然、春がうっかり広告だらけのアプリを開いてしまった。そこには可愛い女の子の広告がぎっしり詰まっていた。俺と悠太は俺の部屋でゲームをしていた。俺たち三人はR.E.P.O.をプレイして遊んでいたのだった。

「お前がそっち系に興味あるとは思わなかったな......」

「違いますって!うわっ!」

 春は叫んだが慌てて口を塞いだ......サちゃんが下でライブ配信中だったからだ。

「ああ、心配するな。防音フォームはもう貼ってあるし、それにあの子のマイクは口元に近づけないと声が拾えないタイプだから」

 俺は彼女のライブに男の声が入ってしまうかもしれないことを考慮して、こういうマイクを買ってやったのだ。もう知っての通り、ファンの間では俺がロリコンのおじさんだってことは完全にバレてしまっている。

 恥ずかしすぎる。

「俺は......二度と女性を好きにならないって自分に誓ったんです。だって女はみんな俺にはいつも冷たいから......」

「まあまあ......明ちゃんも可愛いじゃないか。それに、よくお前の面倒見てくれてるみたいだしな」

「本当ですか?」

「じゃなきゃ、なんであのギャルどもをぶちのめしに行くんだよ。ああ、そうだ......お前にいい知らせがあるぞ......あのグループの女の子たちの何人か、父無し子を妊娠して退学になったらしいぞ......」

「「はあ!?」」

 なんでそんなに驚くのか分からないな......父無し子を妊娠する生徒なんて世の中にごまんといるのに。

「マジで!?お前らそこまで驚くようなことか......」

「俺たち、今初めて知ったんです......」

 ああ......こいつら知らなかったのか。

「昌臣が飲みに行った時に教えてくれたんだよ」

「校長先生と知り合いなんですか?」

「まあ......古い友人でな......」

「うわ......亜紀人さん、すごいっすね......」

「大したことないさ......ただ人脈が他の人より広いだけだよ......」

 俺は適当なことを言っているだけなんだけどな......。

「ああ、そういえばもう一つ、あいつはただのスケベ親父だ。あの学校が女子高になったのだって、あいつが女生徒のスカートを覗こうとしたからだぞ......」

 二人は鳥肌を立てた......。

「でも俺、あいつがまだ昔ながらの体操服を使わせてることには賛成だけどな」

「「変態おやじが!!」」

「お前らだって俺みたいな可愛い彼女いないだろ!!!!!」

 俺たちがそんな感じで言い合っていると、下から叫び声が聞こえてきた。

「おいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!!!!!!うるさいわよおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 俺たちは一斉に口を閉じた。叫んだのは下でライブ配信中のサちゃんだったからだ。

 俺は彼女のライブを開いた......そこには「うるさい彼氏、今すぐ謝りに来なさい」というメッセージが書かれていて、彼女はモデルの表情を不機嫌そうな顔に変えていた。

[耳が壊れるWWWWWWWWW]

[ほらほら、亜紀さん、早く謝って!]

[亜紀さん、どこ行っちゃったの]

 俺はチャットに打ち込んだ。

[ごめんなあ、サちゃん......本当にわざとじゃないんだ(⋟﹏⋞)]

[きゃー、絵文字使うんだ、可愛い]

[来たー来たー......]

[これ私、恋人同士見せられてるってこと?]

 でも彼女はまだ俺から顔を背けていた......。

[可愛すぎるうう!!!(⁄ ⁄>⁄ ▽ ⁄<⁄ ⁄)]

[ツンデレちゃんだ!]

[こりゃもっと本気で謝らないとダメですね、彼氏さん......WWWWWWW]

 俺は二万円投げ銭した。

[亜紀さんが20000円を投げ銭してくれました。本当にごめん、明日どこか遊びに行こうな]

「あ!ありがとうございます、亜紀さん!今日はお仕事で疲れちゃったんです。明日は遊びに行けるんですね、やった!」

 なんだこれ!俺、騙されたのか!?

[みんな!俺、彼女に金取られました、助けて!]

[はい終了!騙されましたねWWW]

[これロマンス詐欺じゃん!]

[WWWWWWWWWW]

[WWWWW]

[亜紀さん......あなた、もう完全に裏切られてますよ......]

 くそ......俺の貯金が......。

「チャット、大盛り上がりでしたね」

「ラブラブって感じでしたね」

「うう......」

 反論できない......。



「ただいま......」

「ちょっと悠太!お母さん何回言ったら分かるの、暗くなる前に帰ってきなさいって......」

「分かってるって......」

 見ての通り、悠太は母親と兄の三人暮らしだった。父親は貴賀学校の教師だったが、若い女教師と浮気して、母親とはつい最近離婚したばかりだった。

 それで悠太の母親はこんな性格になってしまい、悠太もそれにはもうすっかり慣れっこになっていた。

「友達と遊んでばっかりいたら成績も落ちるわよ、お兄ちゃんを少しは見習いなさい!」

 悠太の兄は大きな病院で医者として働いていて、宮島(みやじま)で勉強していた。

 もちろん彼と悠太はまるで正反対で、天と地ほどの差があった。

「はい......」

 そして彼は部屋に入った。

「はあ......本当にダメな息子だこと」

 部屋に入ると、すべてが不思議なほど静かだった。まるで自分がずっとそれを求めていたかのように。

「.............はあ......家の外は天国、家に帰れば地獄。俺、本当にこんな目に遭わなきゃいけないのか?」

 そして彼は、夕方に春がうっかり開いてしまったあのアプリのことを思い出した。

「ダイヤモンドアプリ......ははっ、『彼女、お借りします』に出てくるアプリと名前似てるな......」

 試しに開いてみると、アプリの使用前の説明が出てきた――

 Sランクの美少女と、時間5000円のご利用料金だけで触れ合えます!(その他費用は別途)

 あなたがこれまで感じたことのない感覚がここに......

 女性に不慣れな方も安心してご利用ください......

 女の子への個人的な連絡は禁止、いかなる不適切な行為も固く禁じます。

「うわ......条件、漫画そのままじゃねーか......」

 彼はスクロールして見てみた。

「彼女のタイプもいろいろあるんだな......しかもランキングまであるし!......」

 これマジなのか?

「えっと......試しに見てみるか......」

 彼は何十回も読み返した。しかしこのアプリには利用者の年齢制限がなく、17歳の少年である自分でも利用できると思った。

「今、手元に五万円あるけど......何に使うかまだ決めてなかったし......」

 極度の興奮状態のまま、彼は本気でレンタルを申し込んでみた。申し込んだのは金髪の少女で、見た目は欧日ハーフっぽかったが、実はアプリ内では最下位ランクに位置していて、レビューには悪い評価がかなり多く書かれていた。

 だが、そんなことを気にする奴なんていないだろう、そうだろ?

「.........めちゃくちゃ可愛い」

 ちょっと可愛い女の子に会っただけで、俺たち男はすぐに理性なんてものを投げ捨ててしまうものだ。

「チャットもあるんだな......」

[こんにちはー......]

 普通じゃないか......なんでこんなにレビュー爆撃されてるんだ?

[こんにちは......あの、デートに行きたいんですけど......一時間だけでいいので......]

[いいですよ......xx駅前で、夜8時ちょうどでどうですか?]

 え......?俺たちのすぐ近くじゃないか。

[いいですよ]

 悠太は改めて彼女のプロフィールページを見て、あることに気づいた。

「シャルロット・宮島?わがままお嬢様タイプの彼女......彼氏になる方は覚悟してくださいね......」

 宮島?......この苗字って......

「バカな、そんなわけあるか......同じ苗字の人なんてたくさんいるだろ......朝倉昭夫だって二人いるくらいだし(『湾岸ミッドナイト』の主人公)」

 明日、亜紀人さんに聞いてみよう......でもその前に......



 19:50、xx駅前

「めちゃくちゃドキドキするな......」

 自分は女の子と話せるようにはなったものの......Sランクの美少女の「彼氏」になるなんて、明らかに自分の分をわきまえていないことは分かっていた。

「でも少なくとも......こうやってデートしてストレス発散できるのはいいことだよな」

 彼は毎日母親の愚痴を聞かされていたので、ストレス解消の方法を探していた......そして今回はそれを助けてくれそうだった。

 可愛い女の子が彼女になってくれるなら......きっとストレスも忘れるくらい幸せになれるはずだ。

「あ......白いTシャツにP5のロゴ、長ズボン......エモくんですよね?」

 俺は自分の名前を悠太って名乗ったはずなんだけどな。

「あ......うん......」

 彼女は手を差し出した。悠太はとりあえず五千円を先に支払った......。

 彼女は悠太より少し背の高いハーフの少女だった......ブロンドの長い巻き髪、前髪は両サイドに流していた。お嬢様スタイルの制服を着ていて、白い長袖シャツの上に紺色のジャンパースカートを重ねていた。黒のロングソックスに黒のメリージェーンシューズを履いていた。

 顔立ちは美人というより可愛い系だった。表情や態度はとても淡々としていて、悠太はなぜ彼女がレビュー爆撃されているのか、不思議に思わなくなっていた。

「行くわよ......」

 彼女は悠太の手を掴むと、人混みの中へさっさと歩いて行った。

「え!?ど......どこ行くの?」

「ゲームセンター......」

 彼女は淡々とした声で答えた。

「でも約束してたプランはカフェで座って話すことだったよね......」

「私、ゲームセンターで遊びたいんだもん......カフェで話すなんて退屈でしょ......」

 なぜレビュー爆撃されているのか、また改めて完全に理解した......。

 でもよく考えたら、彼女のプロフィールにもちゃんと書いてあったじゃないか。

[わがままお嬢様タイプの彼女......]

 本当にわがままお嬢様そのものだった......。

「あ......じゃあ......何のゲームやりたい?」

 二人は池袋でデートした。シャルロットは悠太の手を掴んだまま、素早い足取りでどんどん進み、ナムコ池袋店のビルへと向かった。

「湾岸ミッドナイト6」

「レースゲーム好きなの?」

 彼女は淡々とした表情で悠太の方を振り返った。

「別に......でもあなたが好きって聞いたから、やってみたくなっただけ......」

「そうなんだ?」

 俺のプロフィール、事前に調べてくれてたのか......こんなに可愛いのに、なんで最下位ランクなんだろう。

「だって......今、私はあなたの『彼女』なんだから......恋人同士なら、お互いの好きなものくらい知っておくべきでしょ」

「...........うん......」

 二人はビルの中へ入っていった......。

 その夜、悠太はきっと、夕方母親に何を言われたかなんてすっかり忘れてしまっていただろう。
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 突然、春がうっかり広告だらけのアプリを開いてしまった。そこには可愛い女の子の広告がぎっしり詰まっていた。俺と悠太は俺の部屋でゲームをしていた。俺たち三人はR.E.P.O.をプレイして遊んでいたのだった。

「お前がそっち系に興味あるとは思わなかったな......」

「違いますって!うわっ!」

 春は叫んだが慌てて口を塞いだ......サちゃんが下でライブ配信中だったからだ。

「ああ、心配するな。防音フォームはもう貼ってあるし、それにあの子のマイクは口元に近づけないと声が拾えないタイプだから」

 俺は彼女のライブに男の声が入ってしまうかもしれないことを考慮して、こういうマイクを買ってやったのだ。もう知っての通り、ファンの間では俺がロリコンのおじさんだってことは完全にバレてしまっている。

 恥ずかしすぎる。

「俺は......二度と女性を好きにならないって自分に誓ったんです。だって女はみんな俺にはいつも冷たいから......」

「まあまあ......明ちゃんも可愛いじゃないか。それに、よくお前の面倒見てくれてるみたいだしな」

「本当ですか?」

「じゃなきゃ、なんであのギャルどもをぶちのめしに行くんだよ。ああ、そうだ......お前にいい知らせがあるぞ......あのグループの女の子たちの何人か、父無し子を妊娠して退学になったらしいぞ......」

「「はあ!?」」

 なんでそんなに驚くのか分からないな......父無し子を妊娠する生徒なんて世の中にごまんといるのに。

「マジで!?お前らそこまで驚くようなことか......」

「俺たち、今初めて知ったんです......」

 ああ......こいつら知らなかったのか。

「昌臣が飲みに行った時に教えてくれたんだよ」

「校長先生と知り合いなんですか?」

「まあ......古い友人でな......」

「うわ......亜紀人さん、すごいっすね......」

「大したことないさ......ただ人脈が他の人より広いだけだよ......」

 俺は適当なことを言っているだけなんだけどな......。

「ああ、そういえばもう一つ、あいつはただのスケベ親父だ。あの学校が女子高になったのだって、あいつが女生徒のスカートを覗こうとしたからだぞ......」

 二人は鳥肌を立てた......。

「でも俺、あいつがまだ昔ながらの体操服を使わせてることには賛成だけどな」

「「変態おやじが!!」」

「お前らだって俺みたいな可愛い彼女いないだろ!!!!!」

 俺たちがそんな感じで言い合っていると、下から叫び声が聞こえてきた。

「おいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!!!!!!うるさいわよおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 俺たちは一斉に口を閉じた。叫んだのは下でライブ配信中のサちゃんだったからだ。

 俺は彼女のライブを開いた......そこには「うるさい彼氏、今すぐ謝りに来なさい」というメッセージが書かれていて、彼女はモデルの表情を不機嫌そうな顔に変えていた。

[耳が壊れるWWWWWWWWW]

[ほらほら、亜紀さん、早く謝って!]

[亜紀さん、どこ行っちゃったの]

 俺はチャットに打ち込んだ。

[ごめんなあ、サちゃん......本当にわざとじゃないんだ(⋟﹏⋞)]

[きゃー、絵文字使うんだ、可愛い]

[来たー来たー......]

[これ私、恋人同士見せられてるってこと?]

 でも彼女はまだ俺から顔を背けていた......。

[可愛すぎるうう!!!(⁄ ⁄>⁄ ▽ ⁄<⁄ ⁄)]

[ツンデレちゃんだ!]

[こりゃもっと本気で謝らないとダメですね、彼氏さん......WWWWWWW]

 俺は二万円投げ銭した。

[亜紀さんが20000円を投げ銭してくれました。本当にごめん、明日どこか遊びに行こうな]

「あ!ありがとうございます、亜紀さん!今日はお仕事で疲れちゃったんです。明日は遊びに行けるんですね、やった!」

 なんだこれ!俺、騙されたのか!?

[みんな!俺、彼女に金取られました、助けて!]

[はい終了!騙されましたねWWW]

[これロマンス詐欺じゃん!]

[WWWWWWWWWW]

[WWWWW]

[亜紀さん......あなた、もう完全に裏切られてますよ......]

 くそ......俺の貯金が......。

「チャット、大盛り上がりでしたね」

「ラブラブって感じでしたね」

「うう......」

 反論できない......。



「ただいま......」

「ちょっと悠太!お母さん何回言ったら分かるの、暗くなる前に帰ってきなさいって......」

「分かってるって......」

 見ての通り、悠太は母親と兄の三人暮らしだった。父親は貴賀学校の教師だったが、若い女教師と浮気して、母親とはつい最近離婚したばかりだった。

 それで悠太の母親はこんな性格になってしまい、悠太もそれにはもうすっかり慣れっこになっていた。

「友達と遊んでばっかりいたら成績も落ちるわよ、お兄ちゃんを少しは見習いなさい!」

 悠太の兄は大きな病院で医者として働いていて、宮島(みやじま)で勉強していた。

 もちろん彼と悠太はまるで正反対で、天と地ほどの差があった。

「はい......」

 そして彼は部屋に入った。

「はあ......本当にダメな息子だこと」

 部屋に入ると、すべてが不思議なほど静かだった。まるで自分がずっとそれを求めていたかのように。

「.............はあ......家の外は天国、家に帰れば地獄。俺、本当にこんな目に遭わなきゃいけないのか?」

 そして彼は、夕方に春がうっかり開いてしまったあのアプリのことを思い出した。

「ダイヤモンドアプリ......ははっ、『彼女、お借りします』に出てくるアプリと名前似てるな......」

 試しに開いてみると、アプリの使用前の説明が出てきた――

 Sランクの美少女と、時間5000円のご利用料金だけで触れ合えます!(その他費用は別途)

 あなたがこれまで感じたことのない感覚がここに......

 女性に不慣れな方も安心してご利用ください......

 女の子への個人的な連絡は禁止、いかなる不適切な行為も固く禁じます。

「うわ......条件、漫画そのままじゃねーか......」

 彼はスクロールして見てみた。

「彼女のタイプもいろいろあるんだな......しかもランキングまであるし!......」

 これマジなのか?

「えっと......試しに見てみるか......」

 彼は何十回も読み返した。しかしこのアプリには利用者の年齢制限がなく、17歳の少年である自分でも利用できると思った。

「今、手元に五万円あるけど......何に使うかまだ決めてなかったし......」

 極度の興奮状態のまま、彼は本気でレンタルを申し込んでみた。申し込んだのは金髪の少女で、見た目は欧日ハーフっぽかったが、実はアプリ内では最下位ランクに位置していて、レビューには悪い評価がかなり多く書かれていた。

 だが、そんなことを気にする奴なんていないだろう、そうだろ?

「.........めちゃくちゃ可愛い」

 ちょっと可愛い女の子に会っただけで、俺たち男はすぐに理性なんてものを投げ捨ててしまうものだ。

「チャットもあるんだな......」

[こんにちはー......]

 普通じゃないか......なんでこんなにレビュー爆撃されてるんだ?

[こんにちは......あの、デートに行きたいんですけど......一時間だけでいいので......]

[いいですよ......xx駅前で、夜8時ちょうどでどうですか?]

 え......?俺たちのすぐ近くじゃないか。

[いいですよ]

 悠太は改めて彼女のプロフィールページを見て、あることに気づいた。

「シャルロット・宮島?わがままお嬢様タイプの彼女......彼氏になる方は覚悟してくださいね......」

 宮島?......この苗字って......

「バカな、そんなわけあるか......同じ苗字の人なんてたくさんいるだろ......朝倉昭夫だって二人いるくらいだし(『湾岸ミッドナイト』の主人公)」

 明日、亜紀人さんに聞いてみよう......でもその前に......



 19:50、xx駅前

「めちゃくちゃドキドキするな......」

 自分は女の子と話せるようにはなったものの......Sランクの美少女の「彼氏」になるなんて、明らかに自分の分をわきまえていないことは分かっていた。

「でも少なくとも......こうやってデートしてストレス発散できるのはいいことだよな」

 彼は毎日母親の愚痴を聞かされていたので、ストレス解消の方法を探していた......そして今回はそれを助けてくれそうだった。

 可愛い女の子が彼女になってくれるなら......きっとストレスも忘れるくらい幸せになれるはずだ。

「あ......白いTシャツにP5のロゴ、長ズボン......エモくんですよね?」

 俺は自分の名前を悠太って名乗ったはずなんだけどな。

「あ......うん......」

 彼女は手を差し出した。悠太はとりあえず五千円を先に支払った......。

 彼女は悠太より少し背の高いハーフの少女だった......ブロンドの長い巻き髪、前髪は両サイドに流していた。お嬢様スタイルの制服を着ていて、白い長袖シャツの上に紺色のジャンパースカートを重ねていた。黒のロングソックスに黒のメリージェーンシューズを履いていた。

 顔立ちは美人というより可愛い系だった。表情や態度はとても淡々としていて、悠太はなぜ彼女がレビュー爆撃されているのか、不思議に思わなくなっていた。

「行くわよ......」

 彼女は悠太の手を掴むと、人混みの中へさっさと歩いて行った。

「え!?ど......どこ行くの?」

「ゲームセンター......」

 彼女は淡々とした声で答えた。

「でも約束してたプランはカフェで座って話すことだったよね......」

「私、ゲームセンターで遊びたいんだもん......カフェで話すなんて退屈でしょ......」

 なぜレビュー爆撃されているのか、また改めて完全に理解した......。

 でもよく考えたら、彼女のプロフィールにもちゃんと書いてあったじゃないか。

[わがままお嬢様タイプの彼女......]

 本当にわがままお嬢様そのものだった......。

「あ......じゃあ......何のゲームやりたい?」

 二人は池袋でデートした。シャルロットは悠太の手を掴んだまま、素早い足取りでどんどん進み、ナムコ池袋店のビルへと向かった。

「湾岸ミッドナイト6」

「レースゲーム好きなの?」

 彼女は淡々とした表情で悠太の方を振り返った。

「別に......でもあなたが好きって聞いたから、やってみたくなっただけ......」

「そうなんだ?」

 俺のプロフィール、事前に調べてくれてたのか......こんなに可愛いのに、なんで最下位ランクなんだろう。

「だって......今、私はあなたの『彼女』なんだから......恋人同士なら、お互いの好きなものくらい知っておくべきでしょ」

「...........うん......」

 二人はビルの中へ入っていった......。

 その夜、悠太はきっと、夕方母親に何を言われたかなんてすっかり忘れてしまっていただろう。
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ある日突然、無職の俺が、自分より丸々8歳も年下の女の子がVTuberになるのを手伝うことになった。作者:SakuSaku
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