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ep31 おみくじの結果は?

境内へ続く階段を上り終え、当夜は楽しそうに笑う。そして後ろから歩いてきた純にポカっと頭を叩かれた。

「来たぜ、月詠神社!」
「他にも人がいる! 大声で叫ぶな!」

 同じぐらいの大声で純が当夜に言う。その様子を翼はクスクスと笑いながら見ている。3人は朝食の後に待ち合わせをして、月詠神社まで来た。すでに当夜のテンションは高く、純は呆れた様に後をついて行っている。

「でも、本当に広いね。月詠神社」
「そうだな」

 そんな事を話しながら3人はまず本殿を参拝することにした。御手洗舎で手を清め、参道を進む。参道の両脇にある木々が風で揺れて心地いい。本殿までの鳥居を通ると空気が一変し神聖さすら感じる。
 普段口数の多い当夜も何かを感じ取ったのか静かに歩く。そして本殿に着くと賽銭を入れ、二礼二拍一礼。
 それぞれが参拝を終えると本殿の下の階段に集合する。

「御神籤でも引くか?」

 参拝が終わったからか、当夜はまた元気に提案して3人は並んで御神籤を引く。
 引き終えると同時に御神籤を開く。

「おっ、大吉だ」
「私は中吉だったな」

  純と翼が当夜を見ると明らかに落ち込んでいる。どうしたんだ? と2人とも後ろから当夜の御神籤を覗き込む。

 大凶。

 そこには大きくそう書かれている。

「待ち人、来ず。勉学、精進するも結果はつかず。失せ物、なかなか見つからず......」

 ぶつぶつと書かれている事を読み上げる。純と翼はそれぞれ左右から当夜の肩に手を置く。

「大丈夫だよ、結城君。大凶って事はこれから上がるしかないんだかさっ」
「そうだぞ、当夜。大凶なんてなかなか見ないから大吉よりもレアじゃないか」

 2人が慰めるも当夜は心ここに在らずだ。しばらく放心していたが、突如両手で自分の顔をパシッと叩く。

「うしっ、落ち込むのやめ。そもそも待ち人なんかいないし、勉強を頑張る気も最初からない! 失せ物はどうせ純が持ってる問題ない!」
「おい! 落ち込んでるのも気味が悪いけど、さらっと失せ物を俺に被せようとすんな!」

 いつも通りに戻った当夜と純の言い争いを翼はニコニコと見守る。そして一段落したら、純以外の2人が御神籤を括りに行く。

「さて、お参りして、御籤も引いた! これで探検できるな!」

 今日一番目を輝かせながら当夜は言う。純と翼は諦めた様に「そうだね」と呟くのだった。
 そして当夜を先頭に月詠神社の探検が始まった。



 ♢♢♢♢




 詩織が合流後に風見はもう一度自己紹介をし挨拶する。

「つくよちゃんと瑞稀君ね、改めてよろしくっす」
「風見さん、よろしくお願いします」

 それに対し、詩織も丁寧に頭を下げた。「礼儀正しいっすねー」と風見は笑う。
 そして、詩織の案内の元、月詠の巫女用に建てられた宮へと足を向けた。

 宮の中に入ると、奏は慣れた様子で簡易キッチンでお茶を入れ全員の前に置く。この宮は自然災害時に月詠の巫女がお役目ができる様に宿泊できる様になっている。365日月詠の巫女はお役目として毎日社にて祝詞をあげる事が決まっていた。

「それで、昨日は何があったんですか?」

 椅子に座りながら瑞稀が奏に聞く。奏は昨日特対部で聞いた話を共有した。2人は神妙な顔で聞いている。

「能力者による能力者の誘拐......で間違いないんですか」

 話を聞き、詩織はなんとも言えない顔で呟く。それに対して風見が補足する。

「一般人に紛れてる模範的な能力者のみのっす。中原さんが未遂現場に遭遇してるんで能力者が関わってるのはまず間違い無いっすね」
「何が目的か、この件に"サーカス"が関わっているのか......」

 4人は「うーん」とそれぞれ唸る。考えてもわからない。証拠がなかなか見つからないのが能力者関係の事件の厄介なところだ。

「そういえば、白い車を昨日見たって言ってましたよね?」
「そう、ここから1kmぐらい離れた場所でね。ちょうどゲームセンター近くの交差点の少し先ぐらいかな? ゲームセンターの方に走って行ったみたいなんだけど......」

 詩織の質問に奏は答える。そう、白い車と逃走方向は中原は覚えていた。白い車は吹雪に言われていたから、進行方向は自分が向かっている方向と逆だとしっかりと記憶に刻まれていたからだ。しかしそれ以外の記憶が朧げになっていると話していた。そこから認識阻害の能力者の関与が話に上がったのだ。

「ゲーセン横を通った白い車なら昨日見たぜ!」

 不意に4人以外の声がして扉が開く音がした。そこにはドヤ顔をして扉を開け放っている当夜と申し訳なさそうな純、いつも通りニコニコと笑う翼の3人がいた。
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ぱんどら ―治外法権の島で巻き起こる異能サスペンスと秘された謎―作者:星川宙
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境内へ続く階段を上り終え、当夜は楽しそうに笑う。そして後ろから歩いてきた純にポカっと頭を叩かれた。

「来たぜ、月詠神社!」
「他にも人がいる! 大声で叫ぶな!」

 同じぐらいの大声で純が当夜に言う。その様子を翼はクスクスと笑いながら見ている。3人は朝食の後に待ち合わせをして、月詠神社まで来た。すでに当夜のテンションは高く、純は呆れた様に後をついて行っている。

「でも、本当に広いね。月詠神社」
「そうだな」

 そんな事を話しながら3人はまず本殿を参拝することにした。御手洗舎で手を清め、参道を進む。参道の両脇にある木々が風で揺れて心地いい。本殿までの鳥居を通ると空気が一変し神聖さすら感じる。
 普段口数の多い当夜も何かを感じ取ったのか静かに歩く。そして本殿に着くと賽銭を入れ、二礼二拍一礼。
 それぞれが参拝を終えると本殿の下の階段に集合する。

「御神籤でも引くか?」

 参拝が終わったからか、当夜はまた元気に提案して3人は並んで御神籤を引く。
 引き終えると同時に御神籤を開く。

「おっ、大吉だ」
「私は中吉だったな」

  純と翼が当夜を見ると明らかに落ち込んでいる。どうしたんだ? と2人とも後ろから当夜の御神籤を覗き込む。

 大凶。

 そこには大きくそう書かれている。

「待ち人、来ず。勉学、精進するも結果はつかず。失せ物、なかなか見つからず......」

 ぶつぶつと書かれている事を読み上げる。純と翼はそれぞれ左右から当夜の肩に手を置く。

「大丈夫だよ、結城君。大凶って事はこれから上がるしかないんだかさっ」
「そうだぞ、当夜。大凶なんてなかなか見ないから大吉よりもレアじゃないか」

 2人が慰めるも当夜は心ここに在らずだ。しばらく放心していたが、突如両手で自分の顔をパシッと叩く。

「うしっ、落ち込むのやめ。そもそも待ち人なんかいないし、勉強を頑張る気も最初からない! 失せ物はどうせ純が持ってる問題ない!」
「おい! 落ち込んでるのも気味が悪いけど、さらっと失せ物を俺に被せようとすんな!」

 いつも通りに戻った当夜と純の言い争いを翼はニコニコと見守る。そして一段落したら、純以外の2人が御神籤を括りに行く。

「さて、お参りして、御籤も引いた! これで探検できるな!」

 今日一番目を輝かせながら当夜は言う。純と翼は諦めた様に「そうだね」と呟くのだった。
 そして当夜を先頭に月詠神社の探検が始まった。



 ♢♢♢♢




 詩織が合流後に風見はもう一度自己紹介をし挨拶する。

「つくよちゃんと瑞稀君ね、改めてよろしくっす」
「風見さん、よろしくお願いします」

 それに対し、詩織も丁寧に頭を下げた。「礼儀正しいっすねー」と風見は笑う。
 そして、詩織の案内の元、月詠の巫女用に建てられた宮へと足を向けた。

 宮の中に入ると、奏は慣れた様子で簡易キッチンでお茶を入れ全員の前に置く。この宮は自然災害時に月詠の巫女がお役目ができる様に宿泊できる様になっている。365日月詠の巫女はお役目として毎日社にて祝詞をあげる事が決まっていた。

「それで、昨日は何があったんですか?」

 椅子に座りながら瑞稀が奏に聞く。奏は昨日特対部で聞いた話を共有した。2人は神妙な顔で聞いている。

「能力者による能力者の誘拐......で間違いないんですか」

 話を聞き、詩織はなんとも言えない顔で呟く。それに対して風見が補足する。

「一般人に紛れてる模範的な能力者のみのっす。中原さんが未遂現場に遭遇してるんで能力者が関わってるのはまず間違い無いっすね」
「何が目的か、この件に"サーカス"が関わっているのか......」

 4人は「うーん」とそれぞれ唸る。考えてもわからない。証拠がなかなか見つからないのが能力者関係の事件の厄介なところだ。

「そういえば、白い車を昨日見たって言ってましたよね?」
「そう、ここから1kmぐらい離れた場所でね。ちょうどゲームセンター近くの交差点の少し先ぐらいかな? ゲームセンターの方に走って行ったみたいなんだけど......」

 詩織の質問に奏は答える。そう、白い車と逃走方向は中原は覚えていた。白い車は吹雪に言われていたから、進行方向は自分が向かっている方向と逆だとしっかりと記憶に刻まれていたからだ。しかしそれ以外の記憶が朧げになっていると話していた。そこから認識阻害の能力者の関与が話に上がったのだ。

「ゲーセン横を通った白い車なら昨日見たぜ!」

 不意に4人以外の声がして扉が開く音がした。そこにはドヤ顔をして扉を開け放っている当夜と申し訳なさそうな純、いつも通りニコニコと笑う翼の3人がいた。
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ぱんどら ―治外法権の島で巻き起こる異能サスペンスと秘された謎―作者:星川宙
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