歴史・時代長編連載中
神父と白い野獣―呪われた村で出会ったのは、神に縋る青年と、獣と呼ばれた異教徒だった。
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十四世紀イングランド。
若き司祭アーサー・クロムウェルは、伯爵の私生児として生まれながら、政治的な思惑によって敵領の教会へ送られ、「司祭」と「人質」という二つの立場を背負って生きていた。村人から敬われる一方、その言動は代官や領主たちの監視下に置かれ、自由とは程遠い日々を送っている。
そんなある日、村外れの森で、白い髪と赤い瞳を持つ異形の流浪人・ウルフと出会う。村人から恐れられ、「野獣」と噂される彼は、荒々しい風貌とは裏腹に、確かな知識と強さ、そして誰にも明かせない壮絶な過去を秘めていた。
身分も価値観も正反対の二人は、互いに反発しながらも少しずつ距離を縮めていく。しかし村では毒草事件や流行病の疑惑が相次ぎ、不安と偏見は行き場を失った怒りとなって流浪人へ向けられていく。
やがてアーサーとウルフは、村で起きる出来事の背後に、人々の欲望と権力争いが潜んでいることを知る。信仰と政治、身分と差別、そしてそれぞれが背負う過去が交錯する中、二人は守るべき人々のために、自らの立場を懸けて真実へ踏み込んでいく。
これは、人質として生きる若き司祭と、「白い野獣」と呼ばれた流浪人が、閉ざされた世界で希望を探し続ける物語である。