こんな性格の母親なんて、本当に嫌だ。
043
「ただいま......」
今日、瑠璃の頼まれた部品作りの件でマンションから帰ってきた後......ユウタは家の前に何十個ものゴミ袋が積まれているのに気づいた。今日はゴミの日でもないのに、おかしいなと思った......
「母さん......今日ゴミの日じゃないよね......」
「ああ、あれね。無駄なものだから置いてあるだけよ......」
なんか変だな......
「帰ったの?」
「兄さん!?今日仕事休みなの?」
知っての通り......ユウタには病院で医者として働く兄がいる......
「今日は休みだよ......日曜日じゃないか、忘れたのか?」
「あ......ごめん、忘れてた......」
長期休みに入るといつも曜日を忘れてしまう......でも平日はちゃんと覚えているのに......
ユウタは部屋のドアを開けて入った......そしてそれが、この家で普通の表情を保てる最後の瞬間だった......
「いや......いやいやいやいや、これは何だ......」
普段部屋はそんなに散らかってはいない......でも最近は瑠璃に頼まれた部品を作るために散らかっていたのだが......
「待てよ......工具と電子回路基板がなくなってる......」
彼は急いで引き出しを開け閉めしたが見つからない......部屋中探しても見つからなかった......
「何なんだ......どこに行ったんだ......」
彼はベッドの上で頭を抱えて座った......考えながら......
「ん?......」
そして彼は何かに気づいた......その時、ユウタはちょうど本棚に目をやった......
「待てよ......あそこはワールドトリガーとHUNTER×HUNTERの棚だったはず......」
両方の漫画の背表紙の色は黒と白のはずなのに、ユウタが見た背表紙は何色もあって......しかも厚みも増していた......
「何でこんなことに......」
彼はすぐにその棚から本を引っ張り出した......
「専門医学書、医療の裏マニュアル、一冊でわかる医者への道......どういうことだ......どういうことだよ......」
ユウタは事情をだいたい理解した......犯人が誰かは確信できたが......それでも信じたくなかった......
「俺たちのノートパソコンも......なくなってる......」
すべての......見慣れたものが......消えていた......
ユウタはすぐに階下へ降りた......そして母のもとへまっすぐ向かった......
「母さん......」
「何よ......」
「俺の私物どこ行ったの......」
しかしユウタの母は何も答えなかった。彼女はそのまま料理を続けていた......
「俺の私物どこ行ったのか聞いてるんだけど!!!」
「捨てたわよ!!!!!」
捨てた......私物を捨てた......でも捨てられたそれは......瑠璃川先輩がわざわざ頼んできた大事な物だった......
さすがにやりすぎだろ......
「母さん、俺のことからかってるの?あれは!!」
ユウタが言い終わらないうちに、母はテーブルをバンと叩いた......テーブルの上にあったのはユウタの成績表だった
成績表には、コンピューターと英語以外、すべての科目が中程度の評価だった......
「なんで全部満点じゃないの......」
「俺の頭じゃこれが限界だよ......」
「嘘つくんじゃないよ!!」
母はまたテーブルを叩いた......
「あんたが遊んでばかりいるからでしょ!!少しは母さんの言うこと聞きなさいよ......母さんはあんたに医者になってもらいたくて頑張ってるのに、福祉もあって世間体もいい仕事に就いてほしくて......」
またこれか......もう何なんだよ......
「関係ないだろ......医者になりたくないって前に言ったじゃないか!!!」
「じゃああんたの夢とかいうプログラマーとかいう仕事で一生食べていけると思ってるの?......母さんはあんたのためにやってるのよ......」
「自分のためだろ!!!母さんは俺が何になりたいか一度も聞いてくれたことないじゃないか!!!応援する気もないくせに、俺の夢を無駄なことだと決めつけて、しかも母さんの望むことを全部俺にやらせようとして!!!......」
パンッ!......大きな平手打ちの音......ティーンエイジャーにとってはそれほど強くない衝撃......でもユウタにとっては、この衝撃は何よりも痛かった
「あんた、母さんに逆らう気!!!?母さんはあんたより先に生きてきたのよ!あんたのために一番いい道を選んでやってるのに......世間様に恥をかかせるんじゃないの!」
「あんたがそんなくだらない漫画ばっかり読んでるからこんな風になっちゃったのよ......ゲームばっかりやって母さんにこんな態度取るなんて......」
「...............」
ユウタはただ呆然とするしかなかった......何を言っても、彼女は彼のことなど微塵も考えていない言葉を吐き続けるだけだった......
「それに最近なんで勉強しないのよ......あんたのくだらない友達と遊んでばっかりだからでしょ......」
は?......
「やっぱりね......友達のせいなのね......まったく......あんな性格の悪い友達と付き合って。もうそんな連中とは縁を切りなさい......そうすればちゃんと勉強に集中できるでしょ......」
「やめろ......」
「何?......何か言いたいならはっきり言いなさいよ......そんな小声じゃ聞こえないでしょ」
「俺の友達のことをそんな風に言うな!!!!」
ユウタは母より大きな声で叫んだ......その叫び声を聞いた母は、その場に崩れるように座り込んだ......
「あんた......母さんに......こんなことするの......」
言えば言うほど悪くなる......ユウタはすぐに気づいた、この人は自分のことしか考えていないと......
「...............」
ユウタは目を逸らす兄の方を振り返った
「誰も彼も同じだな......」
そして自分の部屋に戻った......
夕食の時間......今は雨が降っている
「ユウタ......ご飯だぞ......」
兄が軽くドアをノックした......でも返事はなかった
「俺に怒ってるのは分かるけど......母さんのことも理解してやってくれよ......あの人だってずっと俺たちのために頑張ってきたんだから......」
やはり返事はなかった......
「ユウタ......寝てるのか」
兄がドアを開けて入ると、目の前の光景に驚いた......
「ユウタが......いない......」
彼は2階のトイレを見たが......誰もいなかった......
「どこ行ったんだ......」
彼は慌てて窓の外を見た......窓は少し開いていて......しかも家の前にあったゴミ袋はもうなくなっていた......
「ユウタ......」
そして兄はすぐに悟った......弟が家出してしまったことを......
「母さん!!ユウタが部屋にいません......」
2階から降りてきた兄は、急いで母に事の次第を伝えた......しかし母親は大して気にする様子もなく......そのまま味噌汁をすすり続けた......
「放っておきなさい......あの子はまだ子供よ......どこにも逃げられやしないわ......そのうち勝手に帰ってくるでしょ......」
「.........」
兄は素直に母の言葉に従った......確かに母の言う通りだった、ユウタはただの高校生......家出したところで遠くには行けないはずだった......
しかし彼らは知らなかった......ユウタには貯金があり、しかも普通より稼ぎのいいバイトもあったことを......これくらいなら、大都市での生活を送るのにそう困らないだろう......
{Burn, burn, burn, burn, burn
Call me savage, causing damage what I managed
Maintained wrath, hate, trashy waste, good luck running away, they did me wrong
I stayed damn strong alone in the fields, I didn't belong
So then my vengeance somewhat home grown from your garden, now outgrown
Way they're looking making me feel like piece of garbage, nobody cares, so
I gotta stand up to the BS that I'm up against
Now I'm about to give you a gift, my life in a day, version condensed
I give orders, take no requests, you shall never rest from now}
「はは......やっぱりな......タクさんとロータスさんの曲、本当に相性抜群だな......もっと曲作ってほしいわ......」
ユウタは......大きなスーツケース二つとリュックサックを引きずりながら、レインコートを着て東京の大都市の道を歩いていた。お気に入りのアニメ『ガチアクタ』の曲を聴きながら......
「この歌詞、俺に重なるな......」
あんな風にバカにされて......もう二度と顔なんて見せるものか......あのイカれたババアめ......
「新しい住む場所探さないとな......」
駅前に向かって歩いている途中......彼はつい数時間前に恋人になったばかりの客に別れを告げている少女の横を通り過ぎた......
しかし彼はそれに気づかず......そのまま通り過ぎた......でも彼女の方は彼に気づいた......
「イーモくんじゃない......」