青山アキト 第4話
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今日は僕と双葉が楽しくゲームで遊べるはずの日だった
でもそれは、僕が代わりに病院で彼女と一緒にいることになる日に変わってしまった
伯父さんは急いで僕らを病院に連れて行った....でも僕が一番ショックを受けたのは、双葉がずっと毎月病院で手術を受けていたことだった
彼女が月に二、三日休むことは知っていた....でもいつも「急用がある」と言っていた
僕と伯父さん、伯母さんは手術室の前で座って待っていた......
しばらくして医者が出てきた、だから僕らは医者のところへ歩いて行って、彼女が本当は何の病気なのか聞いた
「このお子さんは生まれつき右目に目の病気を抱えていましてね 彼女はずっと人工角膜の手術を受け続ける必要があるんです この病気は四百万人に一人が罹る病気なんですよ」
誰が思うだろう、彼女がこんな恐ろしい病気と闘っていたなんて
「目の....病気?」
僕は今初めて知った、彼女が実は目の病気を患っていて、長い時間をかけて視界がだんだんぼやけていくこと、そしてこの病気は継続的な治療が必要で、医者でさえ「失明した方がまだましだ」と勧めるほどのものだということを
人工角膜の交換手術の費用も少なくない....大富豪クラスの人間でなければこんな費用を払えないだろう
「それで...もし彼女が治療を受けなかったら?」
僕は自分から医者に歩み寄って聞いた、拳を強く握りしめながら
「右目の視力を一生失うことになります.....でも心配しないでください 新しい角膜に移植する手術を受ければ、元通り見えるようになりますから」
僕なんて...目に風が直接当たっただけで死ぬほど痛いのに.....なのにあの子は...
「それじゃあ痛みを先延ばしにしているだけじゃないですか」
「その通りです....でもこの病気は完治させるのに非常に長い時間がかかります 記録に残っているケースでは、完治するまで二十年かかった人もいます」
それって....それほど長い間痛みに耐え続けなければいけないということじゃないか
「先生」
「何でしょう?」
「目の手術って....痛いですか?」
僕は子供らしい質問をした、伯父さんや伯母さん、医者がどう思ったかは分からない....でも僕はただ知りたかった
「痛いですよ......麻酔を打ってもね」
なぜ痛みがあるんだろう
普通の医者なら「痛くないよ」と言うだろう、でもこの医者は正直に言うことを選んだ
「でも君のお友達はきっと大丈夫ですよ」
目の手術がどれほど痛いか....僕には知る術がなかった
でも彼女の代わりに痛みを感じずにはいられなかった....家族以外誰も知らなかった痛みに彼女が立ち向かわなければならないことを見るのが辛かった
「先生、妹はどんな様子ですか!?」
聞き覚えのある声が廊下中に響いた、病院で大声を出してはいけないことは分かっていたはずなのに、この子はもう規則なんて全く気にしていなかった
ミスさんとアオイちゃんだった
「現在手術は無事終わりました.....ただ....」
医者が言い終わる前に、ミスさんはすぐに部屋の中へ走って入って行った
「双葉!!」
「お姉様ったら......病院で大きな声出さないでください」
彼女は部屋の真ん中で堂々と座っていた.....ちょうど病室を移る準備をしているところだった
「よかった」
ミスさんは双葉に駆け寄って抱きつきそうになったが、幸いそうはしなかった
その後彼女はすぐに個室へ移された......きっとミスさんが手配したんだろう
「ごめんねアキトくん.....今日はもう一緒にゲームできなくなっちゃった」
僕は彼女の隣に座った....彼女は今、ぼんやりした様子で....右目に包帯が巻かれていた....
手術を受けたばかりだというのに...彼女はそれでも僕に微笑みかけてきた
「お父様は?」
彼女は悲しげな眼差しで双子の姉に尋ねた
「お父様はお仕事で....でも必ずお見舞いに来るって約束してくれたわ...」
姉は妹を励ました...双葉の家に行ったことはなかったけど...彼女の父親はきっと子供に関心のない父親なんだろうと僕には分かった
もしそうだとしたら.....彼女は僕とそんなに変わらないのかもしれない
今、伯父さんと伯母さんには先に帰ってもらった....僕は帰る前に彼女をお見舞いしたかったから一緒に帰らなかった
「どうして....僕に話してくれなかったの?」
僕は震える声で聞いた.....部屋にいた全員が黙り込んだ
「ただあなたに....余計な心配をかけたくなかっただけだよ」
彼女は口を開いた
「でも僕は君の友達だよ」
「分かって....友達だって分かってるけど......私の病気はすごく重くて...もしあなたが知ったら....きっと私のことで悩みすぎちゃうから......」
彼女は震える声で言った
「..........僕は....君のことをもっと理解したいんだ」
「え?」
「幼稚園の頃から君を見てきて...一度でいいから君のことを理解してみたいとずっと思ってた、だから...一度友達になってみたかったんだ」
子供じみた考え、子供じみた言葉
「.......ありがとう」
ガラッ.....病室のドアが開いて、すぐにスーツを着て眼鏡をかけた落ち着いた雰囲気のビジネスマン風の男性が、年配の執事と先ほどの医者と一緒に部屋に入ってきた
「お父様....」
この人が....双葉とミスさんのお父さんだった
「タダシ様!? お仕事は......」
アオイは父親が仕事中だと聞いていたから慌てた....来てくれることは分かっていたけど、こんなに早く来るとは思っていなかった
「治療費を払いに来ただけだよ...心配しなくていい...すぐに戻るから」
日本人の中には仕事を家族より大事にする人がいることは知っていた....でも僕の家はそうじゃなかったから、こういうのを初めて見て少し驚いた
「....そうですか....それでどうしてお医者様もここにいらっしゃるんですか」
「娘に、目の治療をやめることを伝えるためだよ」
「え?」
全員が黙り込んだ...特にミスさんが
「父さんはよく考えた...お前の目の症状は近いうちに治る見込みがない...毎月こんな風に人工角膜の交換手術を受け続けても、どこにも辿り着けないだろう だから...失明するなら失明するでそれでいいと思ったんだ」
「お父様!!」
ミスさんは止めようとした....でも父親の表情を見て、すぐに黙ってしまった
「お前は....どうしたい」
双葉の父親は彼女に向き直って聞いた....
「...........分かりました」
「でも!」
「お姉様....お父様がそう仰るなら、それは良いことなんじゃないでしょうか」
「..............」
「片目が見えなくなったってどうってことないですよね?」
彼女はまた微笑んだ.....僕にはその笑顔が、嬉しそうな笑顔なのか、それとも悲しげな笑顔なのか、全く分からなかった
「でも....治療を続ければ治る可能性もあるんじゃないですか?」
僕は口を開いた
双葉の父親は僕の方を見た.......しばらく僕をじっと見つめていた
「君は...青山くんだったな」
「はい...青山アキトです」
「ふむ......そういうことか....さすがエイイチロウの息子だな」
父を知っているの?........まあでも、青山家も古い家柄だから、ただ伯父さんと伯母さんが一族と関わりたくなくて、あの家で別に暮らしているだけで...皿屋敷家が知っていても不思議じゃない、同じ大きな家柄同士だから
「どうして双葉の治療をやめさせるんですか?」
僕は率直に聞いた、でもその声色は全然率直なんかじゃなかった
「治療費が高すぎるんだよ...いくら金があっても、こんなに長い時間がかかる病気の治療に使うのは割に合わないんでね」
割に合わない...何だそれ.....
彼女を手術の苦しみから解放してあげたいと言うなら分かる、でも割に合わないだなんて
それが親が子供に言う言葉なのか?
でも僕には何もできなかった....ただ双葉の父親の顔を見つめることしかできなかった
「大丈夫だよアキトくん、私は生きていける...片目だけでも」
それを聞いた瞬間....僕は走った...ずっと走り続けた....ただ無我夢中で走った
僕は怒っていた.....双葉の父親に、あんなことを言った彼に
同時に...自分自身にも腹が立っていた、何もできなかった自分に
彼女は僕の友達だ
僕が知っている数多くの友達の中で唯一の親友だ
でも僕は彼女を助けられなかった
僕はただの卑怯でずる賢い人間だ、精一杯助けるふりをして、結局は何でもできると自分を欺いているだけの
でも.....でも
僕は走り続けた...走り続けた
持っていたお金を全部握りしめて、コスプレ用品の店へ走った
僕は何かしなきゃいけなかった....たとえわずかなことでも、彼女を助けたかった
そして僕は病院へ走って戻った
「アキトくん.....」
みんなはもう帰っていた...面会時間があと二十分で終わるから
「双葉.......僕......これを君にあげたくて」
僕は彼女にコスプレ用のアイパッチを差し出した.......最初彼女は戸惑っていたけど、それでも素直に受け取ってくれた
彼女はゆっくりと慎重に包帯を外した、それから僕が買ったアイパッチをつけた
「どう?」
「可愛い.......すごく似合ってるよ」
彼女は微笑んだ....今度は僕にもすぐに分かった、それが喜びの笑顔だということが
「ありがとう....アキトくん」
「うん....僕は君の友達だから...助け合うのは当然だよ......」
「本当にありがとう.....本当にありがとう.....あなたは私の人生で一番の親友だよ」
彼女は僕の手を握りながらお礼を言った、涙が頬を伝い始めた......僕も同じだった
あの時から.....彼女の症状は確かに悪化していった...でも僕が彼女から受け取る感情はどんどん良くなっていった
彼女はもっと笑うようになった、もっと明るくなった
彼女は生まれつきの病気を無視することを選んだ......そして皿屋敷双葉として生き続けた
素晴らしい....本当に素晴らしいことだ