編集部に届いた手紙
『株式会社幸文化社 月刊『ばれった』編集部様御中
突然の手紙を失礼致します。
都内の小学校で教師として働いている者です。
貴社で出版されている漫画雑誌『ばれった』6月号の付録の小冊子の内容を知り、こちらの抗議の手紙を書いている次第です。
小冊子のほとんどは「学校の怪談」や「本当にあった幽霊の話」など、小学生の女子児童であれば興味を持つ真偽不明の怪談ばかりでしたが、一件どうしても許容できない内容のものがございました。
小冊子25ページにあった「ふしぎなこうかん日記」というものです。
正直に申し上げますと、児童向けの雑誌の付録の内容としていかがなものかと思っております。
「読者である女子児童から聞いた噂」という体で掲載されていたかと思いますが、内容は立派な降霊術です。私たちが子供の頃に流行った「こっくりさん」などと同じ、低俗な霊を呼ぶ方法と同じものです。
私の教え子の中で当該内容を読み、実践してしまった児童がいます。
彼女は低級で厄介な悪霊を呼び出してしまいました。現在彼女は、その悪霊が自分の元にくるのではないかと怯えています。
当該付録の載った漫画雑誌は、私の教え子のような小学生世代をターゲットにしているであろうかと思われます。だからこそ、あの降霊術の方法を載せたことは危険極まりないことだと思います。
小学生という年齢では、まだ危険に対する十分な判断能力というものがありません。自分のやろうとしていることがどれだけ危険なことなのかわからず、実行に移してしまうこともあります。現に私の知る範囲で起きてしまいました。
今からでも遅くはありません。
今後発刊する最新号にて、『見えない誰かとのこうかん日記ができる方法は危険なので、試さないでほしい』という注意書きを挟むなどのご対応を即座にお願いします。
信じがたいかもしれませんが、生きている人間に害をなす悪霊は本当にいます。
これ以上怖い思いをする子供たちが出る前に、どうか正しきご判断をお願い致します。
市川 友美』