プロローグ 1: 若い女性の不安…
◆◇◆
三年が過ぎた......多くのことが変わり始めた......
この異世界では"秘密の宝庫"から取り出したものを少しずつ研究し、実用化するようになった......私、クロエ・シルバーウィングストンがその監督として関わり続けていた......
「この装置は......簡単に言えば......ラジオと呼ばれるものです......」
異世界とはいえ、レギュラー王国は首都として、教育は古くから基本的なものとして整っていた......
「............」
今日の私は、とても重要な仕事をしていた。それはレギュラー魔法大学・知識庫の教師として授業を行うことだった。この大学はこの世界でも特に名高い教育機関の一つだった......
マンガでも元のクロエがここで学ぶ場面があったが......気づけば私はここの教師になっていた......
実のところ教師は副業に過ぎなかった......こんな仕事を引き受けたのも、あの謎の次元の扉から出てくる不思議な形をしたものを「知っている」のが私だけだったからだ......
まあ......他の人たちと一緒に、前の世界の発明品を研究しているのだが......
当然だ......私はただの会社員だった。現代のあらゆる機械の仕組みなんてわかるはずがない......
「さて......では実演してみせましょう......セヴィルさん......これを持って外に出てもらえますか。魔法でお城の門の前に飛ばします......着いたら赤いボタンを押して話しかけてみてください......」
「は......はい! クロエ先生......」
ああ......生徒に先生と呼ばれると、なんだかいい気分ね。
私はその女学生を転移魔法で城門の前に飛ばした......そして......
ザー......ザー......
電波の音が教室の中で鳴り響いた......
「こんにちは! 聞こえますか......!」
おお......生徒たちがざわめいた。通信魔法は使える人が少なく、しかも距離も限られていた......
手のひら大の発明品が魔法を超えたことをなしとげるとは、なんとも驚くべきことだった......
魔法がある世界はそれだけで素晴らしい......でもそこに技術が加われば、魔法使いのほんの一握りしかいないこの世界で、普通の人々もそれに近いことができるようになる......
授業を終えて帰ろうとすると......厄介者がやってきた。
「やあ......」
「......真化(まばゆ)......」
この三年間......私は真化に四回会った。そして毎回、気配も音もなく現れるのだった......
「そんな顔しないでよ......私の役目は終わったって言ったでしょ。だからしばらく大人しくしてるつもりよ......」
「なら顔を出さなきゃいいでしょ......」
「やだなあ......意地悪ね。ただ警告しに来ただけよ......」
「警告?」
あいつからの警告?......事前の犯罪予告と言った方が正確じゃないの......
「そうよ......実はこれからあなたに、三つか四つ面倒なことが押し寄せてくるわ......」
面倒ごと!?......
「ちょっと待って!! それって......」
「信じなくても仕方ないわね......でも真化の女王として、百ものバージョンの私に追放されてきた身としては、あいつらに対してかなり腹が立っているの。だからちょっとだけヒントを残していくわ......あなたの命がもう少し続くように......」
ファンを食い物にするアイドル......
目覚めたら見知らぬ男と同室にいて記憶を失った女スパイ......
自分に関わった者を呪い続ける子供の幽霊......
「殺される心配はしなくていいわ......調べた限り、真化の議会は今私を追いかけているから、その間あなたは......」
真化はテーブルから降りて、私の目をまっすぐに見た......
「この面倒ごとに苦しめばいいわ......ふふふふふふふ」
吐きそう......いつも......毎回あいつに会うたびに、吐き気がする......
「死んでよ......真化......」
「おっと......強がっちゃって......アンダーソンさん......いやいや......シルバーウィングストン夫人......じゃあね......」
彼女はカーテンの裏に隠れ、そのまままた消えた......
最悪......
なんで私が......こんな目に遭わないといけないの......
「ふざけんな......(Fuck off......)」