ただいま
079
路地の入り口でタクシーを降りた...前に話した、アパートや商店が立ち並ぶあの路地だ。
もし年初めの頃の私だったら...周りの全てが暗い世界のように思えただろう。
でも今回は、世界の見方が少し変わった。
周りの人たち、そして周りの全てに、以前より笑顔を向けるようになった。
たとえ世界が私に微笑み返してくれなくても...。
「ただいま...」
誇らしげにそう言いながら、靴棚を見渡した。そこには靴があちこちに散乱していた。
以前はたった2足しかなかったのに...。
私は一人で微笑み、家の中にいる皆にも微笑みかけた。
「やあ...」
温かく挨拶すると、皆が声を揃えて答えた。
「おかえりなさい!!」
私は満面の笑みを浮かべた...これまでずっと他人の幸せを願ってきた私だったけれど...これからは...幸せになるのは...私自身...
「はい...お土産...」
買ってきたお菓子を二人に投げ渡すと、二人は映画を見ながらそれを食べた...
「あ...そういえば、今日の模型は完成したの?」
キッチンに入り、冷蔵庫を開けて、冷たい水をボトルごと飲み干した...
「あとは模型のデザインだけ...」
ハルと話しながら絵を描いているアキラちゃんをちらりと見た...この二人が付き合っているなんて信じられない...
「あ...まゆりん...」
「はい?」
「今日は5人目のメンバーを売り出す準備をして...」
「わかった!」
夕食の食材を冷蔵庫に入れようとキッチンに入ると、彼女が後からついてきた。
「おかえり...」
「おかえり...」
彼女は僕に近づいてきた。
「あのね...ほら...2週間も会ってなかったから...すごく寂しかったんだ...だから...それで...」
彼女は僕の言いたいことを察したように、少しニヤリと笑った。
「あの...キスを2回してもいいかな?」
「アキくん...愛情表現が苦手みたいね?」
僕はまた笑った。
「じゃあ、どう愛情表現すればいいの?」
僕は彼女に顔を近づけた...
「何か甘い言葉を言ってくれたら...キスさせてあげるよ...」
少し考えて...甘い言葉が頭に浮かんだ...
「世界で一番可愛い彼女がいるのに、キスできないなんて...すごく残念だよ...」
「ベタすぎる...ダメ...」
「お願いだよ、ダーリン...一生懸命頑張ってきたんだから...キスくらいしてもいいかな?」
僕はしつこく彼女に迫った...
「どうせ毎日キスしてるじゃない...」
「あれは頬に軽くキスしただけ...キスしたのは一度だけ...」
「まるで子犬みたい...じゃあ...目を閉じて...」
言われた通りに目を閉じると...突然...
彼女は僕のシャツを引っ張り、情熱的にキスをした...
「!!」
「......」
柔らかそうな唇がゆっくりと...僕の唇に触れた...5秒間...
それから彼女はゆっくりと僕を離した...彼女の顔は真っ赤だった...
「サちゃん......」
僕は彼女を抱きしめ、再び情熱的にキスをした...
サちゃんは僕のシャツをぎゅっと掴んだ...僕より背の低い彼女は、ゆっくりとダイニングテーブルまで歩いて行き、腰を下ろした...
「アキくん......」
彼女は僕の顔を見つめ...そして優しく僕の首筋を噛んだ...
「うっ......」
彼女はもっと強く噛んだ...もっと強く...そしてまた僕の顔を見つめた...
「ずっと前からこうしたかったんだ......」
僕の唇から血が滲み出て、彼女の唇にも移った...だから僕は再び彼女にキスをした...
彼女の唇、舌、唾液、そして血が混じり合った...
「もし君が20歳だったら、とっくに君の処女を奪っていたのに......」
「ふふ......未成年を奪わないでね、私の愛しい彼氏さん~♡」
僕はますます挑発されて、彼女の首筋にキスを重ねた...
そして、強く吸い付いた...
「あぁ~~♡」
「君...」
すると、サジャンが私の耳元で囁いた...優しく...そして力強く...
「ふふ...私たちのキスマーク...だから...」
彼女は顔を私の方に近づけた。
「他の誰とも行かないでね?...私の愛しい彼氏~~♡」
「絶対に...」
私はそう断言した。今日のサジャンの様子がなぜか変だった...
「今日はすごくセクシーだよ...」
彼女の首筋に顔をうずめると、彼女は僕のシャツをさらに強く握りしめた...
「たぶん、ずっとアキくんのことばかり考えてたから...」
そして彼女は僕に囁いた...もう我慢できなくなりそうだった...
「もう...アキくんとエッチすることしか考えられない...」
「君は...今まで...自慰したことある?...」
彼女は少し間を置いて...小さく頷いた...
「あるわ。アキくんと付き合い始めてから...3回...した...」
僕は彼女をテーブルに押し倒した...彼女は僕に微笑みかけた...
しかし...
「待って...サちゃん...今日は何曜日...?」
彼女は立ち上がり...キッチンのカレンダーを確認した...
「今日は11月14日...どうして?」
やっぱり...危なかった...父さんみたいに小児性愛者になるところだった...
「今日は君の排卵日だよ...」
「あ...」
サちゃんの顔は真っ赤になり...慌てて両手で顔を覆った...
危なかった...逮捕されるところだった...
お互いの目を見ることができず...いつものように彼女の頬にキスをして、キッチンを出た...
「...」
みんなの視線が私たちに注がれていた...美冬は肩をすくめてテレビを見始めた...
その視線...すぐに分かった。みんなが「あぁ、なんておバカなカップル...」って言ってるのだと。
「じゃあ、先にシャワー浴びてくるね...」
「うん...」
こうして私たちは別れた...
くそ...あと3年...3年...
シャワーを終えて...それから彼らと一緒に映画を見始めた...