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第17話:新たに仲間が加わる

 集落に戻る頃には夜が明けていた。ゆっくりと登ってくる朝日にクラウスは眩しそうに目を細める。

 集落の人々にイバンナを退治たこと伝えれば、彼らは安堵したように息をついて感謝の言葉を三人に伝えた。貴方たちのおかげで安眠ができると。

 どんなお礼をしたらいいのかと言われるも、無理する必要はないとクラウスは答える。素材を売れば多少の金にはなるのでとそう言えば、「ならばせめて町まで送らせてください」と老人が提案した。

 小さいですが荷車がありますのでと、老人は馬を連れてくるように指示を出す。集落に残る青年が一人、馬を連れてきたので彼が送ってくれるようだ。

 彼らの申し出を受けて三人はマルリダの町まで戻ることにした。

  *

 早朝から出たこともあり、町へは陽が少し傾いた頃に到着した。

 ギルドを介して魔物の素材を買い取ってもらうと三人は報酬を分け合う。アロイは「助けてもらった身なんだけど」と言うが、クラウスが「あの罠はよくできていた」と返す。


「あの罠が上手く機能していたのもあって動きが鈍くなっていた」

「あー、蔦のね。即興だったけどちゃんと機能してよかった」


 アロイは「罠づくりは教え込まれたんで得意なんすよ」とへへっと笑う。ブリュンヒルトが「休んでいきましょうよ」とギルドの奥のテーブルを指すけれど、彼は首を振った。


「オレはもう行きますんで」

「この後、どうするんですか? 一人で......」

「一人また気ままにやっていくさ」


 一人は慣れている。魔法は強化で使えるけれど、自分のような狩人タイプはパーティでは重要視されない。

 組んでくれるような相手を探すのも面倒くさいし、今回のように無茶やって迷惑かけるのも嫌なんだとアロイは微苦笑混じりに息を吐く。

 アロイは「二人には世話になったんで、何かしらあった時には手を貸すよ」とはそれだけ言ってギルドを出ようと扉に手をかけた。


「あの! なら、一緒に来ませんか!」

「はぁ?」


 アロイはブリュンヒルトを見遣れば、彼女はきりっと眉を上げて言った。


「二人よりも三人のほうがパーティっぽいじゃないですか!」

「理由それ?」

「はい!」


 即答。ブリュンヒルトのはっきりとした物言いにアロイは目を瞬かせ、クラウスははぁと溜息を吐いていた。


「まず、相談してくれないか、ヒルデ」


 クラウスの「俺もいるのだが」という言い分に、ブリュンヒルトが「それはですね、アロイさんが何処かに行っちゃいそうだったんで!」と説明する。


「だって、一人ですよ? 一人では危ないです」

「それはそうだろうな」

「あと、なんかアロイさんは放っておけません」


 なんというか、損な性分っぽいとブリュンヒルトは心配そうにアロイを見る。

 言っている意味は分からなくもない。彼は困っている相手を放っておけるほどの人ではないことを、一人でイバンナを追ったことで証明している。


「ほら、遠距離って大事じゃないですか! 私、攻撃魔法不得意なんで!」


 ブリュンヒルトの「援護とかできないんですよ!」と自信満々に言う姿にアロイは笑いだした。

 お人よし過ぎると腹を抱えて大笑する。ばんばんと自身の太ももを叩きながら。


「嬢ちゃん、人を信用しすぎっしょ。オレが悪い奴だったらどうするの」

「悪い人が集落の人のために一人でイナンバを追いかけたりしません!」


 そこを突かれ、アロイは「それはそうかもしれないけどよ」と零す。ブリュンヒルトは「私たちに足りないものを貴方は持っているんです」と指をさす。


「私は回復とか守りばかりだし、クラウスさんは隠密とか前に出て戦うこともできますけど。援護できる人って必要だと思うんですよ!」

「まぁ。援護できる相手がいれば少しは楽になるな」


 ブリュンヒルトを守れる相手が増えるというのは助かることだ。クラウスは彼女の意見になるほどと頷く、悪くはない考えだと。

 そんな二人にアロイは「本気で言ってる?」と困ったように問う。

 クラウスが「少なくとも彼女は本気だ」とブリュンヒルトを指す。眉をきりっと上げた顔がアロイへ向けられていた。

 真っ青な瞳に見つめるられて嘘も迷いもないその輝きに、アロイは疲れた目元を下げて首をがりがりと掻いて小さく息を吐く。


「......じゃあ、いいっすか?」


 疲れた目元がやんわりと笑む。

 ブリュンヒルトは「勿論です!」とアロイの手を取った。「ですよね!」と彼女に同意を求められて、クラウスは「あぁ」と返事を返す。

 新しい仲間が一人、増えた。

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パーティを追放されけれど、助けた聖女と共に冒険者として生きていくことにした作者:巴雪夜
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第17話:新たに仲間が加わる

 集落に戻る頃には夜が明けていた。ゆっくりと登ってくる朝日にクラウスは眩しそうに目を細める。

 集落の人々にイバンナを退治たこと伝えれば、彼らは安堵したように息をついて感謝の言葉を三人に伝えた。貴方たちのおかげで安眠ができると。

 どんなお礼をしたらいいのかと言われるも、無理する必要はないとクラウスは答える。素材を売れば多少の金にはなるのでとそう言えば、「ならばせめて町まで送らせてください」と老人が提案した。

 小さいですが荷車がありますのでと、老人は馬を連れてくるように指示を出す。集落に残る青年が一人、馬を連れてきたので彼が送ってくれるようだ。

 彼らの申し出を受けて三人はマルリダの町まで戻ることにした。

  *

 早朝から出たこともあり、町へは陽が少し傾いた頃に到着した。

 ギルドを介して魔物の素材を買い取ってもらうと三人は報酬を分け合う。アロイは「助けてもらった身なんだけど」と言うが、クラウスが「あの罠はよくできていた」と返す。


「あの罠が上手く機能していたのもあって動きが鈍くなっていた」

「あー、蔦のね。即興だったけどちゃんと機能してよかった」


 アロイは「罠づくりは教え込まれたんで得意なんすよ」とへへっと笑う。ブリュンヒルトが「休んでいきましょうよ」とギルドの奥のテーブルを指すけれど、彼は首を振った。


「オレはもう行きますんで」

「この後、どうするんですか? 一人で......」

「一人また気ままにやっていくさ」


 一人は慣れている。魔法は強化で使えるけれど、自分のような狩人タイプはパーティでは重要視されない。

 組んでくれるような相手を探すのも面倒くさいし、今回のように無茶やって迷惑かけるのも嫌なんだとアロイは微苦笑混じりに息を吐く。

 アロイは「二人には世話になったんで、何かしらあった時には手を貸すよ」とはそれだけ言ってギルドを出ようと扉に手をかけた。


「あの! なら、一緒に来ませんか!」

「はぁ?」


 アロイはブリュンヒルトを見遣れば、彼女はきりっと眉を上げて言った。


「二人よりも三人のほうがパーティっぽいじゃないですか!」

「理由それ?」

「はい!」


 即答。ブリュンヒルトのはっきりとした物言いにアロイは目を瞬かせ、クラウスははぁと溜息を吐いていた。


「まず、相談してくれないか、ヒルデ」


 クラウスの「俺もいるのだが」という言い分に、ブリュンヒルトが「それはですね、アロイさんが何処かに行っちゃいそうだったんで!」と説明する。


「だって、一人ですよ? 一人では危ないです」

「それはそうだろうな」

「あと、なんかアロイさんは放っておけません」


 なんというか、損な性分っぽいとブリュンヒルトは心配そうにアロイを見る。

 言っている意味は分からなくもない。彼は困っている相手を放っておけるほどの人ではないことを、一人でイバンナを追ったことで証明している。


「ほら、遠距離って大事じゃないですか! 私、攻撃魔法不得意なんで!」


 ブリュンヒルトの「援護とかできないんですよ!」と自信満々に言う姿にアロイは笑いだした。

 お人よし過ぎると腹を抱えて大笑する。ばんばんと自身の太ももを叩きながら。


「嬢ちゃん、人を信用しすぎっしょ。オレが悪い奴だったらどうするの」

「悪い人が集落の人のために一人でイナンバを追いかけたりしません!」


 そこを突かれ、アロイは「それはそうかもしれないけどよ」と零す。ブリュンヒルトは「私たちに足りないものを貴方は持っているんです」と指をさす。


「私は回復とか守りばかりだし、クラウスさんは隠密とか前に出て戦うこともできますけど。援護できる人って必要だと思うんですよ!」

「まぁ。援護できる相手がいれば少しは楽になるな」


 ブリュンヒルトを守れる相手が増えるというのは助かることだ。クラウスは彼女の意見になるほどと頷く、悪くはない考えだと。

 そんな二人にアロイは「本気で言ってる?」と困ったように問う。

 クラウスが「少なくとも彼女は本気だ」とブリュンヒルトを指す。眉をきりっと上げた顔がアロイへ向けられていた。

 真っ青な瞳に見つめるられて嘘も迷いもないその輝きに、アロイは疲れた目元を下げて首をがりがりと掻いて小さく息を吐く。


「......じゃあ、いいっすか?」


 疲れた目元がやんわりと笑む。

 ブリュンヒルトは「勿論です!」とアロイの手を取った。「ですよね!」と彼女に同意を求められて、クラウスは「あぁ」と返事を返す。

 新しい仲間が一人、増えた。

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