私のことが好きですか?
074
「それで......お前......女装が好きな男が好きなのか?」
アキラちゃんは真剣な表情でハルの方を向いて尋ねた......
「そ......その......なんていうか......」
ハルは落ち着かなくなった......彼自身、本当に誰かに好かれた経験がなかったので、かなり緊張していた
「えっと......先にお金払いに行った方がいいな......」
「待てって......」
しかしアキラちゃんはハルの袖を掴んで引き止めた......
「答えてくれないなら......帰らせない」
「............」
「お前、俺のこと好きなのか?......」
短い質問......だが同じくらいプレッシャーのある質問だった......
「.........俺......その......」
ハルは今もまだ恋愛というものに傷ついていた......もしかしたら......あそこまで彼を追い詰めるのは良くなかったのかもしれない......
「悪い......俺......お前にあんなに迫るべきじゃなかったな......」
アキラちゃんはハルの横を通り過ぎていった......少し罪悪感を感じている様子で......
オフィス
「よし......配信のセッティング完了、モデルも問題なし......お前の方はどうだハル......ハル?」
ユウタがハルの方を振り向いた......彼は今、ノートパソコンの前でぼんやりしていた......
「おい......大丈夫か?」
ユウタが指を鳴らしてハルの意識を呼び戻した......彼はただ謝るしかなかった
「今日、なんかぼーっとしてるな?......大丈夫か? 体調悪いのか?」
「いや......ちょっと考え事があっただけだよ......」
彼はアキラちゃんに好きかどうか聞かれた時のことを思い出していた......あの瞬間......ハル自身も、どう答えればいいのか分からなかった......本当にアキラちゃんのことが好きだとしても......ザメちゃんたちのように長く愛し合っていけるのか自信がなかったから......
それは女友達に騙されて恋人にさせられた経験から生まれた恐怖だった......アキラちゃんが絶対に彼を裏切ったりしないと分かっていても......それでもどうしても悪い方向に考えてしまうのだった......
「無理だったら先に帰ってもいいんだぞ......あとは俺がやっとくから......」
「大丈夫です先輩......俺、大丈夫ですから......」
マユリたちは顔を見合わせて肩をすくめた......その後はあまりハルのことを気にかけなかった......
「それでアキラちゃんは?......どこ行ったんだろうな......」
ユウタが尋ねると、マユリは背景の線を整えながら答えた
「服の続きを作りに帰るって言ってたよ......あの子、チームでの仕事も毎日やらなきゃいけないわけじゃないしね......」
「毎日チームのVTuberを宣伝させたら他のみんなもうるさいって思うだろうし......少し休ませてあげた方がいいよね......」
その後は普段通りに作業が進んだ......特に問題もなく、いつも通りの一日だった......
配信が終わると......チームのみんなはいつものように夕食を一緒に食べに集まった......
「最近アキト兄さんあんまり家に帰ってこないですよね......」
ハルが尋ねた......
「最近お兄ちゃんはまたサラヤシキ先輩の仕事を手伝いに行ってるからね......あんまり家に帰ってこないんだ......」
「............え?......危険な仕事なんですか?」
「ううん......銃で撃ち合うほど危険な仕事じゃないよ......でもかなりハードな仕事らしいけどね......」
チームのみんなは今ではアキトの若い頃の波乱万丈なエピソードをある程度聞いていたので......そこまで驚かなかった......
「......最近私たちも仕事が増えてきましたよね......」
「そうだよね......私もみんなのマネージャーの仕事を引き受けるようになってから......メンバーの面倒を見なきゃいけない上に大学受験の準備もしなきゃいけないから、けっこう大変なんだよね......でも最近はもう慣れてきたけど......」
「ねえハル......お前、本当に男が好きなの?」
突然マユリが尋ねた......そこに座っていた全員が慌てて箸を置いた......そしてハルの答えを聞こうと待ち構えた
「そうだよ......」
「きゃあああ!!!」
女子たちが大騒ぎした......そしてすぐにハルに一番重要な質問をした......
「それで誰が好きなの?......」
「その......えっと......」
女子たちはさらに彼を追い詰めた......
「それって......チームの中の人? それとも外の人?」
それを聞いてユウタは一瞬鳥肌が立った......しかしまさか自分ではないだろうと前向きに考えようとした
「うん......チームの中の人......」
「あー!!」
それを聞いて女子たちはさらに興奮し......一斉にユウタの方を振り向いた......
「おいおい......こんなのはナシだろ......」
そしてまたハルの方に視線を戻した......ハルは首を横に振った......ユウタのことは考えていないという意味のように
「じゃあ......」
オフィスの全員が、あるとても可愛い顔をした男の子のことを思い浮かべた......可愛いとは言っても......彼は男の子だった......
「......うん......みんなが考えてる通りだよ......」
「きゃああ!!!!!」
女子たちはさらに大きな声で叫んだ......
「ねえねえ......いつから好きになったの?」
「その......八月頃......」
「え!?......お前が女子たちに嫌がらせされてた時期じゃないか」
ハルはユウタに助けを求めるメッセージを送ろうとした......しかしユウタはとっくに姿を消していた......結局、アキラちゃんのことを洗いざらい聞き出されることになった......
「まったく......お前ってやつは......見るからにアキラちゃんもお前のこと好きに決まってるだろうに......それなのにまだ拒んだのかよ......」
いつの間にか恋バナのはずが説教されることになってしまった
「すみません......先輩」
「ハルくんは本当にダメだねえ......好きなら好きって言えばいいのに......アキくんがせっかく教えてくれたんだから、五千円の授業料を無駄にしないでよね」
「すみません、ザメちゃん」
「そうそう......ちゃんと気持ちを伝えないと、アキラちゃんが他の人を好きになっちゃったらどうするの......」
「すみません、マユリちゃん」
「私たちに謝ることじゃないでしょ! アキラちゃんに謝りに行きなさいよ!!」
「は......はい!!!」
帰り道
「はあ......女子って本当に怖いな......」
女子たちのプレッシャーに耐えられず先に帰らせてもらったハルは......オフィス近くの店の前のベンチに座って休んでいた
「あれ?」
しかしそのベンチには、すでに休んでいる人が一人いた
「アキラちゃん......」
「よっ......」
アキラちゃんはいつものようにハルに手を振って挨拶した
「あ......よっ......」
彼は夕方のことを思い出した......
「あのさ......ごめんね、俺......ちゃんと答えられなくて......」
「別にいいよ......」
彼はハルのために炭酸飲料を買いに行った......ハルが大好きな炭酸飲料だった......アキラちゃんが缶を開けて渡すと、ハルは綺麗に受け取った
「ありがとう......」
「俺、分かってるよ......お前がまだ騙されて恋させられたことで傷ついてるって......でも......お前が男が好きだって言った時......つい聞かずにはいられなかったんだ......」
彼は恥ずかしそうな様子でハルの方をちらっと見た......ハルもその姿から目を離すことができなかった......
こいつ......可愛すぎるだろ......
「......なあアキラちゃん......俺さ......いつも思ってたんだ......俺に近づいてくる女は皆悪い目的で来るんじゃないかって......俺が馬鹿だったんだ、ずっと迷ってばかりで......本当の気持ちを伝えられなくて......」
アキラは気づき始めた......ハルが話している本当の気持ちが何なのかを......
「俺......アキラちゃんのこと好きだよ......」
小さな言葉......それがアキラちゃんの心に強く突き刺さった......
「ぼ......僕......僕......」
彼は真っ赤になった......ずっと恋に騙され、傷つき続けてきた少年からの告白だった......
アキラは慌てて顔を隠し、素早く後ろを向いた......
「俺さ......お前があの日、俺をかばってくれた時からずっと好きだったんだ......でも言う勇気がなくて......」
アキラちゃんも答えを返した
「僕もあの時からずっと好きだったよ......」
「あの時......お前......すごくかっこよかった......」
「うん......」
「だから......俺たち......その......付き合わないか......?」
アキラちゃんは顔を隠したまま小さく頷いた......
ハルはすぐにアキラちゃんの頬に軽くキスをした......
「あっ!!」
ハルはすぐにアキラちゃんの顔から目を逸らした......アキラちゃんはハルの顔を見ようとしたが......彼はずっと逸らし続けていた......
そこで彼はハルの手をそっと握った......好きな人にこうして手を握られたハルは少し驚いた......
それを見たアキラちゃんは笑みを浮かべた......
「可愛いなあ......」
「...............お前もな......」
「えへへ......じゃあ......よろしくね......」
「うん......よろしく......」
そして二人は手をつないで一緒に家に帰った......周りの人がどう見ているかなど、まったく気にすることなく......