風の色 短編2 僕の師匠(センセイ)
僕の師匠は、仙人です。
だけど、仙人界には身を置かず、下界ー人間が住む世界を仙人達はこう呼んでいるーに身を置くことを選んだ変わった仙人です。
......と、ついこの間までそう思っていたけど、仙人には下界でひっそりと暮らすタイプと、仙人界でのんびりと暮らすタイプの2種類いて、師匠は先に書いた方のタイプです。
そんな師匠に僕は5才の時突然襲って来た殷軍の兵士から助け出されました。
何故、殷軍達が僕の村―集落―を襲ったのか分かりませんが、師匠が助けてくれた瞬間ははっきりと覚えています。
恐怖で蹲っているところを、白馬に乗った師匠は走りながらひょいっと僕を片手で抱き上げ、そのまま去って行きました。
とても格好良くて、思い出す度に胸がキュンとします。
師匠は、見た目20~30才ぐらいの、顔が整った男性です。
なので、女性にもてるかもと思い、疑問をぶつけてみましたが、特にそのようなことはないそうです。
実は、師匠には精霊という頼もしい味方がついていて、彼等の得意とする個々の力で、僕達を悪者から助けてくれるらしく、いつも“有難い存在だ”と、仰っていました。
でも、僕の前には中々姿を見せてくれません。
なので、いつか僕も精霊達が仲間になってくれるような仙人になるべく、修業を頑張ろうと思いました。
師匠があの時救ってくれなかったら、今の僕はこの世界にいません。
本当に助けてくれて有難うございました。
いつまでもお元気でいて下さい。
ー・ー・ー・ー・ー・ー・
く~、可愛いなぁ......
あの頃は“素直でとても可愛い!”と、集落の人々に会う度にそう言われていたのに。
何故大きくなった今、何処でどう間違ったのか、捻ねくれて育っしまった......
本当、不思議で仕様がないよ。