あとがき
死神たちのおしごと。最後まで読んでいただきありがとうございます。
それぞれの作品の思い入れ、および補足(言い訳)みたいなのを語らせていただきます。
─シリーズ全体を通して─
シリーズの時系列は基本的に遡っており
わかるようにネタも仕込んでいるつもりですが、伝わりにくい部分もあるので一応全体の時系列を載せておきます。
古い順から
舟渡─(すんごい期間)─→悪魔→魔王─(10年くらい)─→天使→死神→舟渡ラスト→天使ラスト
といった風になります。
時系列的には天使のエピローグが最後になるので、ノドカを見守っている死神にミツルもいたりします。
さてこのシリーズ、元々は読み切りとして「死神のおしごと」を書き上げて終了していました。
ニコニコで活動するにあたって「この世界観でいくつか書けるな」と残りの作品を執筆したので
「死神」以降のお話は執筆がかなり後となります。
一応続きの執筆にあたって「死神」の手直しもしたのですが、後の作品と比べてもあまり自分の技術というか成長が見られないような......。
最終話の「舟渡」及び番外編に当たる「魔王」以外はそれぞれ一話完結として書いていますが
シリーズ全体の主人公として「イロハ」のお話にもなっています。
時系列が下がるほどに性格が悪くなっている(?)のは、「舟渡」でのあの発言が理由で“悪ぶっている”のですが、読んでて嫌われないとか心配ですね......。
まぁもしイロハが嫌われるのなら自分の彼女の魅力の伝え方が描写が足りない実力不足ですね。自分のキャラたちの魅力を伝えられるように精進します。
─死神のおしごと─
シリーズ一作目、ずいぶん昔に「終わらない鎮魂歌を歌おう(未乃タイキ)」というFLASH作品に感化されて書いた作品です。
該当作品はリメイク版もありますので、ご存じない方は是非ご覧になってください。
シリーズのテーマは「死」と「自己犠牲」ですが
この作品を書き始めた当時は「バッドエンドではない死」をテーマとして執筆を始めました。
時系列的には“天使”でトウヤが消えた直後(1~2週間後)になります。
開幕でイロハがグロッキーなのはトウヤが消えた事に落ち込んでいるからですね。
元ネタ(?)と違いラブストーリーなわけですが、正直ヒロインって柄じゃない(トウヤ談)なので、二人の恋愛感情を表現するのに四苦八苦。
特にミツルのキャラクター性の薄さを感じ、“舟渡”で補完する構想ができたのですが。
台風前に恋人になった二人のデートシーンなんかも予定にあったので、書いておくべきだったかなと。(デートシーンに関してはささら演劇部版で補完しました)
構想はほとんど最初決まった通りで「できるだけセリフを少なく」という目標もってトントンと書きあげられました。
後の作品の構想ができてもすでに書きあげた部分を拾ったので、ほとんど後の作品用に仕込んだ部分はなかったり(多分)
そして、「イロハを一人ぼっちにしないため自分の死の運命を受け入れたミツル」の行動が
このシリーズ全体のコンセプト「自己犠牲」のきっかけとなりました。
─天使のおしごと─
天使なのに美少女じゃない。いろんな意味でひねくれたお話。
“死神”を書きあげた後に「この世界観でまだ書けるな」と見切り発車で書き始めたせいで着地点が決まっていませんでした。
なにより活動的なミツルに対して病弱なノドカではシーンが病室に限られて話が転がらない転がせない。
すぐに行き詰まって長く筆が止まり、百人一首というキーを見つけて一気に書き上げました。
元々この百人一首、“天使”が進まないので“悪魔”のほうを書き始めたら、百人一首をやるシーンを入れまして。
「あ、これはノドカ殺すのに使えるな」(酷い)と、“天使”の方に使い、“悪魔”の方から削った経緯があります。
(ところで作中は「百人一首」と言っていますが、正確には「競技かるた」ですね。わかりやすさ重視ということで)
そんな見切り発車からのお話にしては、このシリーズで一番まとまってるんじゃないかなぁと思います。
“天使”のエンディングは次の“悪魔”のエンディングが大きく関わっているのでちょっとした補足です。
イロハ(姐さん)が使用した「魂振りの儀」は、イロハがチカが使ったものを見て覚えたものなのですが
コレはチカが使用した「魂振りの儀」同様に不完全です。
チカが「悪魔の魂」を使用して失敗したように、イロハは「天使の魂」を使ったので失敗したわけです。
儀式前のイロハの説明とエンディングの展開が一致しないのはこのためです。(イロハがこの失敗に気が付いたのは“死神”の後になります)
─悪魔のおしごと─
前作“天使”が見切り発車でえらく苦労したので、今度はしっかり着地点を決めました。
今度は構想まとまってるからすぐ書きあがるだろうと思ったらとんだ誤算。
思いの他お話が纏まらなくてメインの登場人物を一人減らし(本当はあと一人主要キャラがいました)、書きあげた分を半分近く削除。
新しいエンディングを構想するが、書いているうちに「死ぬ予定のキャラに愛着が湧いて殺せなくなる」。
エンディングを二転三転とさせ、ようやくあの展開に落ち着きました。
色々悩んだ末ですが、納得できていないところが多いというか、反省点の多いお話です。
文章量も他に比べて少し多いですしね......。
あと、とにかく、お話が重い。
チカをとびきり明るくしてバランスとりましたが、書いてる本人もチカの明るさにかなり助けられました。
お話し的にもチカのシーンでの落差で読みやすかったんじゃないかと思ってます。チカかわいいよチカ。
─魔王のおしごと─
番外編的なお話。
「時系列が前のお話に続いている」「主人公が自己犠牲に否定的」と、このシリーズの展開の真逆ということもあり。
前の三作品とかなり毛色の異なるお話となりました。(お話もイロハの登場が無くても成立するし)
元々書く予定はなく四部作で完結のつもりだったのですが、“悪魔”の筆が進まない頃に現実逃避気味に頭に湧いてきて構想が固まってしまい
世界観の補完になる、コメディ的なお話もはさみたい、と書くことにしました。
コメディ的な明るさとは裏腹に最後の方は主人公が相方に殺されるというショッキングなシーンがあったり
ナデシコが主人公なのに最後の〆はマオがメインになってたり、色々と纏まりのないお話になった感があります。
展開は当初の予定通りでしたが主人公のお嬢様口調の語りが難しくてちょっと手間取りました。が、前二作よりかははるかに速かったです。
せっかく魔王のお話を書いたのだから閻魔のお話も書こうかと思いましたが、そっちは結局構想が纏まりませんでした......。
─舟渡のおしごと─
これまでの登場人物、イロハ、ミツル、トウヤ、チカ再登場(?)による最終話。
番外的なお話だったので魔王組は出てきません。(この頃のマオはアイヌの神様やってます)
「シリーズ全体の主人公であるイロハ」のお話を完結するためのお話です。
“死神”を書きあげた直後の構想はチカ(風神)もトウヤ(水神)も出る予定はなく。
カラス(イロハ)、舟渡(ミツル)、奪衣婆の三人でしたが、“多生の縁”の事もあって再登場させました。(哀れ出番のなくなる奪衣婆)
イロハの前から消えた三人は閻魔の計らいでこっそり人間に転生しているのですが
転生後のケンタロウ・チカ・トウヤに会ったイロハはそれぞれが当人だと気づいていません
イロハがチカやトウヤに入れ込んでいるのも、寂しさから封じてしまった記憶の「懐かしさ」からくるものです。
急流の橋は残っていますが「いろは橋」の名も一緒に忘れてしまっています。
この辺、描写してなくて申し訳ない。
ところで「三途の川の由来」ですが、諸説あり断定されていません。
「3つの流れがある」他に「3つの渡り方がある」という説もあり
泳いで渡る・船で渡る・橋で渡る。の「橋で渡る」が舟渡の橋造りのアイディアになっておりまして、こっちの由来にもこっそり因んでいます。
この辺、作中で「いい伝えが変わった~」とかイロハが橋の名前を覚えてない事と合わせて言及しておけばよかったなぁと。
書き上げてからまだまだ思うところがありますね。
(書き直しが簡単にできるのですが、反省点としてこのままにしておきます)
あとがきは以上となりますが
このシリーズはニコニコにゆっくり朗読版
「死神のおしごと」はささら演劇部版の動画があります。
BGMによる演出でサウンドノベルのように楽しめると思うので、この作品が気に入った方はご覧になっていただければ嬉しいです。
文字では伝わらなかった感情の起伏、言葉のニュアンスなども、あるかもしれません。
(あと動画化に際して削った台詞・変更した台詞、などが多少あるので動画は原文と少し異なります)