プロローグ 2: 世界で最も希少な宝石…ロイヤルリボン。
「ねえねえ、ルイスくん......この街で宝石の売買が行われるって話、もう聞いた?」
本が山積みになった図書室の中で。
耳にピアスをつけ、和装をまとった狡猾そうな顔つきの若い男が、王族でさえ命がけで隠している情報を、端整な顔立ちの若い貴族にあっさりと告げていた......
「今度は何を企んでいるんですか......池田さん......」
しかしルイスという名の若者は、彼の狡猾な企みをすぐに見抜いていた......
「やだなあ......俺、タダで情報教えてあげてるじゃん......わかる?王族の連中でさえ、この話を隠すために俺に金払ってるんだよ......喜べばいいのに......」
「池田さんの無料情報が、まともだったためしは一度もありませんよ......」
「やだなあ......大げさなんだから......」
「それより、先日の古書ゼングラフの売買の件はどうなんですか......密売人が二人取引するって言ってたじゃないですか......でも現場に着いたら、片方は武器を持って来ていたし、おまけに魔術師まで連れていた......」
ルイスの頭を親しげに撫でながら歩み寄っていた池田は、思わず動きを止めた......
「極東の吸血鬼と戦えって情報まで寄越してきましたよね......だから僕にはすぐわかったんです、あなたは信用できないって......」
「やだなあ......起きたことはもう仕方ないじゃん......仕切り直しにしない?......ねえ......」
池田はカウンターへと小走りで向かうと、酒を取り出してグラスに注ぎ、ルイスに差し出した......
「ほら......一杯どうぞ......」
「はあ......」
ルイスという名のこの端整な貴族は、あまりにも実直で、あまりにも情が厚すぎた......だからこそ、いつも池田の罠にはまってしまうのだった。
「それで、どんな計画なんですか?」
それを聞いた池田は、すかさず薄ら笑いを浮かべた......