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第伍話 天宇受売命

進清は声を震わしながら「ちょ...ちょいと待ってつかぁさい」。
進清の手首に巻いていた金属が外れ、額に当たっていた100円玉もポトリと落ちる。
進清はトボトボと歩きバーから出る。
運転手が久美子に「大丈夫なんです? あのまんま警察とか行かれたら」。
久美子が呆れたように「見たやろ。あの髪、白髪が生えてはる。言うてもあの人、30代くらいやろ? 30代であんだけ白髪あったら、ストレスでまともに何もできへんやろ」。


数週間後......1982年5月19日。
6月6日の選挙に向けて、党の口約が書かれた新聞が発行される日。
ゴミ屋敷のような家で新聞を見る進清。
目を見開く進清の眼先には『自国民党、「日本異能人」の組織解体を正式表明』『浮いた資金を全額「子育て世代」の支援へ』。
日本異能人は正式には公務員扱いになる、日本異能人を解体し浮いた資金を全て子育て世代に配ると発表したのだ。
今は第2次ベビーブーマー世代が中心、日本異能人にかかっていた資金は莫大だ、その資金が全て配られるとなると当選は確実。
アパートから出ると外には記者が3人。
その一人がマイクを突き出し「ッチ、これだからテメぇは一生そのまんま歩いてろ! 力任せの神で済々うようよしとけ、オワコン」。
今までの態度とは違い、悪態をついたように言い放つ。

「...お前...」
進清は記者に向かって歩き......走り、「今、なんて言った!!」と拳を振り上げた。

夜の街中、進清の前には『スナック☆磐座』。
(あれから、何時間経ったんか、何をしたんか覚えとらん)
扉を開けると、バーカウンターでグラスを拭いている、あの......運転手が驚いた様な顔で見ている。
「擬神在月に入ります......入らせてつかぁさい......お願いします。」
運転手が棚の一番奥に近づき「久美子さ~ん! 来ました! あの......田島さんです。」
久美子が棚から通り抜けるように出てくる。
「ほんまに来はったん?」
進清を見た久美子は驚くが、すぐ元の顔に戻る。
「来てくれはったんやね~。嬉しいわ~」。
久美子が進清の手を引きながら「来ぃひんと思っとったわ~」。
そのまま奥の棚を通り抜ける。
和風なバー内、1回目に来た起きていた、久美子、運転手、見当たらない志那都を抜いた9人は寝ている。
久美子が奥の扉を開け「組長、来はりました」。
志那都が出てきて、バーカウンターの奥で寝ている金髪の男から椅子をはぎ取り、進清まで蹴り飛ばす。
「座られ」。
進清はすぐ座る。
志那都は奥の座布団に胡坐をかき「入るんか?」。
進清は覚悟を決めたように「入ります......」。
「よしっ、久美子、酒と杯、持ってこら」。
「はいはい」と久美子が酒の入った杯を進清の前に置く。
「やり方、分かるがけ?」
進清が首をかしげる。
「やり方ぁ?」
志那都がため息をつき「名前ぇ名乗ったら、わしも名乗っから、そのあと酒ぇ飲み干され」。
「じゃあまず、土下座せぇ!!」
進清はすぐに土下座する。
「え、あ、た、田島進清......」。
「志那都勇......はよ飲み干せや」。
進清が酒を飲み干したのを確認した志那都は立ち上がり、椅子をはぎ取られても寝ていた金髪の男の頭を「はよ起きら!!」ぶん殴った。
志那都は淡々と「田島、今からお前ぇ、死んだことにする」。
金髪の男も慌てて起き上がり「あ、はいはい、分かったっちゃ」。
片腕を前に出し、『天宇受売命』。
あとがき海中電灯
キャラクター設定 本名:志那都勇(しなとゆう) 年齢:64歳 生まれ:1918年5月14日富山生まれ 擬神人:志那都比古神(しなつひこのかみ) 身長:178㎝
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擬神人作者:海中電灯
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進清は声を震わしながら「ちょ...ちょいと待ってつかぁさい」。
進清の手首に巻いていた金属が外れ、額に当たっていた100円玉もポトリと落ちる。
進清はトボトボと歩きバーから出る。
運転手が久美子に「大丈夫なんです? あのまんま警察とか行かれたら」。
久美子が呆れたように「見たやろ。あの髪、白髪が生えてはる。言うてもあの人、30代くらいやろ? 30代であんだけ白髪あったら、ストレスでまともに何もできへんやろ」。


数週間後......1982年5月19日。
6月6日の選挙に向けて、党の口約が書かれた新聞が発行される日。
ゴミ屋敷のような家で新聞を見る進清。
目を見開く進清の眼先には『自国民党、「日本異能人」の組織解体を正式表明』『浮いた資金を全額「子育て世代」の支援へ』。
日本異能人は正式には公務員扱いになる、日本異能人を解体し浮いた資金を全て子育て世代に配ると発表したのだ。
今は第2次ベビーブーマー世代が中心、日本異能人にかかっていた資金は莫大だ、その資金が全て配られるとなると当選は確実。
アパートから出ると外には記者が3人。
その一人がマイクを突き出し「ッチ、これだからテメぇは一生そのまんま歩いてろ! 力任せの神で済々うようよしとけ、オワコン」。
今までの態度とは違い、悪態をついたように言い放つ。

「...お前...」
進清は記者に向かって歩き......走り、「今、なんて言った!!」と拳を振り上げた。

夜の街中、進清の前には『スナック☆磐座』。
(あれから、何時間経ったんか、何をしたんか覚えとらん)
扉を開けると、バーカウンターでグラスを拭いている、あの......運転手が驚いた様な顔で見ている。
「擬神在月に入ります......入らせてつかぁさい......お願いします。」
運転手が棚の一番奥に近づき「久美子さ~ん! 来ました! あの......田島さんです。」
久美子が棚から通り抜けるように出てくる。
「ほんまに来はったん?」
進清を見た久美子は驚くが、すぐ元の顔に戻る。
「来てくれはったんやね~。嬉しいわ~」。
久美子が進清の手を引きながら「来ぃひんと思っとったわ~」。
そのまま奥の棚を通り抜ける。
和風なバー内、1回目に来た起きていた、久美子、運転手、見当たらない志那都を抜いた9人は寝ている。
久美子が奥の扉を開け「組長、来はりました」。
志那都が出てきて、バーカウンターの奥で寝ている金髪の男から椅子をはぎ取り、進清まで蹴り飛ばす。
「座られ」。
進清はすぐ座る。
志那都は奥の座布団に胡坐をかき「入るんか?」。
進清は覚悟を決めたように「入ります......」。
「よしっ、久美子、酒と杯、持ってこら」。
「はいはい」と久美子が酒の入った杯を進清の前に置く。
「やり方、分かるがけ?」
進清が首をかしげる。
「やり方ぁ?」
志那都がため息をつき「名前ぇ名乗ったら、わしも名乗っから、そのあと酒ぇ飲み干され」。
「じゃあまず、土下座せぇ!!」
進清はすぐに土下座する。
「え、あ、た、田島進清......」。
「志那都勇......はよ飲み干せや」。
進清が酒を飲み干したのを確認した志那都は立ち上がり、椅子をはぎ取られても寝ていた金髪の男の頭を「はよ起きら!!」ぶん殴った。
志那都は淡々と「田島、今からお前ぇ、死んだことにする」。
金髪の男も慌てて起き上がり「あ、はいはい、分かったっちゃ」。
片腕を前に出し、『天宇受売命』。
あとがき海中電灯
キャラクター設定 本名:志那都勇(しなとゆう) 年齢:64歳 生まれ:1918年5月14日富山生まれ 擬神人:志那都比古神(しなつひこのかみ) 身長:178㎝
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