ホーム不条識な狼の理(下)♗76
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 キアラの調査と考察の内容はこうだった。
 まず、この世界を創った、二場三命と佐竹羨望の二人が、本来はこの3.5次元世界を、人間を概念に進化させる為の研究で魂を測定するというという理由で創ったのだが。
 実際は佐竹が、悪趣味を露呈させ、人外つまりは異形(しかも主に女の子)を作り出し、それを観察し、この世界を繁栄させていく。そんな構造になっていた。
 さらに、こっちの世界にいる複数いる佐竹は全て情報を共有した分裂した魂で、本体はあたし達が元いた3次元現実世界でまだ普通に存命の可能性がある。3次元現実世界での佐竹が自由に動けるからこそ、こちらへのテコ入れも出来る。(または動ける程の肉体を持っていなくても、人や機械を使って干渉するという場合も含む。)
 つまりは歩たちEOAに至ってはこの世界に技術をもたらす為に、敢えて狙って招待したのではないかと。まあこれは状況証拠だけの仮定らしいが。
 ここまでだいぶヒカミの予想と被っていたけど、ヒカミは特に何も言及しなかった。答え合わせが合っていだけだろうし、あたしとしても先日の難しい話の復習と整理が出来て助かったというのが本音。
 応用編がここかの二場の話。
 本来の目的と逸れてしまっては、二場も黙ってはいない。なのに、二場は干渉してこない。それはつまり、干渉して来ないではなく、干渉出来ないのでは?そこから考えるに、二場は佐竹に諮られて、この世界の管理人として、この世界に千年以上捕らわれている可能性がある。
「佐竹本人又は、佐竹の駒が3次元現実世界で動いている可能性。この可能性に辿りつけた最大の理由がオチアイクレハの存在です。」
『二場三命の一人娘......キアラは知っていたの?』
 ここでやっと、歩が残した最後の答え合わせが始まる気がした。
「落合呉羽さんの事は知っていました。ただ、二場さんの娘というのは、京香さんから聞きました。歩さんからの最後の伝言だと。もしかしたらわたしと会った時点で歩さんは伝えたかったと思うのですが......落合さんの名前がロックを解除するコードだったので言えなかったのでしょう。だから、最後の答え合わせとして託した。」
 じゃあ一体、キアラと落合呉羽との関係は一体?
「わたしが落合さんと会ったのは、元の世界です。例の本【アダムとイヴ】の上巻を読んで、下巻を執筆する前にどうしても渡したいものがあるって、落合さんの方から連絡をくれました。
 今思えば、引っかかる所が沢山あります。同人界隈で合う人にいきなり本名を名乗りますか?彼女は最初から本名を名乗りました。見透かすように、〈キアラさんはきっと人に言えない罪のような隠し事があるタイプ〉だとか、初対面の人に言いますかね?〈自分を生き物に例えると何だと思う?〉喋る内容が独特なんですよ。
 その時に、なんとなく思ったんですよ。実際二場さんと会話したらこんな感じになるのかな?
 多分あの日は一時間ぐらい喋っていたと思います。それで、別れ際に謎の紙を貰ったんですよ。現実世界に現存する最後の一通って。何が?と聞いても、もうペーパーレスのご時世だしねーとはぐらかされました。
 絶対に家に帰ってから開くようにと。可能なら、外に出れる準備をした状態で、ベッドに横になった状態が理想。開く前に共同執筆者にも同じように準備をしてもらうとなお良いって。」
 それはつまり、
「歩たちが佐竹側の都合の招待で、キアラさんとシキさんは二場側の都合で呼ばれたという事か?」
 あたしの代わりにヒカミが聞いてくれた。
「二場さんの都合というには語弊があります。正しくは落合さんの都合ですかね。
 この世界、比較的若い人じゃないと通れない設計なのを覚えていますか?魂があまり反応しないからって。落合さんはその条件で通れないんですよ。独特の灰色の長髪で、目の色素も黄色っぽい人だから最近の整形世代の人かなって思っていたら、初期の脳戦に検体で参加した事があるって言っていたので。多分それって30年くらい前の話なんですよ。だから50歳ぐらい?そう仮定すれば、今の落合さんは3.5次元の世界に来ることは出来ません。」
「つまりそれは、現実世界で動かない二場の肉体だけを前にどうして良いか分からない娘、呉羽さんが母親を助け出す可能性があるキアラに招待状を託したって事か?」
「綺麗な話し方をすると多分そうなんですけど......これは、わたしの因果と対価もありますよ。これ以上はプライバシーに関わる話になるのと、今の議題と関係ないので省略しますが、落合さんには相当酷い事を言われたので。だからこそ、あの人が二場さんの娘だったと言われれば全部納得します。勘が鋭ければ最初から分かったのでしょうが、まさか二場さんに子供がいるというのが予想外だったので。」
 キアラはプライバシーに関わるから言わないって言うけど、目隠し首絞めプレイしたり、虫食べたりする人がこれ以上言いたくない事って、あたしには想像が全くつかない。聞く雰囲気でもないから聞かないでおくけど、それを初対面で言うのが二場三命の娘という事か。
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 キアラの調査と考察の内容はこうだった。
 まず、この世界を創った、二場三命と佐竹羨望の二人が、本来はこの3.5次元世界を、人間を概念に進化させる為の研究で魂を測定するというという理由で創ったのだが。
 実際は佐竹が、悪趣味を露呈させ、人外つまりは異形(しかも主に女の子)を作り出し、それを観察し、この世界を繁栄させていく。そんな構造になっていた。
 さらに、こっちの世界にいる複数いる佐竹は全て情報を共有した分裂した魂で、本体はあたし達が元いた3次元現実世界でまだ普通に存命の可能性がある。3次元現実世界での佐竹が自由に動けるからこそ、こちらへのテコ入れも出来る。(または動ける程の肉体を持っていなくても、人や機械を使って干渉するという場合も含む。)
 つまりは歩たちEOAに至ってはこの世界に技術をもたらす為に、敢えて狙って招待したのではないかと。まあこれは状況証拠だけの仮定らしいが。
 ここまでだいぶヒカミの予想と被っていたけど、ヒカミは特に何も言及しなかった。答え合わせが合っていだけだろうし、あたしとしても先日の難しい話の復習と整理が出来て助かったというのが本音。
 応用編がここかの二場の話。
 本来の目的と逸れてしまっては、二場も黙ってはいない。なのに、二場は干渉してこない。それはつまり、干渉して来ないではなく、干渉出来ないのでは?そこから考えるに、二場は佐竹に諮られて、この世界の管理人として、この世界に千年以上捕らわれている可能性がある。
「佐竹本人又は、佐竹の駒が3次元現実世界で動いている可能性。この可能性に辿りつけた最大の理由がオチアイクレハの存在です。」
『二場三命の一人娘......キアラは知っていたの?』
 ここでやっと、歩が残した最後の答え合わせが始まる気がした。
「落合呉羽さんの事は知っていました。ただ、二場さんの娘というのは、京香さんから聞きました。歩さんからの最後の伝言だと。もしかしたらわたしと会った時点で歩さんは伝えたかったと思うのですが......落合さんの名前がロックを解除するコードだったので言えなかったのでしょう。だから、最後の答え合わせとして託した。」
 じゃあ一体、キアラと落合呉羽との関係は一体?
「わたしが落合さんと会ったのは、元の世界です。例の本【アダムとイヴ】の上巻を読んで、下巻を執筆する前にどうしても渡したいものがあるって、落合さんの方から連絡をくれました。
 今思えば、引っかかる所が沢山あります。同人界隈で合う人にいきなり本名を名乗りますか?彼女は最初から本名を名乗りました。見透かすように、〈キアラさんはきっと人に言えない罪のような隠し事があるタイプ〉だとか、初対面の人に言いますかね?〈自分を生き物に例えると何だと思う?〉喋る内容が独特なんですよ。
 その時に、なんとなく思ったんですよ。実際二場さんと会話したらこんな感じになるのかな?
 多分あの日は一時間ぐらい喋っていたと思います。それで、別れ際に謎の紙を貰ったんですよ。現実世界に現存する最後の一通って。何が?と聞いても、もうペーパーレスのご時世だしねーとはぐらかされました。
 絶対に家に帰ってから開くようにと。可能なら、外に出れる準備をした状態で、ベッドに横になった状態が理想。開く前に共同執筆者にも同じように準備をしてもらうとなお良いって。」
 それはつまり、
「歩たちが佐竹側の都合の招待で、キアラさんとシキさんは二場側の都合で呼ばれたという事か?」
 あたしの代わりにヒカミが聞いてくれた。
「二場さんの都合というには語弊があります。正しくは落合さんの都合ですかね。
 この世界、比較的若い人じゃないと通れない設計なのを覚えていますか?魂があまり反応しないからって。落合さんはその条件で通れないんですよ。独特の灰色の長髪で、目の色素も黄色っぽい人だから最近の整形世代の人かなって思っていたら、初期の脳戦に検体で参加した事があるって言っていたので。多分それって30年くらい前の話なんですよ。だから50歳ぐらい?そう仮定すれば、今の落合さんは3.5次元の世界に来ることは出来ません。」
「つまりそれは、現実世界で動かない二場の肉体だけを前にどうして良いか分からない娘、呉羽さんが母親を助け出す可能性があるキアラに招待状を託したって事か?」
「綺麗な話し方をすると多分そうなんですけど......これは、わたしの因果と対価もありますよ。これ以上はプライバシーに関わる話になるのと、今の議題と関係ないので省略しますが、落合さんには相当酷い事を言われたので。だからこそ、あの人が二場さんの娘だったと言われれば全部納得します。勘が鋭ければ最初から分かったのでしょうが、まさか二場さんに子供がいるというのが予想外だったので。」
 キアラはプライバシーに関わるから言わないって言うけど、目隠し首絞めプレイしたり、虫食べたりする人がこれ以上言いたくない事って、あたしには想像が全くつかない。聞く雰囲気でもないから聞かないでおくけど、それを初対面で言うのが二場三命の娘という事か。
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