ホーム折り紙少女と不思議な力 ~君の手の上で、私の折り紙は動き出す~3-2:綾奈の気持ち
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3-2:綾奈の気持ち

 私は綾奈と二人きりになった。
 二人きりの音楽室は、広くて、しんとしている。
 先に沈黙を破ったのは綾奈の方だった。
「ごめんね、秘密に首を突っ込んじゃって」
 綾奈は少しだけ申し訳なさそうな顔をしていた。
 まさか綾奈に謝られるとは思っていなくて、私は驚いた。
「そんな、私こそごめん。隠すつもりじゃなかったんだけど、雪谷くんとの約束だったから......」
 本当に申し訳なかった。いつも一緒にいる綾奈に隠し事をしてしまって。
「いいよ、しょうがないでしょ。変わった事情なんだから」
 綾奈は私の目を見て言った。
「そりゃ、仲間外れにされてるかもって思ったときは、気分が悪かったよ。でも、そうやって大事な秘密を預かるくらい、華香がイケメンツートップと仲良くなっているのも、何だか嬉しいんだよ」
 その言葉を聞いて、何だか複雑な気持ちになった。
 私のしたことが、綾奈を傷つけて、でも喜ばれて? ちょっと難しいな......。
 ただ、私はそこでハッとした。綾奈って、加藤くんのことが気になってたんじゃなかったっけ。
「そうだ、あのね。私、加藤くんとかなり仲良くなったんだけど、何もないからね! 本当に!」
「ああ、加藤くん? 別に私は大丈夫だよ」
 綾奈がそんなことを言うので、私は拍子抜けしてしまった。
「え、そうなの? 結構、好き好きオーラ出してなかったっけ?」
 すると、綾奈は頭をポリポリとかきながら言った。
「前はそうだったけど......。いや実は、私、彼氏ができそうなんだよね」
「ええええ⁉」
 私は飛び上がって驚いた。
「そんなの聞いてない!」
「いやだって、まだ付き合ってるわけじゃないから......」
 綾奈はくねくねしながら言った。おお、これはきっとマジなやつだな......。
「なんだよ、綾奈にも隠し事があったってわけ?」
 そして私たちは目配せしあってから、大きな声で笑った。

 その後、綾奈から詳しい話を聞いた。
 気になる相手は、塾で同じクラスの三上みかみくん。
 帰り道が途中まで一緒で、よく話をするそうだ。
 そして最近、親密さが徐々に増してきているらしい。
「まつ毛が長いのよ。横顔がきれいで。ねえ......」
 うっとりとした表情で綾奈は語った。彼女の全身からハートが飛び出しているような錯覚を覚える。
「うふふ、好きなんだね」
「ええ、まあ、うん......」
「彼氏になりそうってことは、え? 告るの? キャー!」
 私は鼻息を荒くして聞いた。
「いやあ、ねえ......」
 綾奈はもじもじしている。
「ほら、結局、向こうがどう思ってるかわかんないからねえ......。告って、実は勘違いでした、だと悲惨でしょう。そりゃあ向こうから告られたら間違いなくオーケーなんだけど、ねえ」
 その話を聞いて、私は思った。
 ......何だろう。綾奈らしくないな。
 私の知っている綾奈は、恋バナが好きで陽気な女の子。
 もしこれが私の話だったら、綾奈は「いいからさっさと告れよ!」って言うと思う。
 それなのに、今の綾奈は恋に臆病な乙女だ。
 もしかしたら、これが本気で恋をするってことなのかも......?
 私は綾奈の手を取り、まっすぐ目を見て言った。
「綾奈、私は応援してます。何かあったら、なんでも相談してね」
「......うん」
 綾奈の返事はしっとりとしていた。恋はこんなにも人を変えてしまうのか。
 友人の本気の恋に、私はワクワクとドキドキが止まらなかった。
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折り紙少女と不思議な力 ~君の手の上で、私の折り紙は動き出す~作者:大山大チ
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 私は綾奈と二人きりになった。
 二人きりの音楽室は、広くて、しんとしている。
 先に沈黙を破ったのは綾奈の方だった。
「ごめんね、秘密に首を突っ込んじゃって」
 綾奈は少しだけ申し訳なさそうな顔をしていた。
 まさか綾奈に謝られるとは思っていなくて、私は驚いた。
「そんな、私こそごめん。隠すつもりじゃなかったんだけど、雪谷くんとの約束だったから......」
 本当に申し訳なかった。いつも一緒にいる綾奈に隠し事をしてしまって。
「いいよ、しょうがないでしょ。変わった事情なんだから」
 綾奈は私の目を見て言った。
「そりゃ、仲間外れにされてるかもって思ったときは、気分が悪かったよ。でも、そうやって大事な秘密を預かるくらい、華香がイケメンツートップと仲良くなっているのも、何だか嬉しいんだよ」
 その言葉を聞いて、何だか複雑な気持ちになった。
 私のしたことが、綾奈を傷つけて、でも喜ばれて? ちょっと難しいな......。
 ただ、私はそこでハッとした。綾奈って、加藤くんのことが気になってたんじゃなかったっけ。
「そうだ、あのね。私、加藤くんとかなり仲良くなったんだけど、何もないからね! 本当に!」
「ああ、加藤くん? 別に私は大丈夫だよ」
 綾奈がそんなことを言うので、私は拍子抜けしてしまった。
「え、そうなの? 結構、好き好きオーラ出してなかったっけ?」
 すると、綾奈は頭をポリポリとかきながら言った。
「前はそうだったけど......。いや実は、私、彼氏ができそうなんだよね」
「ええええ⁉」
 私は飛び上がって驚いた。
「そんなの聞いてない!」
「いやだって、まだ付き合ってるわけじゃないから......」
 綾奈はくねくねしながら言った。おお、これはきっとマジなやつだな......。
「なんだよ、綾奈にも隠し事があったってわけ?」
 そして私たちは目配せしあってから、大きな声で笑った。

 その後、綾奈から詳しい話を聞いた。
 気になる相手は、塾で同じクラスの三上みかみくん。
 帰り道が途中まで一緒で、よく話をするそうだ。
 そして最近、親密さが徐々に増してきているらしい。
「まつ毛が長いのよ。横顔がきれいで。ねえ......」
 うっとりとした表情で綾奈は語った。彼女の全身からハートが飛び出しているような錯覚を覚える。
「うふふ、好きなんだね」
「ええ、まあ、うん......」
「彼氏になりそうってことは、え? 告るの? キャー!」
 私は鼻息を荒くして聞いた。
「いやあ、ねえ......」
 綾奈はもじもじしている。
「ほら、結局、向こうがどう思ってるかわかんないからねえ......。告って、実は勘違いでした、だと悲惨でしょう。そりゃあ向こうから告られたら間違いなくオーケーなんだけど、ねえ」
 その話を聞いて、私は思った。
 ......何だろう。綾奈らしくないな。
 私の知っている綾奈は、恋バナが好きで陽気な女の子。
 もしこれが私の話だったら、綾奈は「いいからさっさと告れよ!」って言うと思う。
 それなのに、今の綾奈は恋に臆病な乙女だ。
 もしかしたら、これが本気で恋をするってことなのかも......?
 私は綾奈の手を取り、まっすぐ目を見て言った。
「綾奈、私は応援してます。何かあったら、なんでも相談してね」
「......うん」
 綾奈の返事はしっとりとしていた。恋はこんなにも人を変えてしまうのか。
 友人の本気の恋に、私はワクワクとドキドキが止まらなかった。
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