誤解を解く.....3
094
九年前.......福岡
雨は....相変わらず降っていた、空から落ちてくるのを見ていた....何度も....
何度も自分に問いかけた..どうして雨は空に戻ろうとしないのだろうと
どうして雨は「落ちる」ことで、こんなにもずっと悲しみの底に沈んでいくのだろうと
今は分かる....とてもよく分かる
「あれ?....おはようシャルルちゃん.....」
彼が- シンジくんがいつものように挨拶してきた
今日もいつも通り...今までと変わらない毎日
そう.....昨日のことがまるで私の妄想だったかのように
でも私はよく分かっていた....あれは夢なんかじゃないと
「...........」
ヒロくんが死んだ日から.....イロハちゃんはずっと部屋の隅で膝を抱えて一人座っているだけだった....
彼女の気持ちは分かる...本当によく分かる
愛を失う痛み....それは昨日からもう痛いほど分かっている
「おはようシャルルちゃん....今日は一日中雨だね....帰りは送っていってもいい?」
ああ.....キュウちゃん...何も知らない彼女があまりにも哀れだった
哀れだ...私が一番信頼していた人に騙されるなんて
彼女の気持ちはよく分かる.....本当によく分かる
みんな信頼できる人に裏切られた.....まともな人間なんて一人もいない
「どうしたの?...具合悪い?」
このクソ女....いや、泥棒猫のクイナが罪悪感のかけらもない声でそう聞いてきた
もう限界だ....もう限界が来る
「あ...そうだ、温かい牛乳持ってきたよ、一日中雨だったから寒かったでしょ」
寒い? 寒いですって? いや..いやいやいやいやいや違う
私は寒くない...寒さで震えてるんじゃない 体調が悪いなんて少しも感じていない
私はただイライラしている いや、憎んでいる
ああ.....ああ.....
壊したい....何もかも跡形もなく壊してしまいたい.....
そう...そうだ
「..............」
私は温かい牛乳のグラスを掴んだ.......それを憎しみを込めて見つめた
ザー―――――――――――――――――――――――――――――――
雨の音がどんどん大きくなっていく....
どんどん大きくなっていく
ドバッ........私は牛乳を床にぶちまけた...どれだけ汚れようが知ったことじゃない、どうせこの部屋は私が家賃を払っているんだから....
私はグラスを頭上に振り上げた....そしてグラスと人間の肉が衝突する音が響いた...
パァン.....その音は部屋中に響き渡った...とても大きな音で...本当にとても大きな音だった
ドサッ.....シンジくん...私の元彼が情けない悲鳴を上げながら床に倒れ込んだ
カラン...私はグラスをゴミ箱に投げ捨てた
それから...
「............シャルルちゃん」
ガンッ!! 私はあの泥棒猫を椅子から蹴り落とした....
「シャルルちゃん!! 何してるの!!」
キュウちゃんが止めに入った...でも誰が気にするものか
それは私を壊した、私を裏切った、私を苦しめた
だったら相応の報いを受けるべきだ―――――――――
「何...してる...の...あなた」
私はあの泥棒猫の襟首を掴んで思い切り頬を叩いた....
「友達だったのに! 裏切ったってわけ!!!??」
「何...言って...」
「あら....なんで黙ってるの...人の彼氏とセックスしすぎて自分が何したか忘れちゃったのかしら!!」
私はもう一度頬を叩いた
「あなた...見てたの?」
顔が真っ青になってるじゃない....真っ青になってるじゃない!!!
「このクソ女!!」
私はもう一度頬を叩いた
「シャルルちゃん...私...ごめん...なさい」
「ごめんなさい?....それで痛みが消えるとでも思ってるの!?」
私はもう一度頬を叩いた
「ごめんなさい.....」
「尻軽女!!」
私はもう一度頬を叩いた
「せっかく信じてたのに....せっかく信じてたのに!!!」
「うっ....私......私ごめんなさい....」
[でも長い時間が経って...僕は気づいたんだ....あの子のことを全然愛していなかったって]
もうやめて...もうこの気持ちはやめて
[君のことが好きなんだ...クイナちゃん....]
ああ....ああ.....ああ....あああ!!!!!!!!
あの時の記憶は、何回頬を叩いたのかもう覚えていない でも確かなのは...とても長い時間で キュウちゃんが止めに入ってもまだ止まらなかった
その時の彼女の顔は腫れ上がって赤い跡だらけだった....そしてその赤い跡はすぐに紫色になっていった...
「本当にごめん.....でも私...シンジくんのことも好きだったの....」
私が一番信頼していた元親友の告白
「シャルルちゃん....僕....僕は...ごめん....僕は...君のことなんて全然愛してなかった....最初から一度も愛したことなんてなかった...」
私が一番愛していた元彼氏の告白
私は憎い....すべてが
私は憎い....何もかもが
もし終わらせるなら....私自身の手で壊してやる....
その後....溜め込んでいた怒りが口から溢れ出した.....チームの全員が聞いたすべての言葉に目を見張った
この後キュウちゃんやイロハちゃんがヒロくんの後を追って死んでしまっても、もう私の知ったことじゃなかった
その後...チームは解散した
私の望みは叶った.....みんなが私の元親友を嘘つきだと糾弾した
小さな嘘なら許せる、でも隠してはいけないことを隠していたなら非難されて当然だ
私......そう思っていた、そして今の私になった....だけど....だけど....
私は....あの人と似た性格の人に....また出会ってしまった
現在...ホテル
「............」
悪夢...またか....
窓の外を見ると....ゆっくり降る雪が見えた.....すべてがまだ私の悲しみの感情を留めていた
隣を見ると....彼がいた...もう一度心を開いた人....すべてはいつも通り温かかった...
「エモくん....寝てる?」
聞いても返事はない..まあ..今は午前三時だもんね...
「..........」
私は彼の顔を軽くつついた.....彼はうーんと声を漏らした...
「可愛いなあ......」
全部をきちんと片付けられたら....すべて、いや、私自身、また元の私に戻れるのかな.....
「うーん.......シャルロット........」
エモくん、寝言言ってるの?...ふふ 初めて見た
「大好き....だよ.....」
彼が...私を愛してる.....
そうなんだ、そうなんだね.....
私は起きて水を飲んでまたベッドに戻った....やっぱり....
「いつも私の側にいてくれてありがとう.....」
私はもう一度彼の頬にキスをした..そして目を閉じた....
「Love you......」
私はもう一度自分の気持ちを口にした.....そして私たち二人の手が..また重なり合った....
彼のゴツゴツした手が、こんなにも温かい....
大好きだよ....
本当にあなたのことが大好き