第33話 サマースクール〜イベント開始!
「水着女子のツレ」。海の家の入店条件も後押しして、男女の仲も深まるサマースクール。
そこに、アナウンスが響きます。
「この後、午後一時より、『聖リディア女学院生徒会』主催の『女子水鉄砲バトルロイヤル』を開催します。
優勝賞品は『特製北海道産メロンのフラッペ』四十人分チケットです。ぜひクラスで優勝を目指しましょう。多数の参加、お待ちしています。」
「聖リディア女学院生徒会」の腕章をつけた生徒が、女子に水鉄砲と紙タスキを手渡していきます。
女鹿蘭は、Tシャツと短パンのまま、空玲須を見ていました。空玲須の周りには、必歩流帝、出井亜寧羅、井尾玲。みんな水着です。
遠巻きにしている男子の羨望と嫉妬が女鹿蘭には見えるようでした。
「はあ...。」
ため息には、男子への呆れと、自分の自信のなさがまぜこぜになっています。
そんな女鹿蘭にも水鉄砲が手渡されます。水鉄炮を見つめます。
「女鹿蘭、がんばれよ。」
気がつくと、空玲須が隣に来ていました。 女鹿蘭は、思わず
「うん。」
と、答えました。
午後一時。いよいよ「女子水鉄砲バトルロイヤル」の開始時間です。アナウンスが鳴り響きます。
「ルールの説明です。
参加者は全員タスキを肩からかけてください。
相手のタスキを水鉄砲で落とします。
十五分間で、最後までタスキが残っている人が優勝です。
水鉄砲以外で水をかけることは反則とします。また、給水エリア内にいる選手への攻撃も反則とします。反則行為で落とされたタスキは、新しいものと交換いたしますので、『海の家』スタッフまでお知らせください。」
クラスの期待を背負う者。パートナーに勧められて参加する者。単にメロンフラッペに釣られた者...。
それぞれの想いを胸に、タスキをかけます。
そしてここに、他とはちょっと違う想いを持って参加する者が一人。
「わらわの実力、とくと見るがよいぞ。」
きゃー、ぎゃー!
ビーチに歓声が上がります。
初めは乗り気でなかった女子も、水をかけられたら反撃です。
タスキは意外と水に耐えます。一発二発では切れません。みんな、ムキになって水をかけ合い、もうびしょびしょです。
男子たちも大喜び!
パートナーが。意中の人が。推しが。
あんなに、楽しそうに!嬉しそうに!
そして、女鹿蘭がついに、Tシャツ、短パンを脱ぎました。
「ついに、三組のマドンナが水着に!」
男子たちの視線が一斉に注がれます。
シンプルな模様のトップス。露出少なめなボトムス。冒険しすぎない色とデザインが、逆に女鹿蘭らしい魅力を際立たせます。
「おおー!」
男子たちの嘆息の中、
「女鹿蘭、危ない!」
すかさず狙いに来た女子たちの水鉄砲。空玲須は、女鹿蘭を抱え上げて水鉄砲から守ります。驚いたあと、笑顔になる女鹿蘭。
空玲須の腕から降りて、反撃です!
「なるほど!」
男子たちは、自分たちの存在意義を見つけました。
「うおおぁー」
姫を(勝手に)守護するナイト(盾)たちの参戦です!
ビーチの戦いは、さらに激しさを増していきます...。