第六話 母との約束
その1
第六話 母との約束
「くさタイプの福島弥生じゃな。明るくてムードメーカーな彼女となら冒険の旅も楽しくなるじゃろ」
「お父さん、ポケ◯ンごっこ気に入ってるでしょ」
「大木戸博士と呼びなさい」
「あたし、ク◯ベル世代だし」
「今はそういう博士がいるのか?」
「博士っていうか、校長ね。ネモちゃんがカワイイの」
「ネモ? 武闘家か?」
「は?」
ネモが武闘家ってなんなのか分からないけど、くだらないごっこ遊びをしているようでもこれはれっきとした仕事の話。要するに私は出版社でライターの仕事を任されるということだ。文章を書くのは好きなのでその仕事はすごく嬉しい。
それはそうと、福島弥生がなぜ草タイプなのかは全くわからない。ヤドリギのタネでも持っているのか?
「それは、二つ名が『不動の弥生』だから不動って言えば山。山は草かなって」
「なら岩タイプかもしんないじゃん」
「うっ、たしかに」
ふくしまやよい
タイプ くさ いわ
「えっ、私は? 私は何タイプ?」
「アオは『格闘』に決まってるだろ。合気道黒帯なんだから」
「......そだね。でもなんか可愛くないなー」
「ジャンプ力もあるから『ひこう』もつけるか?」
ジャンプって飛行してるとは言えなくないか? ジャンプは跳躍だろう。せめてムササビみたいに滑空するならまだしもと私は思ったが、まあいいや。
なつのあおぞら
タイプ かくとう ひこう
「お兄ちゃんは『エスパー』と『ゴースト』かな。人の考え読んでくるし、すぐいなくなるから!」
「ハハハ! 間違いない。今もいないしな!」
笑い事ではないが。
もうほんとに、ちゃんと生きてんのかな。ゴーストタイプだからって幽霊になっちゃいましたとかは無しで頼むよ。
なつのよかぜ
タイプ エスパー ゴースト
「まあ、そういうわけだからそのつもりで準備しておくようにな。行き先は予算との兼ね合いもあるからまだ未定だが、記事がどの程度読まれるかにもよる。つまり自分次第ってことだ。やり甲斐あるだろ?」
「ハハ......(やり甲斐あるだろ、とはまあ上手いことごまかしたわね)」
要するに予算は少ないから良いもの書けなきゃひどいことになるぞということだろう。ものは言いようだ。こりゃあ多分快適な旅にはならない予感がプンプンするぞ。
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月日は流れて私は学校を卒業。明日からは社会人だ。そして、当然のようにお兄ちゃんは行方不明続行中。いやもうこれ警察案件じゃん、まじで。行方不明者の捜索してもらったほうがいいって。そう、親に言ったら
「もうしてもらってるわよ。でも全然見つからないの。ねえ、アオちゃん。夜風は......生きてるよねえ......」
母の顔は笑っていませんでした。
「大丈夫、私が絶対探し出して連れてくるから。大丈夫だよ」
「うん......」
母にそう約束して私は旅に出た。絶対に元気な姿の兄を見つける! そう心に誓って。