ホーム不条識な狼の理(下)♗52
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 ノア教の言う断罪の雨。
 EOAが掴んだノア教連中の計画は教団員自ら雨を降らせる、いや降らせ続けるという計画だ。それも聖書のノアの箱舟の話のように陸が無くなるまで雨を降らせ続けるという。
 そんな事が可能なのかと言うと、ノア教が秘密裏に開発した雨雲を製造する機械というので可能らしい。その機械の場所はもうEOAで掴んであるから、歩を筆頭にあたしとヒカミとハクスイの計四人で壊しに行くというのが今回のEOAのノア教に対抗した計画である。
 勿論、あたしらの事は歩のご指名だ。本当は歩自ら説明する予定だったが、緊急でキアラに会いに行っている関係上、貴志さんが代わりに説明し、今日中に歩が戻り次第、奴らの雨雲マシンの所へ向かうと。
 ハチャメチャな計画だとは思ったけど、とにかく雨が降り始まった以上、もう時は一刻を争うみたいで、あたしたちは食後のお茶を済ませるとすぐに準備に取り掛かった。歩の帰宅と同時に直ぐにその機械が隠されている山へと向かった。どうやら夕方までに着かないと色々計画が狂うらしい。

 ◆

 こんな大雨の中を、単車で二人乗りするどころか、三人乗りするというのは初めてだった。
 二台の大きい単車に、歩の部下が二台とも運転し、一台は、あたしと歩が乗るチーム。もう一台はハクスイとヒカミが乗るチーム。
 あれよね。完全に体重で分けたってやつ。
 全然どうでも良い話だけど、診療所であるのを良い事に体重と身長を測ってみた。あたしは160センチだった。165センチだった筈なのに、この骨格の所為で縮んでいる。ヒカミは150センチ40キロという本当に子供のような数字が出た。
 対し、歩は170ぐらいだから、普通よりは大きめで、ハクスイは182とまあ、デカくて邪魔なだけある。
 ちなみに体重を聞くと、リアルにヒカミの倍近くあるから、痩せるって宣言していたけど、ハクスイの場合ほぼ筋肉だからそんなに簡単に痩らせれないような気がする。

 単車で30分ほど山道を登り、辿りついたのは、山林の中の洞窟の入り口であった。
 標高が下がる形状らしく、洞窟の中には雨水が入り込んでいる。
 洞窟へ流れる雨水を見つめながら、歩が作戦の続きを説明してくれた。
「ここの奥に、奴らの雨雲製造機がある。と言っても中にうじゃうじゃ見張りがいるわけではないようだ。あの機械は誰にも止められないと相当な自信作らしく、どうやら入り口の見張りだけでだけで、機械中心部は無人じゃないかとまで想定されている。」
「おいおい。そんなんで大丈夫なんか?機械なのにこんなに雨水も侵入しているみたいだしよ。」
 とヒカミの的確な質問。
「これは仮定にしか過ぎないが、現場に人を配置できない程度にこれしか方法が無かったというのが本音らしい。
 洞窟地下の機械でナンチャラする事によって、そこから出た物質が、隣の火山にまで流れて、その火山経由で空にナンチャラが届いて雨雲を無限に作るらしい。
 火山のルート上、この洞窟の地下を使うしかなかった。
 しかし、この洞窟の最深部だと、行きはいけても、帰りは行きのルートでは帰って来られない。」
「どういうことだ?」
「結構降りるんだよ。登って来られない程度に。」
「待てよ。だとしたら、おれたちはどうやって脱出するんだ?」
「そこは調べてある。ここから結構進んだ海岸沿いに、ここに繋がっている洞窟があるんだ。
 こんな夕方にここに着いたのもそのせいだ。夜中に、干潮になる予定だから、その時間なら、安全に海岸沿いの洞窟に出れる。満潮の時間だと、この雨もあるから、万が一で出口も洞窟も海に沈む可能性があるからな。」
「それだけは本当に勘弁してほしいな。海底洞窟なんて想像しただけで死ぬ。とっととぶっ壊して、干潮のうちに脱出しようぜ。」
 そうか、歩はヒカミの水苦手設定を一年前の迷路外の川の時にしか知らない。水が入っていく洞窟に入るなんて、ヒカミにとってストレスなのではとヒカミを見ると、予想外にもハクスイと一緒に早速洞窟の方に歩き出した。
 歩は送ってくれた、部下の方を向いて。
「それじゃあ、向こうの海岸洞窟で、アタイの親友たちを頼んだよ。」
 二人の部下たちは、背筋を伸ばして、歩の事を見ている。
「姉御。世話になりました。」
「おいおい。まるでアタイが死ぬみたいじゃないか。よせよ大事な仲間の前で縁起でもない。あとは頼んだぜ。」
 そう言って、歩は二人の肩を叩いた。

 なんだろう。この違和感。
 親友たちを頼んだよってまるで歩は途中で離脱するような言い回しだし、この部下二人も。

 今の歩と部下の会話はあたししか聞いてなかった。
 ヒカミとハクスイは雨を避けるように、洞窟の入り口に辿りつき、ハクスイに至っては、煙草に火をつけていた。
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不条識な狼の理(下)作者:駿河鵬命
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 ノア教の言う断罪の雨。
 EOAが掴んだノア教連中の計画は教団員自ら雨を降らせる、いや降らせ続けるという計画だ。それも聖書のノアの箱舟の話のように陸が無くなるまで雨を降らせ続けるという。
 そんな事が可能なのかと言うと、ノア教が秘密裏に開発した雨雲を製造する機械というので可能らしい。その機械の場所はもうEOAで掴んであるから、歩を筆頭にあたしとヒカミとハクスイの計四人で壊しに行くというのが今回のEOAのノア教に対抗した計画である。
 勿論、あたしらの事は歩のご指名だ。本当は歩自ら説明する予定だったが、緊急でキアラに会いに行っている関係上、貴志さんが代わりに説明し、今日中に歩が戻り次第、奴らの雨雲マシンの所へ向かうと。
 ハチャメチャな計画だとは思ったけど、とにかく雨が降り始まった以上、もう時は一刻を争うみたいで、あたしたちは食後のお茶を済ませるとすぐに準備に取り掛かった。歩の帰宅と同時に直ぐにその機械が隠されている山へと向かった。どうやら夕方までに着かないと色々計画が狂うらしい。

 ◆

 こんな大雨の中を、単車で二人乗りするどころか、三人乗りするというのは初めてだった。
 二台の大きい単車に、歩の部下が二台とも運転し、一台は、あたしと歩が乗るチーム。もう一台はハクスイとヒカミが乗るチーム。
 あれよね。完全に体重で分けたってやつ。
 全然どうでも良い話だけど、診療所であるのを良い事に体重と身長を測ってみた。あたしは160センチだった。165センチだった筈なのに、この骨格の所為で縮んでいる。ヒカミは150センチ40キロという本当に子供のような数字が出た。
 対し、歩は170ぐらいだから、普通よりは大きめで、ハクスイは182とまあ、デカくて邪魔なだけある。
 ちなみに体重を聞くと、リアルにヒカミの倍近くあるから、痩せるって宣言していたけど、ハクスイの場合ほぼ筋肉だからそんなに簡単に痩らせれないような気がする。

 単車で30分ほど山道を登り、辿りついたのは、山林の中の洞窟の入り口であった。
 標高が下がる形状らしく、洞窟の中には雨水が入り込んでいる。
 洞窟へ流れる雨水を見つめながら、歩が作戦の続きを説明してくれた。
「ここの奥に、奴らの雨雲製造機がある。と言っても中にうじゃうじゃ見張りがいるわけではないようだ。あの機械は誰にも止められないと相当な自信作らしく、どうやら入り口の見張りだけでだけで、機械中心部は無人じゃないかとまで想定されている。」
「おいおい。そんなんで大丈夫なんか?機械なのにこんなに雨水も侵入しているみたいだしよ。」
 とヒカミの的確な質問。
「これは仮定にしか過ぎないが、現場に人を配置できない程度にこれしか方法が無かったというのが本音らしい。
 洞窟地下の機械でナンチャラする事によって、そこから出た物質が、隣の火山にまで流れて、その火山経由で空にナンチャラが届いて雨雲を無限に作るらしい。
 火山のルート上、この洞窟の地下を使うしかなかった。
 しかし、この洞窟の最深部だと、行きはいけても、帰りは行きのルートでは帰って来られない。」
「どういうことだ?」
「結構降りるんだよ。登って来られない程度に。」
「待てよ。だとしたら、おれたちはどうやって脱出するんだ?」
「そこは調べてある。ここから結構進んだ海岸沿いに、ここに繋がっている洞窟があるんだ。
 こんな夕方にここに着いたのもそのせいだ。夜中に、干潮になる予定だから、その時間なら、安全に海岸沿いの洞窟に出れる。満潮の時間だと、この雨もあるから、万が一で出口も洞窟も海に沈む可能性があるからな。」
「それだけは本当に勘弁してほしいな。海底洞窟なんて想像しただけで死ぬ。とっととぶっ壊して、干潮のうちに脱出しようぜ。」
 そうか、歩はヒカミの水苦手設定を一年前の迷路外の川の時にしか知らない。水が入っていく洞窟に入るなんて、ヒカミにとってストレスなのではとヒカミを見ると、予想外にもハクスイと一緒に早速洞窟の方に歩き出した。
 歩は送ってくれた、部下の方を向いて。
「それじゃあ、向こうの海岸洞窟で、アタイの親友たちを頼んだよ。」
 二人の部下たちは、背筋を伸ばして、歩の事を見ている。
「姉御。世話になりました。」
「おいおい。まるでアタイが死ぬみたいじゃないか。よせよ大事な仲間の前で縁起でもない。あとは頼んだぜ。」
 そう言って、歩は二人の肩を叩いた。

 なんだろう。この違和感。
 親友たちを頼んだよってまるで歩は途中で離脱するような言い回しだし、この部下二人も。

 今の歩と部下の会話はあたししか聞いてなかった。
 ヒカミとハクスイは雨を避けるように、洞窟の入り口に辿りつき、ハクスイに至っては、煙草に火をつけていた。
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