ホーム日記覚えていてね
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覚えていてね

 5月1日
 今日から耀ちゃんと一緒に住むことにした!
 初めは嫌そうにしていたけど耀ちゃんはなんだかんだ優しいから、元の家は引き払ってしまったと伝えると許してくれた。
 煙草のにおいが充満していることを除けば、耀ちゃんの部屋は案外女の子っぽい。
 今日から毎日耀ちゃんを見ることができるなんて最高だ!

 5月2日
 耀ちゃんと一緒に住む約束を決めた!
 耀ちゃんは意外とまじめだから全額私が出すと言っても聞いてくれなかった。
 でも、食品は私が勝手にいろいろ買ってきて耀ちゃんに食べてもらえばいいからそこは私の勝ちだ!
 今日から毎日最推しの耀ちゃんに貢げるなんて幸せすぎる!

 5月3日
 耀ちゃんに”料理が上手い”と褒められた!最高すぎる!
 レストランでバイトしていて心底よかったと思った。
 味見のし過ぎで味が段々よくわからなくなってしまって、結構濃い味になってしまったことは次から要注意だ。
 耀ちゃんはたぶん少し薄味の方が好き。あとは辛い物と酢の物が苦手。

 5月4日
 耀ちゃんは煙草が好き。それは勿論昔から知っていたがさすがにここまでだとは思わなかった。
 1日1箱は多すぎるのではないだろうか?身近に煙草を吸う人が耀ちゃん以外に居なかったからよく分からない。
 夜に作ったパスタをいつもより多めに食べていたから多分気に入ってくれたのだと思う。
 次からはその日に作った料理のレシピも一緒に書こうと思う。

 5月5日
 耀ちゃんからバイト先の話を聞いた。
 耀ちゃんがバイト先のお店を教えてくれたら私が一番お金を使うのに。
 というか、私が耀ちゃんを養いたい。そんなことを呟くと耀ちゃんが”それもいいかもね”って言ってくれた!
 冗談だとしても発言にはしっかり責任を持ってもらわなくては!今日から貯金頑張るぞ!
 耀ちゃんのためなら私は何でもできる!

 5月6日
 耀ちゃんに髪を染めてもらった!
 昔はいろいろな髪色に挑戦していたけど耀ちゃんに”それ似合ってんじゃん”と言われてからは変えていない。
 耀ちゃんの細い指が触れる度ドキドキしてしまった。
 指以外にも耀ちゃんは細いからもっといっぱい食べてもらわないとだ!
 
 5月7日
 ネットで調べると耀ちゃんの喫煙量はやっぱり結構多いらしい。電子ならともかく紙煙草は火事の危険性もあるからそれとなく禁煙を進めてみた。
 私が禁酒したら考えると言われたけど私の飲酒量はまだ一般的な量だと思う。多分。
 耀ちゃんはお酒を飲めないから私の飲酒量が多いと勘違いしているんだ!きっと!
 でもなんだかんだ言って、私が禁酒しても耀ちゃんは煙草をやめないと思う。私の勘だけど。

 5月8日
 部屋に空気清浄機がおいてあった。
 私が近づくとすごい音を立て始めたから一瞬臭いのかと思ってしまった。けど耀ちゃんの手が後ろに回ってるのと表情で察してしまった。
 耀ちゃんが手動で空気清浄機を操作していたのだ。耀ちゃんのいじわる!
 毎日お風呂には入っているし、シャンプーもボディーソープもわざわざ海外から取り寄せているお気に入りだ。今度こっそり耀ちゃんの奴も私と香り違いの物に変えてしまおうか。
 耀ちゃんはどんな香りが似合うだろうか、柑橘系よりはフローラル系で、軽い香りよりも重めの物がいい。それでいてある程度私の物と似ていr(以下省略)

 5月9日
 今日はいつもより耀ちゃんがご飯を食べてくれなかった。
 好みの味付けではなかったのだろうか、それとも体調がよくなかったのだろうか。心配だ。
 やっと平均体重に近づいてきたのに。
 
 5月10日
 今日は耀ちゃんの誕生日!ではないことはもちろん知っている。
 本当はちょうど1か月後。でも耀ちゃんは自分の誕生日があまり好きじゃないみたいだから今日いっぱいお祝いして、来月はプレゼントだけしようと思う。
 前に珍しくお酒を飲んで酔った耀ちゃんが”耀じゃなくて晶だったらもう少しましだったのかな”って言っていたから、気休めにでもなればいいと思ってチョコプレートの名前は耀じゃなくて晶にした。
 
 5月11日
 耀ちゃんはケーキが結構気に入ったみたいで朝からご機嫌だった。
 お菓子も作れるようになった方が良いのかもしれない。無理だとは思っているけど耀ちゃんの食べるものは全部私が作りたい。
 耀ちゃんは結構鈍いから私が耀ちゃんのシャンプーやボディーソープを勝手に買ってきても特に何も気が付いた様子はない。やったね!
 耀ちゃんを構成するものは全部私が決めたい。もちろん耀ちゃんがいいと思える範囲内ではあるけど。
 
 5月12日
 耀ちゃんが私にお酒を買ってきてくれた!嬉しい!
 でも、お酒は飲んだらすぐになくなってしまうから悲しくもある。
 本当なら賞味期限ぎりぎりまで取っておきたいところだけど、耀ちゃんに”飲まないの”と聞かれてしまったから今日中にすべて飲むことにした。
 次かあるかもなんて傲慢かもしれないけど、次は残るものがいいな。
 
 5月13日
 耀ちゃんの髪を染まるのを手伝った。お店のイメージが何たらで耀ちゃんは基本的に白っぽい髪か黒っぽい髪にしかしない。
 今回は真っ白。どんな色でも似合ってしまうのはさすが耀ちゃんだ。
 耀ちゃんに直接触れたくて手袋をしなかったら手が染まってしまった。
 慌てていると耀ちゃんが”一緒に入ろう”とお風呂に誘ってきた。
 白い肌にすらっとした体。綺麗でかっこいい顔に私の選んだ香り。大好きな耀ちゃんがいつもよりも近くてしかも一緒のお風呂で、いろいろ考えているうちに少しのぼせてしまった。
 多分今日のことは死ぬまで、いや、死んでも忘れないと思う。

 5月14日
 耀ちゃんにタバコが美味しいのか聞いたら微妙な反応をされた。
 美味しくないのなら何ですっているんだろう?
 ”お酒と一緒だ”って耀ちゃんに言われたけど。お酒一口で酔っぱらってしまう耀ちゃんと違って私は美味しくお酒が飲めるタイプだ。
 棒付キャンディーじゃダメなのかな?
 
 5月15日
 今日の御夕飯はお母さん直伝のコンニャクの炒め物!と意気込んで作っていたら耀ちゃんが結構な勢いでキッチンまで走ってきた。
 どうやら、コンニャクを焼いたときの音を悲鳴か何かだと勘違いしたらしい。
 私の悲鳴だと思ってあんなに早く駆けつけてくれたのかな。
 だと、うれしいな。
 
 5月16日
 耀ちゃんがバイト先のお客さんからもらってきたお酒をくれた!
 値段よりも流通量が少なく、前に取り寄せようと検索したら3年待ちだと表示されたいいお酒。
 なんでも、その地域でしか取れない黒薔薇で香りづけした葡萄のお酒らしい。
 コンセプトが何となく耀ちゃんに似ている気がしたのだ。ゆっくり味わおう。
 
 5月17日
 店長から最近頑張っているとほめられた。
 これからもこの調子で頑張らなくては!
 いっぱいお金をためていつか耀ちゃんを養うんだ!
 耀ちゃんはバイトが遅くなるようで少し寂しかった。
 
 5月18日
 耀ちゃんに怒られた!
 余ったお出汁は冷蔵庫に入れないと痛んじゃうんだよ!
 ていうか、私的にはお茶もお茶葉の出汁だと思います!
 次からは容器にラベルでも張っておいた方がいいかな。
 
 5月19日
 前に耀ちゃんからもらったお酒の缶、洗って大事にしていたのに耀ちゃんが灰を捨てちゃった。
 確かに他の缶との見分けはつかないかあも知れないけど一言くらい聞いてくれてもよかったと思う。
 いや、耀ちゃんの吸った煙草の灰が入った缶はそれはそれで。
 
 5月20日
 急にお母さんから連絡があった。
 京都の観光についてきて欲しいらしい。
 耀ちゃんと1週間も離れたくないと嘆いていたらお土産のリクエストをもらってしまった。
 張り切るぞ!
 
 5月21日
 京都についた、時期的に桜も紅葉もない。それでも京都はやっぱり綺麗だ。
 耀ちゃんは今何してるかな?会いたいな。ご飯ちゃんと三食栄養ある物食べてるかな。
 
 5月22日
 耀ちゃんに前に作ったパスタの作り方を聞かれた。
 詳しくレシピを書いておいてよかった。
 今度から念の為プリントアウトしていつでも耀ちゃんが見られるようにした方がいいかもしれない。

 5月23日
 耀ちゃんのことを考えているとお母さんに恋してる顔って言われた。
 やっぱりお母さんには分かっちゃうのかな。
 私はまだ分かりたくなかったな。

 5月24日
 早く耀ちゃんに会いたいよ~。

 5月25日
 夢に耀ちゃんが出てきた、末期なのかもしれにゃい。にゃん。

 5月26日
 明日はやっと耀ちゃんに会える!
 いや、もう今日数時間だけど、

 5月27日
 耀ちゃんが駅まで迎えに来てくれた!
 なんて一瞬私の都合の夢かと思ってしまった。
 耀ちゃんは私じゃなくてお母さんの方をずっと見ていた。
 夢の方がよかっ

 5月28日
 前に耀ちゃんが”京都に行ってみたい”って言っていたから。京都の話をいっぱい話した。
 なんだか少し上の空だった。
 耀ちゃんは私よりもお母さんの方が好きなのかな。
 
 5月29日
 耀ちゃんが待ち合わせに遅れるって連絡をくれたからピアノを弾いて待っていた。
 ピアノは好き。子供の時からやっているから何も考えなくても勝手に手が動く。
 お母さんがやりたいことは何でもやってみなさいって言ってくれたから小さい時は習い事がとっても多かったと思う。
 本当はそんなことよりもお兄ちゃんみたいに家業の手伝いがしたかったのだけど。その願いだけはかなわなかった。

 5月30日
 今日は耀ちゃんの機嫌がとても悪かった。
 電話先で何か怒鳴っていたから多分そのせいだと思う。
 
 5月31日
 お母さんから連絡が来た。
 恋をしているのはこの子?って耀ちゃんの写真と一緒に。
 お母さんだけずるい!
 写真に写った耀ちゃんはとても楽しそうに笑ってた。

 6月1日
 耀ちゃんと服を買いに行った!
 耀ちゃんはスタイルがいいから大人っぽい服がよく似合っている。
 私が染めるのを手伝った白いロングウルフ。黒系の服によく映えている。
 さすが耀ちゃんだ!
 
 6月2日
 お母さんが耀ちゃんにお菓子を送ってきた。
 初めは何とも言えない気持ちだったが耀ちゃんの目が輝いているのを見て思い直した。
 お母さんグッジョブ!
 耀ちゃんは甘い物が大好きだもん!

 6月3日
 最近耀ちゃんが優しい気がする。
 抱き着いてもはたかれないし、腕を組んでも避けられない。
 もしや、か れ し ?
 いやでも、彼氏は私が一緒に住んでいるからないだろうし。
 もしかして、耀ちゃんも私が好きに!なんてね。

 6月4日
 今日は私の誕生日!
 毎年実家で家族全員で祝ってもらっているから例にもれず今年もそうした。
 本当はせっかくの誕生日だから一日中耀ちゃんと一緒に居たかったけど耀ちゃんはバイトだし。
 それに耀ちゃんは私の誕生日なんてきっと覚えていない。自分で書いていて悲しくなってきた。

 6月5日
 誕生日2日目!という名の親戚の集まりに顔を出すやつ!
 年に5回くらいしか会わないからまだいいけど、毎回結婚とか子供とかの話をされるとうんざりしてしまう。
 私は耀ちゃん一筋です!
 
 6月6日
 昨日1日中話しまわったせいでおばあちゃんの家で眠っちゃったみたい。
 耀ちゃんはもう起きているかな?

 6月7日
 ゴミ箱にケーキが入っていた。
 耀ちゃんは基本的に食べ物を無駄にする人じゃないし珍しい。
 もしかしてお客さんからもらったやつだったのかな?
 
 6月8日
 ごめんね耀ちゃんどんなに酔っても記憶はなくらないタイプなんだ。
 新人ちゃんが告白したのは真剣に受け取ってくれるのに私の好きは冗談だと思われちゃった。
 気持ち悪いって思われるよりも本気として受け取てもらえないのがこんなにつらいなんて知らなかった。

 6月9日
 私は耀ちゃんのそばにいる資格なんて最初からなかったみたい。 

 遺書
 神代耀様へ
 大好き ごめんね
 天音流歌

 何枚も何枚も書き直して結局切れ端にそれだけを書いた。
 2枚目には自分の相続するはずだった遺産や自分の貯金は全部耀ちゃんに渡してほしいこと。銀行の暗証番号とそのほか自分の持っているもので換金できそうなものはすべて耀ちゃんに渡してほしい旨を書いた。

 耀ちゃんが帰ってくるまでにはまだ数時間の猶予がある。
 書き溜めたレシピをコンビニでプリントしていい感じのイラストを書き込む。それを丁寧にファイリングして分かりやすい場所に置いておく。
 
 天井から丈夫な紐をぶら下げてその下にいい感じの踏み台を置く。
 急に実感が湧いてきた。怖い。ごめん、ごめんなさい、耀ちゃん。好きになってごめん。出会っちゃってごめん。バカでいられなくてごめん。すき、どうしようもないくらい好きだったの、耀ちゃんのことが、好きなの。
 首にひもをかけて踏み台を思いっきり蹴る。
 耀ちゃん泣いてくれなくていい。トラウマにならなくていい。でも、それでも、せめて、せめて私を――
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日記作者:吹雪
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 5月1日
 今日から耀ちゃんと一緒に住むことにした!
 初めは嫌そうにしていたけど耀ちゃんはなんだかんだ優しいから、元の家は引き払ってしまったと伝えると許してくれた。
 煙草のにおいが充満していることを除けば、耀ちゃんの部屋は案外女の子っぽい。
 今日から毎日耀ちゃんを見ることができるなんて最高だ!

 5月2日
 耀ちゃんと一緒に住む約束を決めた!
 耀ちゃんは意外とまじめだから全額私が出すと言っても聞いてくれなかった。
 でも、食品は私が勝手にいろいろ買ってきて耀ちゃんに食べてもらえばいいからそこは私の勝ちだ!
 今日から毎日最推しの耀ちゃんに貢げるなんて幸せすぎる!

 5月3日
 耀ちゃんに”料理が上手い”と褒められた!最高すぎる!
 レストランでバイトしていて心底よかったと思った。
 味見のし過ぎで味が段々よくわからなくなってしまって、結構濃い味になってしまったことは次から要注意だ。
 耀ちゃんはたぶん少し薄味の方が好き。あとは辛い物と酢の物が苦手。

 5月4日
 耀ちゃんは煙草が好き。それは勿論昔から知っていたがさすがにここまでだとは思わなかった。
 1日1箱は多すぎるのではないだろうか?身近に煙草を吸う人が耀ちゃん以外に居なかったからよく分からない。
 夜に作ったパスタをいつもより多めに食べていたから多分気に入ってくれたのだと思う。
 次からはその日に作った料理のレシピも一緒に書こうと思う。

 5月5日
 耀ちゃんからバイト先の話を聞いた。
 耀ちゃんがバイト先のお店を教えてくれたら私が一番お金を使うのに。
 というか、私が耀ちゃんを養いたい。そんなことを呟くと耀ちゃんが”それもいいかもね”って言ってくれた!
 冗談だとしても発言にはしっかり責任を持ってもらわなくては!今日から貯金頑張るぞ!
 耀ちゃんのためなら私は何でもできる!

 5月6日
 耀ちゃんに髪を染めてもらった!
 昔はいろいろな髪色に挑戦していたけど耀ちゃんに”それ似合ってんじゃん”と言われてからは変えていない。
 耀ちゃんの細い指が触れる度ドキドキしてしまった。
 指以外にも耀ちゃんは細いからもっといっぱい食べてもらわないとだ!
 
 5月7日
 ネットで調べると耀ちゃんの喫煙量はやっぱり結構多いらしい。電子ならともかく紙煙草は火事の危険性もあるからそれとなく禁煙を進めてみた。
 私が禁酒したら考えると言われたけど私の飲酒量はまだ一般的な量だと思う。多分。
 耀ちゃんはお酒を飲めないから私の飲酒量が多いと勘違いしているんだ!きっと!
 でもなんだかんだ言って、私が禁酒しても耀ちゃんは煙草をやめないと思う。私の勘だけど。

 5月8日
 部屋に空気清浄機がおいてあった。
 私が近づくとすごい音を立て始めたから一瞬臭いのかと思ってしまった。けど耀ちゃんの手が後ろに回ってるのと表情で察してしまった。
 耀ちゃんが手動で空気清浄機を操作していたのだ。耀ちゃんのいじわる!
 毎日お風呂には入っているし、シャンプーもボディーソープもわざわざ海外から取り寄せているお気に入りだ。今度こっそり耀ちゃんの奴も私と香り違いの物に変えてしまおうか。
 耀ちゃんはどんな香りが似合うだろうか、柑橘系よりはフローラル系で、軽い香りよりも重めの物がいい。それでいてある程度私の物と似ていr(以下省略)

 5月9日
 今日はいつもより耀ちゃんがご飯を食べてくれなかった。
 好みの味付けではなかったのだろうか、それとも体調がよくなかったのだろうか。心配だ。
 やっと平均体重に近づいてきたのに。
 
 5月10日
 今日は耀ちゃんの誕生日!ではないことはもちろん知っている。
 本当はちょうど1か月後。でも耀ちゃんは自分の誕生日があまり好きじゃないみたいだから今日いっぱいお祝いして、来月はプレゼントだけしようと思う。
 前に珍しくお酒を飲んで酔った耀ちゃんが”耀じゃなくて晶だったらもう少しましだったのかな”って言っていたから、気休めにでもなればいいと思ってチョコプレートの名前は耀じゃなくて晶にした。
 
 5月11日
 耀ちゃんはケーキが結構気に入ったみたいで朝からご機嫌だった。
 お菓子も作れるようになった方が良いのかもしれない。無理だとは思っているけど耀ちゃんの食べるものは全部私が作りたい。
 耀ちゃんは結構鈍いから私が耀ちゃんのシャンプーやボディーソープを勝手に買ってきても特に何も気が付いた様子はない。やったね!
 耀ちゃんを構成するものは全部私が決めたい。もちろん耀ちゃんがいいと思える範囲内ではあるけど。
 
 5月12日
 耀ちゃんが私にお酒を買ってきてくれた!嬉しい!
 でも、お酒は飲んだらすぐになくなってしまうから悲しくもある。
 本当なら賞味期限ぎりぎりまで取っておきたいところだけど、耀ちゃんに”飲まないの”と聞かれてしまったから今日中にすべて飲むことにした。
 次かあるかもなんて傲慢かもしれないけど、次は残るものがいいな。
 
 5月13日
 耀ちゃんの髪を染まるのを手伝った。お店のイメージが何たらで耀ちゃんは基本的に白っぽい髪か黒っぽい髪にしかしない。
 今回は真っ白。どんな色でも似合ってしまうのはさすが耀ちゃんだ。
 耀ちゃんに直接触れたくて手袋をしなかったら手が染まってしまった。
 慌てていると耀ちゃんが”一緒に入ろう”とお風呂に誘ってきた。
 白い肌にすらっとした体。綺麗でかっこいい顔に私の選んだ香り。大好きな耀ちゃんがいつもよりも近くてしかも一緒のお風呂で、いろいろ考えているうちに少しのぼせてしまった。
 多分今日のことは死ぬまで、いや、死んでも忘れないと思う。

 5月14日
 耀ちゃんにタバコが美味しいのか聞いたら微妙な反応をされた。
 美味しくないのなら何ですっているんだろう?
 ”お酒と一緒だ”って耀ちゃんに言われたけど。お酒一口で酔っぱらってしまう耀ちゃんと違って私は美味しくお酒が飲めるタイプだ。
 棒付キャンディーじゃダメなのかな?
 
 5月15日
 今日の御夕飯はお母さん直伝のコンニャクの炒め物!と意気込んで作っていたら耀ちゃんが結構な勢いでキッチンまで走ってきた。
 どうやら、コンニャクを焼いたときの音を悲鳴か何かだと勘違いしたらしい。
 私の悲鳴だと思ってあんなに早く駆けつけてくれたのかな。
 だと、うれしいな。
 
 5月16日
 耀ちゃんがバイト先のお客さんからもらってきたお酒をくれた!
 値段よりも流通量が少なく、前に取り寄せようと検索したら3年待ちだと表示されたいいお酒。
 なんでも、その地域でしか取れない黒薔薇で香りづけした葡萄のお酒らしい。
 コンセプトが何となく耀ちゃんに似ている気がしたのだ。ゆっくり味わおう。
 
 5月17日
 店長から最近頑張っているとほめられた。
 これからもこの調子で頑張らなくては!
 いっぱいお金をためていつか耀ちゃんを養うんだ!
 耀ちゃんはバイトが遅くなるようで少し寂しかった。
 
 5月18日
 耀ちゃんに怒られた!
 余ったお出汁は冷蔵庫に入れないと痛んじゃうんだよ!
 ていうか、私的にはお茶もお茶葉の出汁だと思います!
 次からは容器にラベルでも張っておいた方がいいかな。
 
 5月19日
 前に耀ちゃんからもらったお酒の缶、洗って大事にしていたのに耀ちゃんが灰を捨てちゃった。
 確かに他の缶との見分けはつかないかあも知れないけど一言くらい聞いてくれてもよかったと思う。
 いや、耀ちゃんの吸った煙草の灰が入った缶はそれはそれで。
 
 5月20日
 急にお母さんから連絡があった。
 京都の観光についてきて欲しいらしい。
 耀ちゃんと1週間も離れたくないと嘆いていたらお土産のリクエストをもらってしまった。
 張り切るぞ!
 
 5月21日
 京都についた、時期的に桜も紅葉もない。それでも京都はやっぱり綺麗だ。
 耀ちゃんは今何してるかな?会いたいな。ご飯ちゃんと三食栄養ある物食べてるかな。
 
 5月22日
 耀ちゃんに前に作ったパスタの作り方を聞かれた。
 詳しくレシピを書いておいてよかった。
 今度から念の為プリントアウトしていつでも耀ちゃんが見られるようにした方がいいかもしれない。

 5月23日
 耀ちゃんのことを考えているとお母さんに恋してる顔って言われた。
 やっぱりお母さんには分かっちゃうのかな。
 私はまだ分かりたくなかったな。

 5月24日
 早く耀ちゃんに会いたいよ~。

 5月25日
 夢に耀ちゃんが出てきた、末期なのかもしれにゃい。にゃん。

 5月26日
 明日はやっと耀ちゃんに会える!
 いや、もう今日数時間だけど、

 5月27日
 耀ちゃんが駅まで迎えに来てくれた!
 なんて一瞬私の都合の夢かと思ってしまった。
 耀ちゃんは私じゃなくてお母さんの方をずっと見ていた。
 夢の方がよかっ

 5月28日
 前に耀ちゃんが”京都に行ってみたい”って言っていたから。京都の話をいっぱい話した。
 なんだか少し上の空だった。
 耀ちゃんは私よりもお母さんの方が好きなのかな。
 
 5月29日
 耀ちゃんが待ち合わせに遅れるって連絡をくれたからピアノを弾いて待っていた。
 ピアノは好き。子供の時からやっているから何も考えなくても勝手に手が動く。
 お母さんがやりたいことは何でもやってみなさいって言ってくれたから小さい時は習い事がとっても多かったと思う。
 本当はそんなことよりもお兄ちゃんみたいに家業の手伝いがしたかったのだけど。その願いだけはかなわなかった。

 5月30日
 今日は耀ちゃんの機嫌がとても悪かった。
 電話先で何か怒鳴っていたから多分そのせいだと思う。
 
 5月31日
 お母さんから連絡が来た。
 恋をしているのはこの子?って耀ちゃんの写真と一緒に。
 お母さんだけずるい!
 写真に写った耀ちゃんはとても楽しそうに笑ってた。

 6月1日
 耀ちゃんと服を買いに行った!
 耀ちゃんはスタイルがいいから大人っぽい服がよく似合っている。
 私が染めるのを手伝った白いロングウルフ。黒系の服によく映えている。
 さすが耀ちゃんだ!
 
 6月2日
 お母さんが耀ちゃんにお菓子を送ってきた。
 初めは何とも言えない気持ちだったが耀ちゃんの目が輝いているのを見て思い直した。
 お母さんグッジョブ!
 耀ちゃんは甘い物が大好きだもん!

 6月3日
 最近耀ちゃんが優しい気がする。
 抱き着いてもはたかれないし、腕を組んでも避けられない。
 もしや、か れ し ?
 いやでも、彼氏は私が一緒に住んでいるからないだろうし。
 もしかして、耀ちゃんも私が好きに!なんてね。

 6月4日
 今日は私の誕生日!
 毎年実家で家族全員で祝ってもらっているから例にもれず今年もそうした。
 本当はせっかくの誕生日だから一日中耀ちゃんと一緒に居たかったけど耀ちゃんはバイトだし。
 それに耀ちゃんは私の誕生日なんてきっと覚えていない。自分で書いていて悲しくなってきた。

 6月5日
 誕生日2日目!という名の親戚の集まりに顔を出すやつ!
 年に5回くらいしか会わないからまだいいけど、毎回結婚とか子供とかの話をされるとうんざりしてしまう。
 私は耀ちゃん一筋です!
 
 6月6日
 昨日1日中話しまわったせいでおばあちゃんの家で眠っちゃったみたい。
 耀ちゃんはもう起きているかな?

 6月7日
 ゴミ箱にケーキが入っていた。
 耀ちゃんは基本的に食べ物を無駄にする人じゃないし珍しい。
 もしかしてお客さんからもらったやつだったのかな?
 
 6月8日
 ごめんね耀ちゃんどんなに酔っても記憶はなくらないタイプなんだ。
 新人ちゃんが告白したのは真剣に受け取ってくれるのに私の好きは冗談だと思われちゃった。
 気持ち悪いって思われるよりも本気として受け取てもらえないのがこんなにつらいなんて知らなかった。

 6月9日
 私は耀ちゃんのそばにいる資格なんて最初からなかったみたい。 

 遺書
 神代耀様へ
 大好き ごめんね
 天音流歌

 何枚も何枚も書き直して結局切れ端にそれだけを書いた。
 2枚目には自分の相続するはずだった遺産や自分の貯金は全部耀ちゃんに渡してほしいこと。銀行の暗証番号とそのほか自分の持っているもので換金できそうなものはすべて耀ちゃんに渡してほしい旨を書いた。

 耀ちゃんが帰ってくるまでにはまだ数時間の猶予がある。
 書き溜めたレシピをコンビニでプリントしていい感じのイラストを書き込む。それを丁寧にファイリングして分かりやすい場所に置いておく。
 
 天井から丈夫な紐をぶら下げてその下にいい感じの踏み台を置く。
 急に実感が湧いてきた。怖い。ごめん、ごめんなさい、耀ちゃん。好きになってごめん。出会っちゃってごめん。バカでいられなくてごめん。すき、どうしようもないくらい好きだったの、耀ちゃんのことが、好きなの。
 首にひもをかけて踏み台を思いっきり蹴る。
 耀ちゃん泣いてくれなくていい。トラウマにならなくていい。でも、それでも、せめて、せめて私を――
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